2008年5月17日(土)
アイドルバルブのホース交換 − M50エンジンの場合
先日、「アイドルバルブの掃除 − M50エンジン」でアイドルバルブを掃除したのだが、その際にアイドルバルブに接続されているホースが劣化しているのに気付いた。ベローズも硬化してヒビが入っている。おまけにこれが原因で先日嫁さんが運転しているときにエンストした(苦笑)。
そこで、早い目に処置をしようと思い、ホース類とベローズを新品に交換したので報告する。交換したものは図1のオレンジ色のホース[8]と[10]、[12]のコネクタ、[3]のベローズである。その他に、[8]のホースとインテークマニホールドを接続するコネクタも交換した。ちなみに、図1の[6]がアイドルバルブである。
図1 交換部品の説明交換した部品の一覧は表1の通りである。
表1 交換したパーツ類
パーツナンバー 名称 価格 摘要 13-41-1-738-185 ホース $11.00 図1の[8] 13-41-1-738-187 ホース $11.50 図1の[10] 11-61-1-738-629 コネクタ $5.25 図1の[8]に接続するコネクタ 13-41-1-722-944 コネクタ $0.75 図1の[12] 13-54-1-726-634 ベローズ $25.25 図1の[3] 合計
$53.75
さて、作業手順を紹介しよう。手順については「アイドルバルブの掃除 − M50エンジン」も参照して欲しい。
(1)エアクリーナーボックスを外す
写真1の赤矢印のところにクリップがあるので、これを引き抜く。
写真1 クリップそして、写真2のように、ヘッドライトの裏カバーにつながっているダクトを上に引き抜く。
写真2 ダクトを上に引き抜く。すると、写真3のようにダクトを外すことができる。
写真3 ダクトを外したところこのダクトの根元も外しておこう。ダクトが外れたら、写真4のようにヘッドライトの裏カバーを外す。これは、裏カバーの上に付いている2本のネジを90度回転させると外すことができる。
写真4 ヘッドライトの裏カバー次にエアクリーナーボックスの前側を外す。これは写真5のようにクリップで留まっているので、マイナスドライバーでこれを外せばいい。クリップは、左右に2箇所ずつ、下に1箇所の計5箇所ある。
写真5 エアクリーナーボックスのクリップすべてのクリップを外すと、写真6のようにエアクリーナーとともにエアクリーナボックスの前部が外れる。
写真6 エアクリーナーボックスの前部を外したところさて、肝心のエアクリーナーボックスだが、これは2箇所のボルトで留まっている。1箇所は写真7に示す、エアクリーナーボックスの左側である。
写真7 エアクリーナーボックスを留めているボルト(1)もう一箇所は写真8に示す、エアクリーナーボックスの後ろ側である。
写真8 エアクリーナーボックスを留めているボルト(2)これらのボルトを10mmのレンチで緩める。これらのボルトは外さず、緩めるだけでいい。作業スペースがあまりないので、歯数の多い(細かい歯の)ラチェットレンチがあれば便利だろう。
エアクリーナーボックスを外す前に、写真9に示すエアフローメータのコネクタも外しておこう。
写真9 エアフローメータのコネクタこれは、反時計回りに回せば外すことができる。写真10にコネクタを外したところを示す。
写真10 エアフローメータのコネクタを外したところさらに、写真11のように、エアフローメータの後部とベローズ(エアブーツ)を接続しているホースバンドも外しておく。
写真11 ホースバンドを外しているところこれでエアクリーナーボックスを上側に引き上げると、少し持ち上げることができるはずである。ただし、エアクリーナーボックスには、まだサーモスタットが付いているので完全には外れない。
エアクリーナーボックスからサーモスタットを外すためには、エアクリーナーボックスの裏側(後ろ側)にある10mmのボルトを外す。少し見にくいが、写真12にサーモスタットを固定しているボルトを示す。
写真12 サーモスタットを固定しているボルトこのボルトを外すと、エアクリーナーボックスからサーモスタットが外れ、エアクリーナーボックスを車体から外すことができる。写真13にサーモスタットを示す。少し見にくいが、このサーモスタットには2本のホースが接続されている。
写真13 サーモスタット
(2)ベローズ(エアブーツ)とスロットルバタフライを外す。
次に、ベローズとスロットルバタフライを外す。ベローズを外すためには、写真14のようにスロットルバタフライに接続されているホースバンドを緩める。
