2024年1月6日(土)
DD2号 フロート充電器の製作 − 簡単に
最近寒くなってきたが、あまりDD2号を動かす機会がないためバッテリーが心配だ。以前にソーラーパネルを取り付けたのだが、冬は日射量が少ないため、あまり充電できていない。鉛蓄電池は基本的に満充電の状態のほうが劣化が少ないので、このままでは寿命も短くなってしまう。そこで、バッテリーに充電器を接続して充電するといいのだが、DDが持っている充電器はバッテリーが満充電になると勝手に電源が切れてしまう。充電が切れたあとは充電しないので、車の暗電流や自己放電によってどんどんバッテリーが放電していってしまう。
バッテリーを満充電のまま保っておくには、フロート充電すればいい。12Vの液式鉛蓄電池では、13.4〜13.5Vぐらいの電圧をかけて充電すれば、自己放電によって失われる電荷を埋め合わせして満充電が維持される。そこで、13.4〜13.5Vぐらいで充電できるフロート充電器を製作してみることにした。もちろん、フロート充電器には電源が必要であるが、幸いDD家には嫁さんが乗っている電気自動車があるため、200Vのコンセントがある。これを利用しよう。また、定電圧回路や定電流回路を製作するのも面倒なので、そのあたりは既製のユニットを利用することにする。以上より考えた回路を図1に示す。
図1 フロート充電回路図1のACアダプターは手持ちの9V出力のものを使う。また、DC/DC Convertorは、公称400W DC 15Aのステップアップコンバーターを購入して使う。これは、定電圧・定電流回路が組み込まれているので都合がいい。電圧計や電流計は、一体型のデジタル電圧電流計を購入して使う。これらのユニットを一つに纏めるため、ダイソーで売っているスパゲティ用の容器を使う。この容器は細長いため、駐車場にあるカーポートの柱に取り付けやすい。また、フロート充電器の出力はDCコネクタとダイオードを介して車のバッテリーに接続する。ダイオードは逆流防止のために接続している。
以上のようにして製作したフロート充電器を写真1に示す。
写真1 フロート充電器DD2号へは写真2のようにDCコネクタを介して接続する。
写真2 フロート充電器を接続したところフロート充電器本体は、写真3のようにカーポートの柱にインシュロックで取り付けている。
写真3 フロート充電器本体蓋を開けると写真4のように、上から電圧電流計、DC/DCコンバータ、9VのACアダプタが入っている。
写真4 フロート充電器の中身配線で少し分かりにくいが、写真5の矢印のところに、電圧と電流を調整できるポテンションメータがある。左側が電圧、右側が電流だ。
写真5 ポテンションメータの位置一方、DD2号側はトランクの下に配線する。具体的には、写真6のようにDCコネクタからダイオードを介してバッテリーに接続する。
写真6 車両側の配線プラス側は、写真7の緑矢印で示すダイオード、および赤矢印のヒューズを介してヒューズボックスの常時電源に接続する。
写真7 プラス側の配線一方、マイナス側は写真8のようにバッテリー取付ボルトに共締めする。
写真8 マイナス側の配線車両側のDCコネクタの部分は、写真9のようである。
写真9 車両側のDCコネクタさて、製作したフロート充電器を使って充電しようとすると、写真2のようにトランクを少し開けておかないといけない。そのために、ワイヤーハンガーを使って写真10のような、トランクを少し開けておく装置を作った。
写真10 トランクを少し開けておく装置これの上側を写真11のように引っかけて、下側を赤矢印のところに引っ掛ける。
写真11 装置の使い方これでトランクが少し開いた状態で保持される。この状態で写真2のようにDCコネクタを接続すればいい。実際に充電しているときは、写真12のようにフロート充電器の出力電圧と出力電流が表示される。
写真12 出力電圧・出力電流フロート充電器の最大出力電圧は14.2V、最大出力電流は1.0Aに設定している。DD2号のバッテリーまでには逆流防止用のダイオードがあるため、ここで0.7Vの電圧降下があるので、実際にバッテリーにかかる最大電圧は13.5Vになる。写真12の状態ではバッテリーに13.2V、1.0Aで充電されているが、そのうち充電が進むと電圧は13.5Vで頭打ちになり、充電電流が減っていき最終的に0.1〜0.2A程度で定常状態になる。これが満充電の状態だ。
これでこの冬のバッテリーの状態は大丈夫だろう。
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