2020年10月24日(土)
DD2号 ブレーキ鳴き対策 − ブレーキシムグリスの塗り直し
最近、DD2号のブレーキ鳴きが酷くなってきたので、ブレーキシムグリスを塗り直すことにした。ちょうど、昨年の今ごろに塗り直している。これは定期メンテ項目だな。今回は、左前ブレーキを例に手順を詳しく紹介しよう。まずは、写真1のように、ホイールボルトを緩める。ここでは、軽く緩めるだけで外してはいけない。ロックナットがある場合は、アダプタがトランクのカーペット下にあるはずなので、それを使おう。
写真1 ホイールボルトを緩めているところちなみに、ホイールボルトの締め付けトルクは120Nmだ。ホイールボルトを緩めたら、写真2のように左前をジャッキアップする。写真のところにジャッキアップポイントがあるはずだ。
写真2 ジャッキアップしたところジャッキアップしたらホイールボルトを外して、タイヤを外す。写真3にタイヤを外したところを示す。すると、写真3の赤矢印のところに金属製のクリップがある。
写真3 ブレーキのクリップこのクリップは、写真4のようにマイナスドライバーで軽くこじれば外すことができる。
写真4 クリップを外しているところ外す前に、どんなふうに付いていたのかをよく観察しておこう。その後、ブレーキキャリパーの裏にあるガイドボルトのキャップを外す。写真5の赤矢印は上側のガイドボルトのキャップであるが、キャリパーの下側にも同じようなガイドボルトのキャップがある。キャップは手で簡単に外すことができる。
写真5 ガイドボルトのキャップ写真6に外したキャップを示す。なお、写真5の緑矢印のところには、ブレーキパッドセンサーが留められているので、それも外しておこう。
写真6 ガイドボルトのキャップガイドボルトは7mmの六角レンチで外すことができる。7mmの六角レンチは普通の六角レンチセットには入っていないサイズなので、この際、ソケット型のものを買っておこう。写真7に外したガイドボルトを示す。
写真7 外したガイドボルトDD2号のフロントキャリパーには、長さが違うガイドボルトが付けられており、短いほうが上、長いほうが下である。外したガイドボルトは、パーツクリーナーとウェスで綺麗に磨いておこう。このガイドボルトにグリスを塗るかどうかで論争があるようだが、DDは「塗ってはいけない」と明確に言っておこう。なぜなら、この型のBMWはブレーキパッドのところに、ブレーキパッドを押し戻すバネが付いておらず、ガイドボルトのケースになっているゴムの筒がブレーキパッドを押し戻す力を発生させている。その力は、ゴムの弾性力と、ゴムとガイドボルトとの摩擦力である。もし、ガイドボルトにグリスを塗ってしまうと、摩擦力が弱くなり、ブレーキパッドが元に戻らずブレーキパッドを引きずる原因になるからだ。
それはさておき、ガイドボルトを外したら、写真8のようにブレーキキャリパーの上下を持ちゆっくり体重をかけて、ピストンを少し戻す。写真8では右手でカメラを持っているため、左手でキャリパーの上しか持っていないが、右手で下側も持つようにしよう。
写真8 ピストンを戻しているところピストンを戻したら、写真9のようにブレーキキャリパーを外すことができる。外したブレーキキャリパーは、ブレーキホースが付いたままなので写真9のように何かの台に置いておこう。
写真9 ブレーキキャリパーを外したところここから、写真10のようにブレーキパッドを外す。左前と右後ろのブレーキにはパッドセンサーが付いているので、パッドを取り外す時に一緒にセンサーを外しておこう。センサーは手で引っ張れば外すことができる。
写真10 ブレーキパッドを外したところブレーキパッドは5年ほど前に交換したのだが、写真11のように全く減っていない。もしかして一生使えるかな?(笑)
写真11 ブレーキパッドの厚みブレーキパッドが外せたら、写真12のように、パーツクリーナーと歯ブラシを使ってブレーキキャリパーに付いている古いグリスを掃除する。
写真12 キャリパーの掃除一方、写真13のように、ブレーキパッドも同様に綺麗にしておこう。
写真13 ブレーキパッドの掃除古いグリスを落としたら新しいグリスを塗っていく。用意したのは、写真14のブレーキシムグリスだ。
写真14 ブレーキシムグリス赤矢印で示すように、これは「鳴き防止専用」だから、効果は期待できそうだ。まず、このグリスを写真15のようにキャリパーのパッドが当たるところに塗っていく。
写真15 キャリパーにグリスを塗っているところ一方、パッド側には、写真16のようにパッドの端の部分にグリスを塗る。
写真16 パッドの端にグリスを塗っているところグリスを塗り終えたら、写真17のようにパッドをキャリパーに取り付ける。パッドセンサーを外した場合は、忘れずに取り付けておこう。
写真17 パッドをキャリパーに戻したところあとは、外した手順通りに取り付ければいい。ガイドボルトの締め付けトルクは、30 - 5 Nmだ。ガイドボルトを締め付けたら、キャップやクリップも忘れずに戻しておこう。後はホイールを取り付けるだけだが、フロント側のホイールは勝手に回ってしまうので、ボルト穴を合わせるのが難しい。そこで、写真18のような「色男棒」を使う。これを使えば、簡単にボルト穴を合わせることができる。
写真18 色男棒最後にホイールを取り付け、ジャッキを下げてから120Nmでホイールボルトを締めれば作業完了だ。この作業を4輪とも行えばいい。写真19に作業後のDD2号を示す。
写真19 作業後のDD2号まぁ、見た目には全く変わらないな。ブレーキシムグリスを塗り直した後は、さすがに全くブレーキ鳴きがしなくなった。ただ、しばらくすると、またブレーキ鳴きし出すので、定期的にグリスを塗り直すことにしよう。
現在の走行距離:110,700km
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