写真14 ホースバンドを緩めているところベローズには、スロットルバタフライ側の下に2本のホースが接続されている。これらのホースは下に引っぱれば外すことができる。2本のホースのうち後ろ側のものが図1の[10]である。写真15にベローズを外したところを示す。
写真15 ベローズを外したところ次に、スロットルバタフライを外すのだが、まずは写真16のコネクタを外す。写真16に示すように、コネクタのワイヤー部分(針金)を赤矢印の方向に押すとロックが外れてコネクタを外すことができる。
写真16 スロットルバタフライのコネクタそして、写真17のように、スロットルバタフライをインテークマニホールドに固定している4本のボルトを外す。
写真17 ボルトを外しているところすると、写真18のようにスロットルバタフライを外すことができる。
写真18 スロットルバタフライを外したところスロットルバタフライにはアクセルワイヤー等が付いているので、車体から取り去ることはせず、このままにしておく。
(3)アイドルバルブを取り外す
アイドルバルブを外す前に、アイドルバルブの上側のホースとインテークマニホールドを接続するコネクタを外しておこう。
このコネクタは、写真19のように、インテークマニホールドの吸気口の下に、奥側から手前側に差し込まれている。
写真19 コネクタの場所コネクタには写真20のように、下側にツメがあり、これがインテークマニホールドに引っかかって固定されている。だから、コネクタを外すときは下側のツメを押し上げながらコネクタを奥へ抜けばいい。
写真20 コネクタの外し方ただし、「コネクタを奥側へ引き抜く」といってもインテークマニホールドの下は手が入りにくいので、写真19の赤矢印の位置からプラスドライバー等でコネクタを奥へ押し込むほうがいいだろう。
ちなみに、このコネクタには写真20の左側に細いホースが接続されているので、これも外しておく。
このコネクタが外れれば、アイドルバルブ本体を外す。アイドルバルブは写真21のオレンジの位置ぐらいにある。もちろん、インテークマニホールドの下である。
写真21 アイドルバルブの位置ここで図1をもう一度見てもらいたい。
図1 アイドルバルブ周辺(再掲)アイドルバルブには前方から制御線が接続されているので、このコネクタ(図1の[14]) を外す。インテークマニホールドの前側から見ると、写真22のようにコネクタが見えるはずである。
写真14 アイドルバルブのコネクタこのコネクタは、写真16のスロットルバタフライに付いているコネクタと同じ構造なので、同じ外し方だ。
コネクタが外れれば、アイドルバルブをその上下のホースとともに外すことができる。アイドルバルブは図1[7]のゴムバンドで固定されているため、後ろ側に引き抜くと外すことができる。
ただ、インテークマニホールドの下にあるので非常に作業しづらい。アイドルバルブを固定しているゴムバンドに少しスプレー潤滑剤をかけてやれば、少しは作業しやすくなるだろう。
また、アイドルバルブには上下のホース(図1の[8]と[10])が付いたままなので、インテークマニホールドの下から車外へ出してくるのは、ちょっと知恵の輪状態だ。
作業しづらい場所にあるので苦労したが、なんとか写真23のようにアイドルバルブを外すことができた。
写真23 外したアイドルバルブこの2本のホースとコネクタを交換する。写真24に外したアイドルバルブ(とホース)と新しく用意したホース類を示す。
写真24 外したアイドルバルブ(とホース)と新しく用意したホース類車体に付いていたホースは写真25のようにヒビが入っていた。
写真25 ヒビが入っているホース一方、新旧のベローズの比較を写真26に示す。これはベローズを裏側から見たものだ。
写真26 新旧ベローズの比較(上:旧、下:新)ベローズ本体にはひび割れはなかったが、ゴムがかなり硬化していた。また、アイドルバルブ等へのホースの接続部分は写真27のようにひび割れていて、コネクタがうまく接続できなくなっていた。
写真27 ひび割れていた接続部分アイドルバルブに接続されているホースやそのコネクタを新品に交換し、車体に取り付ける。また、ベローズも新品に交換する。組み立て手順は基本的に解体手順の逆順だ。
アイドルバルブを再度組み付けるのに苦労するかもしれないが、ホースを新品に交換したためにホース自体に弾性があり取り外すよりは楽だろう。
ホース類交換後は非常にエンジンの調子が良くなった。・・・と言いたいところだが、実際には何も変わっていない(笑)。しかし、これから長く乗り続けるためには、そろそろ交換したほうがいいだろう(現在の走行距離は約13万km)
ご質問はddkunnejp【@】gmail.comまで。