2018年1月27日(土)
DD2号 電動ウォーターポンプの交換 − サーモスタットも
take-Mさんで車検を通していただいた際に、予防保全としてウォーターポンプを交換しておいた方がいいというアドバイスをいただいたので、早い目に交換しておくことにした。これが止まっちゃったら走れなくなるし。
どうもDD2号のウォーターポンプは電動らしく、すぐそばにサーモスタットも付いているので、交換するなら同時に交換しておくのがいいらしい。そこで、両方とも交換することにした。
まずは、写真1のようにフロント側をジャッキアップしてウマをかける。
写真1 フロント側にウマをかけたところそして、写真2に示すアンダーカバーを外す。
写真2 アンダーカバーを外したところウォーターポンプとサーモスタットは、エンジンの右前方下側に付いている。車体の下に潜ってエンジンの右前方下側を見ると、電動ウォーターポンプとサーモスタットが見えるはずだ。写真3の左側の矢印で示しているのが電動ウォーターポンプ、右側の矢印で示しているのがサーモスタットである。
写真3 電動ウォーターポンプとサーモスタット交換する前に、まずはクーラントを抜こう。ラジエターの右下に写真4の赤いプラスチックのドレインコックがあるので、これを反時計回りに回して緩める。
写真4 クーラントのドレインコック緩める前には写真5のように、下に受け皿を置いておこう。おおよそ6リットル弱ほど抜けるので、その量が入る受け皿を準備しておく。
写真5 クーラントの受け皿その後、写真6のようにクーラントのリザーバータンクのキャップを開ける。
写真6 クーラントリザーバータンクのキャップを開けたところすると、写真7のように受け皿にクーラントが落ちてくる。
写真7 クーラントを抜いているところクーラントが抜けたらウォーターポンプとサーモスタットの取り外しだ。まずは、写真8のように電動ウォーターポンプとサーモスタットにつながっているコネクタを外す。
写真8 コネクタを外したところ次に、電動ウォーターポンプを固定しているアルミボルトを取り外す。図1の@で示すように、上側に1本、下側に2本のアルミボルトがある。ちなみに、このアルミニウムボルトは再利用不可で、取り付けるときの締め付けトルクは9Nmである
図1 固定ボルトの位置下側の2本のボルトは写真9の赤矢印で示す位置にあるが、上側の1本は直接見えない位置にあって取り外しにくい。
写真9 電動ウォーターポンプとサーモスタットの固定ボルト上側の1本のボルトを外すためには、写真9の赤矢印のボルトだけでなく、緑矢印で示すサーモスタットの固定ボルトを外す。すると、写真10のようにサーモスタットを少し動かせる状態になるので、工具が入る余裕ができる。
写真10 固定ボルトを外したところ上側の固定ボルトは写真11の赤矢印のところだ。これは、ボルトを外して少し電動ウォーターポンプを動かしたので下から見えるが、ボルトが付いた状態では、下からはボルトが全く見えない。
写真11 上側の固定ボルトの位置さて、次はウォーターポンプやサーモスタットに接続されているホースを外していく。図2にサーモスタットに接続されているホースを示す。
図2 サーモスタットに接続されているホースこのうち、@は電動ウォーターポンプに接続されており、車体から外す時は電動ウォーターポンプとサーモスタットを一緒に取り外すので、@のホースを抜く必要はない。BとCはクリップ式のコネクタになっている。これは、このレポートの写真7に示すようなコネクタで、金属のクリップを抜くと比較的簡単に外すことができる。まずは、下側のCのほうを抜き、Bにアクセスできるスペースを作ったうえで、Bを抜けばいい。このパイプを外す時は盛大にクーラントが漏れてくるので、真下に受け皿を置いておこう。DDは抜いた瞬間にクーラントを顔にかぶってしまった。
また、図2の赤矢印のところには電動ウォーターポンプに接続されているホースがある。これは、ネジ式のホースバンドで接続されているので、下からマイナスドライバーでボースバンドを緩めて、ホースを外しておく。
一方、Aのところもネジ式のホースバンドになっているが、これはサーモスタットの上側に付いているので、下からのアクセスは困難だ。そこで、この部分を外すのは諦めて、このホースの反対側を外すことにする。このホースの反対側は、写真12のようにエンジン前方上側にある。
