2018年4月7日(土)
DD2号 パワステポンプの交換 − オイル漏れ
「DD2号 パワステポンプの確認 − 結構漏れてる」で報告したように、DD2号のパワステポンプからオイルが漏れている。交換しないといけないと思っていたが、寒い日が続いたのでちょっと心に棚を作ってその上に載せておいた。しかし、最近、暖かくなってきたので心の棚から降ろしてきて交換することにした。DD2号はアクティブステアリング付きなのでパワステポンプも高価だったりするが、なんとか我慢できる価格のリビルトのステアリングポンプを見つけて購入しておいた。
まずは、写真1のように車の前側をジャッキアップしてウマをかける。車の下に潜るので、かならずウマをかけよう。
写真1 ジャッキアップしたところそして、写真2のように前側のアンダーカバーを外す。
写真2 前側のアンダーカバーを外したところ下に潜ってパワステポンプを下から見上げてみると、写真3のように確かにオイルが漏れている。やっぱり、勝手には直ったりしないか・・・。
写真3 パワステポンプからのオイル漏れやはりパワステポンプを交換するしかないな。それでは気を取り直してベルト外しから。写真4の位置にトルクスT-60が刺さるところが見える。
写真4 トルクスT-60が刺さるところここにトルクスビットを差し込んで、写真5のようにレンチを右側に回せば、テンションプーリーのバネを縮めてベルトの張力が緩まり、ベルトを外すことができる。
写真5 ベルトの張力を緩めているところこうして外したベルトを写真6に示す。写真6のようにまだひび割れは見られない。
写真6 外したベルト次は、パワステのオイルリザーバータンクからオイルを出来る限り抜く。そのために、写真7のものを用意した。
写真7 ペットボトル、スポイト、漏斗これらを使って、写真8のようにタンクからオイルを抜いていく。
写真8 タンクからオイルを抜いているところパワステオイルは緑色をしている。これはCHF11Sというオイルだ。このリザーバータンクには1リットル近くのオイルが入っている。抜いたオイルを写真9に示す。
写真9 抜いたオイルタンクからおおよそのオイルが抜けたら、パワステポンプのオイルラインを外そう。オイルラインを外すと、残っているオイルが漏れてくるため、写真10のように車体の下にオイル受けを用意しておく。
写真10 オイル受けオイルラインは、まず写真11のバンジョーボルトのあるほうから外す。このバンジョーボルトは22mmのソケットで外すことができる。頭部が薄いので舐めないように注意しよう。
写真11 バンジョーボルトバンジョーボルトを外すと、写真12のようにオイルラインを外すことができる。ここからしばらくオイルが漏れてくるので、オイル受けで受けておこう。
写真12 オイルラインを外したところさて、オイルを抜いている間に作業スペースを作るため、エアフィルタボックスを外そう。まずは写真13の3か所のクリップを手で外す。
写真13 エアフィルタボックスのクリップそして、写真14のようにエアフィルタボックスの後ろ側にあるコネクタとホースクランプを外す。
写真14 コネクタとホースクランプすると、写真15のようにエアフィルタボックスの蓋を外すことができる。
写真15 エアフィルタボックスの蓋を外したところここで、写真15の赤矢印で示したトルクスネジを外す。すると、写真16のようにエアフィルタボックスを外してパワステポンプにアクセスできるようになる。
写真16 エアフィルタボックスを外したところエアフィルタボックスが外せたら、今度はタンクからポンプまでのオイルラインの方を外す。そのため、写真17のホースクランプを外す。
写真17 タンク側のオイルラインのホースクランプこのホースクランプは再利用不可のもので、写真18のようにマイナスドライバーでクリップを外すと、ホースクランプが外れる。
写真18 ホースクランプを外しているところホースクランプを外せば、写真19のように簡単にホースを外すことができる。
写真19 ホースを外したところホースを外すと中に入っているオイルが漏れてくるので、下にオイル受けを置いておこう。また、パワステポンプに接続されている配線のコネクタも外しておく。アクティブステアリング付き車のポンプには配線が付いているようだ。
さて、オイルラインを外したら、パワステポンプ本体を外すことができる。写真20に示す、パワステ前側にある2本のトルクスボルトを外す。このトルクスボルトはアルミ製なので再利用不可だ。
写真20 トルクスボルトさらに、ポンプの後ろ側に付いている2本のボルトを外すと、写真21のようにポンプを車体から外すことができる。
写真21 ポンプを車体から外したところこのポンプを車外に出そうとするのだが、上からも下からもスペースがなくてなかなか出せない。知恵の輪のようにポンプをぐるぐる回しながら、なんとか上側から引き揚げた。写真22に外したポンプと購入したリビルトのポンプを示す。
写真22 外したポンプ(左)と購入したポンプ(右)外したポンプには写真23のような表示がある。
写真23 外したポンプの表示一方、購入したポンプの表示を写真24に示す。
