2021年5月8日(土)
DD2号 オイルパンガスケットの交換 − その1
「DD2号 オイル漏れ − オイルパンのガスケットから」のレポートでも紹介したように、DD2号のエンジンオイルパンのガスケットからオイルが漏れている。オイルパンを外してガスケットを交換しようとするとメンバーを下げないといけないので、かなり面倒な作業になる。「オイルが漏れるのはオイルが入っている証拠!」という呪文で乗り切ろうとしていたのだが、実は「DD2号 エンジンオイルの交換 − アンダーパネルを外して」のレポートで、すでにオイルパンのガスケットからエンジンオイルが漏れいた。ということは、もう半年以上も放置していたことになる。そろそろ修理しないといけないかな・・・。
オイルパン周辺は、図1のようになっており、ガスケットは[4]の部品である。これを交換するときには、[5]のアルミボルトを新品に交換しないといけない。
図1 オイルパン周辺の部品このオイルパンを外そうとすると、メンバーを下げてオイルパンを抜き取るスペースを作らないといけない。DD2号のメンバー周辺は図2のようになっており、赤矢印のところにある6本のボルトで下からフレームに固定されている。
図2 メンバー周辺また、図2の緑矢印の板は、レインフォースプレート(レインフォースメントプレート)である。このメンバーを下げるためには、メンバーに取り付けられているアーム類(スラストアーム、コントロールアーム、スウェイリンク)を外す必要がある。さらに、メンバーにはステアリングギアボックスが取り付けられている。図3にステアリングシャフト周辺の部品を示す。
図3 ステアリングシャフト周辺図3の赤矢印のボルトを外して、ステアリングシャフトとステアリングギアボックスを切り離してメンバーを下げる。また、エンジンはエンジンマウントを介してメンバーの上に載っているので、エンジンマウントの固定ナットを外すとともに、メンバーを下げてもエンジンが一緒に降りてこないように、エンジン本体を吊り上げておく必要がある。う〜ん、こうやって書いてみると、なかなかの面倒くささだ(苦笑)。でも、まぁ、やってみるか・・・。
まずは、写真1のように前輪をスロープの上に載せておく。これ以降の作業では車を動かせないため、事前にジャッキアップできるようにしておく。
写真1 スロープに乗せたところここから作業開始だ。車をジャッキアップする前に、エンジンルームの上からの作業を終わらせておこう。ボンネットを開けて、写真2の赤矢印で示すエアコンフィルタボックス、同トレイ、エンジン化粧カバー等を外す。
写真2 ボンネットを開けたところこのあたりの作業については、このレポートを参照のこと。写真3にエンジン化粧カバーまで外したところを示す。
写真3 エンジン化粧カバーまで外したところ今度は、エンジンマウントの固定ナットにアクセスするために、写真4のエアフィルタ(エアクリーナーエレメント)ボックスを外す。
写真4 エアフィルタボックスエアフィルタボックスの外した方については、このレポートを参照のこと。エアフィルタボックスを外すと、写真5のように左エンジンマウント上部のナットが見えるようになる。
写真5 左エンジンマウントの固定ナット一方、エンジンの右側には、写真6のように右エンジンマウントの固定ナットが見えている。
写真6 右エンジンマウントの固定ナットこの固定ナットを外すのだが、写真7のように450mmの長いエクステンションバー、ユニバーサルジョイント、16mmのディープソケットを組み合わせて、それらを養生テープで外れないようにしておく。手の届かないところでソケット類が外れてしまったら面倒だからだ。これを使って、左右のエンジンマウントの固定ナットを外しておく。ちなみに、この固定ナットの締め付けトルクは56Nmだ。
写真7 エンジンマウントのナットを外す工具一方、エンジンマウントの固定ナットが外れたら、メンバーを下げたときにエンジンが降りてこないようにエンジンを吊り上げておかなくてはいけない。エンジン化粧カバーを外すと、オイルフィルタの近くに写真8のような穴があるのが見えるだろう。
写真8 フックの固定穴これは写真9の牽引フックを固定するための穴である。
写真9 牽引フックこの牽引フックはトランクカーペットの下にある車載工具の中にある。これを写真10のように穴にねじ込む。
写真10 牽引フックをねじ込んだところそして、写真11のエンジンサポートバーを設置する。
写真11 エンジンサポートバーこれは、写真12のように左右のフェンダーの上に設置してエンジンを吊り上げる道具で、500kgまでの吊り上げ能力がある。これは、今回のオイルパンガスケット交換のために8,690円(送料込み)で購入した。買ったのはいいが、この作業以外には使わないだろうなぁ・・・。
写真12 エンジンサポートバーを設置したところ横から見ると、写真13のようにエンジンサポートバーが少し前傾しているので、左右にある赤矢印の19mmのボルトを緩めて水平にしておく。
写真13 エンジンサポートバーをよくから見たところまた、数百kgあるエンジンを吊り下げるので、エンジンサポートバーの足にはかなりの重量がかかることになる。DD2号のフェンダーは樹脂製のため、写真14のようにエンジンサポートバーの足の下にフレームが来る位置に設置しておこう。
写真14 エンジンサポートバーの足さて、ここまでできたら、写真15のように前後にウマをかけて車体を高く持ち上げる。
写真15 ウマをかけたところ下にもぐってアンダーパネルを見てみると、写真16のサービスホールの蓋にオイル漏れの跡が見える。
写真16 オイル漏れの跡やっぱりオイルが少し漏れているようだ。勝手に直ったりはしないか・・・。とりあえず、写真17のように前後のアンダーパネルを外す。
写真17 前後のアンダーパネルを外したところそして、写真18の5か所のボルトを外してレインフォースプレートを外す。ここのボルトの締め付けトルクは56Nmだ。
写真18 レインフォースプレートの固定ボルト写真19に外したレインフォースプレートを示す。写真のようにベッタリと漏れたオイルがついている。
写真19 オイルが付いたレインフォースプレートオイルパンのところをよく見てみると、写真20、写真21のようにオイル漏れが見える。
写真20 オイル漏れ(オイルパン前側)
写真21 オイル漏れ(オイルパン後ろ側)ここで、写真22のようにメンバーにジャッキを当てて、少しだけメンバーを持ち上げる。
写真22 メンバーを少し持ち上げたところそして、写真23のように少し持ち上げた分だけ、エンジンサポートバーのネジを締めてエンジンを持ち上げておく。メンバーを下ろしたときにどうしてもエンジンが少し下がってしまうので、その補償だ。
写真23 エンジンを少し持ちあげているところさて、次はエンジンオイルを抜こう。DD2号には、写真24に示すエコオイルチェンジャーを付けている。
写真24 エコオイルチェンジャーこのエコオイルチェンジャーと耐油ホースを使って写真25のようにペットボトルにオイルを抜いていく。エコオイルチェンジャーを使うと、レバー操作だけでオイルを抜くことができるので、オイル交換が簡単だ。
写真25 エンジンを抜いているところ前回エンジンオイルを交換してから2,000kmほどしか走っていないので、このオイルは再利用しよう。
さて、ここまでできたら、メンバーを下げるために必要な準備をしよう。つづく。
ご質問はddkunnejp【@】gmail.comまで。