写真12 ホースの反対側写真12の赤矢印で示した2本のボルトを10mmのソケットレンチで外すと、写真13のようにホースを外すことができる。
写真13 ホースを外したところその後、すべてのホースが外れたら、知恵の輪のようにして電動ウォーターポンプとサーモスタットを車外に取り外す。写真14に外した電動ウォーターポンプとサーモスタットを示す。ここでは、図2のAのホースは既に取り外している。
写真14 取り外した電動ウォーターポンプとサーモスタット写真15に新旧の比較を示す。
写真15 新旧の比較BMW純正の電動ウォーターポンプ(P/N: 11517586925)はかなり高額になりそうなのでOEM製品を探したところ、国内のオンラインショップでサーモスタット(P/N: 11537549476)とセットで4万円程度で見つけた。う〜ん、まだ高いなぁ・・・。海外まで調べてみると、電動ウォーターポンプ、サーモスタット、アルミボルト(P/N: 11510392553)を含めて27,859円(送料込み)であった。かなり安いけど大丈夫か!? まぁ、ここは人柱ということで・・・。
新しい電動ウォーターポンプとサーモスタットは、一旦、写真16のように2つを固定ボルトで仮固定して、その間をつなぐホースを接続する。
写真16 ホースを接続したところその後、再び固定ボルトを外して、電動ウォーターポンプとサーモスタットを知恵の輪のようにして車体に収めて、外したホースを接続していく。写真17は図2のBのコネクタの部分だ。
写真17 Bのコネクタ部分写真17のように、金属クリップをコネクタに付けておき、これをサーモスタットに差し込んだ後、金属クリップを押し込めば接続できる。簡単な作業だ。これなら工具が入りにくい部分でも確実に取り付けできる。
このようにして外したホースを取り付けていく。その後、電動ウォーターポンプを固定するアルミボルト(P/N: 11510392553)を取り付けるのだが、このボルトは再利用不可なので新品を用意しておこう。締め付けトルクは9Nmなので、写真18のようにトルクレンチを使って締め付ける。
写真18 トルクレンチでアルミボルトを締め付けているところ最後に写真19のように外したコネクタを取り付ければ交換完了だ。
写真19 コネクタを取り付けたところこのレポートを書いていて気づいたのだが、電動ウォーターポンプの取り外し前には、写真20の赤矢印の位置にケーブル留めがあったような気がする。
写真20 ケーブル留めがあったところ交換前の写真3を見てみると、確かにケーブル留めがある。もしかして、このケーブル留めって、古い電動ウォーターポンプから移植していかないといけなかったのだろうか? 今度、下に潜る機会があったら移植しておこう。
さて、交換作業が完了したらクーラントを補充する。DD2号から抜いたクーラントは写真21のように6リットルほどあり、比較的劣化していないので、今回はこれを再利用することにする。
写真21 抜いたクーラント再利用するのはいいのだが、細かいゴミが入っても困るので、写真22のようにガーゼをフィルタ代わりにしてペットボトルの口に輪ゴムで固定した。
写真22 ガーゼを取り付けたところそして、写真23のようにリザーバータンクからクーラントを入れていく。
写真23 クーラントを入れているところリザーバータンクいっぱいまで入れたらエア抜きをすればいいのだが、その手順の詳細はこのレポートに譲る。エア抜きプロセスはエンジンをかけずに電動ウォーターポンプだけを動かすので、バッテリー内の電気の消費が激しい。そこで、写真24のように直流電源を接続して充電しながらエア抜きする。
写真24 直流電源を接続したところエア抜きが終わったら、写真25のようにリザーバータンクのキャップを開けて、クーラントが規定量入っているのを確認する。減っている場合には、写真25の位置まで水を補充する。
写真25 クーラント量の確認電動ウォーターポンプとサーモスタットの交換作業は、電動ウォーターポンプを固定している上側のボルトの外し方と各ホースの外し方がわかれば、そんなに難しい作業ではない。というか、この2つの作業が難しい。でも、DDのような素人でもできるのだから、走行距離が10万キロを超えている方は、予防保全のために交換しておいてはどうだろう。
ご質問はddkunnejp【@】gmail.comまで。