写真24 購入したポンプの表示だいたい同じだが、左側の数字がちょっと違う。まぁ、それはともかく、外したポンプに付いているプーリーを移植しておこう。プーリーは写真25のように3本のボルトで固定されている。
写真25 プーリーこの3本のボルトを外したらプーリーが外れるはずだが、さび付いていてなかなか外れない。そこで、写真26のようにCRC5-56を吹きかけてしばらく浸透するのを待つ。
写真26 CRC5-56を吹きかけているところその後、プーリーの裏側から軽く均等にプーリーをショックハンマーで叩いていくと、だんだんとプーリーが外れてくる。くれぐれも強く叩かないようにしよう。写真27に外れたプーリーを示す。
写真27 外れたプーリーこの際だからプーリーを綺麗に洗って乾かした後、購入したポンプに取り付ける。取り付ける前に、固着しないように接触部分にシリコングリスを薄く塗っておいた。取り付けは、写真28のように3本のボルトで締めればいいが、ここの締め付けトルクは22Nmである。ポンプ回転軸の中心に六角レンチを差し込んでおくと、ボルト締め付け時にポンプ回転軸の供回りを防ぐことができる。
写真28 ボルトを取り付けているところこれを写真29のように元の場所に入れる。写真29のように上からこの角度で入れれば入るので、参考にしてもらいたい。
写真29 ポンプを入れているところポンプを元の位置に入れたら、ボルトでポンプを固定する。前側の2本のアルミボルトは再利用不可なので新しいボルトを用意する。このボルトの締め付けトルクは20Nmである。一方、裏側の2本のボルトはアルミではないので再利用可能だ。写真30にポンプを固定したところを示す。
写真30 ポンプを固定したところポンプが固定できたら、タンク側のホースを接続する。そのため、写真31に示すホースクランプを購入しておいた。
写真31 ホースクランプこのホースクランプは18-24mmφでマイナスドライバーで締め付けられるものだ。これを使って写真32のようにホースを接続し、赤矢印のネジを締める。あまり締めすぎないように注意しよう。
写真32 ホースクランプでホースを接続したところ次はバンジョーボルトの取り付けだ。このボルトを取り付けるときには、図1に示すガスケットリングを新品に交換する。
図1 ガスケットリング写真33に新しいガスケットリングと古いガスケットリングの比較を示す。古いガスケットリングはアルミ製だが、新しいガスケットリングは銅製だ。
写真33 新しいガスケットリング(左)と古いガスケットリング(右)新しいガスケットリングを付けて、写真34のようにバンジョーボルトを取り付ける。ここの締め付けトルクは35Nmだが、トルクレンチがうまく入らないので、手ルクレンチで締め付けた。
写真34 バンジョーボルトを取り付けたところここまでできたら、ベルトも取り付けてタンクにオイルを補充する。オイルは写真35に示すPENTOSINのCHF11Sだ。
写真35 CHF11Sこのオイルを写真36のようにタンクに入れていく。
写真36 オイルを入れているところおおよそMAXの位置まで入ったら、車をジャッキアップしたままエンジンをかけ、写真37のようにハンドルを左右にロックするまでゆっくり2回ずつ回してからエンジンを切る。アクティブステアリングなので、中立からロック位置までハンドルを回しても1回転弱しか回らない。
写真37 ハンドルをロック位置まで回しているところそして、もう一度タンクのオイル量を確認し、写真38のようにMAXの位置まで補充する。
写真38 オイル量の確認最後にアンダーカバーを元に戻してウマを外せば作業完了だ。写真39に作業完了後のDD2号を示す。
写真39 パワステポンプ交換後のDD2号ポンプを交換した後に少し運転してみたが、上から見た限りではオイル漏れは直っているようだ。今回のパワステポンプ交換で購入した部品と価格は以下の通りである。
部品名
純正P/N
価格(円)
備考
パワーステアリングポンプ ZF FP6
(アクティブステアリング付き車用)32416769766 34,812
BUYAUTOPARTS.COMから購入(送料込み) ホースクランプ L18-24mm 07129952109 479
Pelican Partsから購入 (送料均等割り) パワーステアリングポンプ固定ボルト一式 32420392609 1,583
Pelican Partsから購入 (送料均等割り) ガスケットリング 16x22x1.5 32411093597 145
同じ大きさの銅製のものを購入(5個、送料込み) パワステオイル PENTOSIN CHF11S −
2,400
Amazon Japanで購入(送料込み) 合 計
39,419
交換に4万円ほどかかってしまったが、純正の新品なら少なくとも14万円ほどかかるし、国内通販のリビルトでも9万円ほどかかることを考えると、少しは安く修理できたのかもしれない。アクティブステアリング付きでなければもっと安くポンプを購入できたのだが、こればかりは仕方ない。
ご質問はddkunnejp【@】gmail.comまで。