2008年4月12日(土)
アイドルバルブの掃除 − M50エンジン
最近、エンジンのかかりが悪くなってきた。さらに、冷間時にアクセルを踏むと一瞬息継ぎをするような症状も出てきた。アイドリングも少しばらつくような感じだ。
そこで、以前からやりたかった「アイドルバルブの掃除」をやってみることにした。
アイドルバルブの掃除レポートは、以前に「アイドルバルブの掃除 − BJさんより」がある。でも、難しそうだなぁ・・・。まぁ、とりあえずやってみるか!
DD号はM50エンジンだから、目指すアイドルバルブは、写真1の赤矢印部分、インテークマニホールドの下にある。
写真1 アイドルバルブの位置う〜ん、ここまでかなり遠そうだ・・・。でも、天気もいいし、この際、やってみるかぁ!
まずは、写真2にあるダクトを外す。
写真2 ダクトついでに、写真3の2つのネジを90度回転させて、ヘッドライト裏のカバーも外しておこう。
写真3 ヘッドライト裏カバーの固定ネジ次は、写真4のエアクリーナーボックスのクリップを外す。これは、左右に2個ずつ、下に1個ある。
写真4 エアクリーバーボックスのクリップこれで、エアクリーナーボックスの前側が外れる。エアクリーナーボックスの後ろにあるエアフローメーターのコネクタを写真5のように捻って外す。
写真5 エアフローメーターのコネクタそして、エアクリーナーボックスの裏にあるサーモスタットを外す。これは、写真6の位置から10mmのソケットレンチで外すことができる。ちょっと手を入れにくい場所だ。
写真6 サーモスタットエアクリーナーボックスは2箇所のネジで固定されている。写真7と写真8の位置だ。これを11mmのソケットレンチで緩める。ボルトを外す必要はなく、緩めて上に持ち上げると外れる。
写真7 エアクリーナーボックスのネジ(1)
写真8 エアクリーナーボックスのネジ(2)エアクリーナーボックスを外すときには、エアフローメーターも同時に外れてくるので、写真9のようにエアフローメーターをベローズをつなぐホースクランプを緩めておこう。
写真9 ホースクランプを緩める写真10の通り、エアクリーナーボックスが外れる。
写真10 エアクリーナーボックスを外したところ次はベローズだ。写真11のようにホースクランプを緩めると、ベローズを外すことができる。ただし、ベローズには下側に2本のホースが付いているので、それも外しておく。
写真11 ベローズベローズは劣化してき裂が入っていることが多いので、この際、新品に交換しておくのもいいだろう。
ベローズを外すと写真12のスロットルバタフライが見える。
写真12 スロットルバタフライこれは、写真13のように4本のボルトで固定されているので、これを外すとスロットルバタフライを外すことができる。右側に付いているコネクタも外しておこう。
写真13 スロットルバタフライの固定ボルトスロットルバタフライを外すときには、下のホースが左側のホース掛けに固定されているので、これも外しておこう。
スロットルバタフライが外れたら、写真14のホースクランプを緩めて下側のホースを外す(外さなくてもいいかも?)。
写真14 スロットルバタフライの下にあるホースクランプそして、写真15のインテークマニホールドの入り口の下に付いているホースを外す。これはアイドルバルブの上側へ接続されているホースだ。ホースクランプのようなものではなく、プラスチックのクリップのようなもので固定されている。
写真15 ホースの位置ここまで外すと、インテークマニホールドの下に手を入れてアイドルバルブのコネクタを外し、そのままアイドルバルブを後ろ側へ引き抜くと外すことができるはずである(アイドルバルブは、「アイドルバルブホルダー」と呼ばれるバンドのようなもので固定されている)。
アイドルバルブが固定されている構造がわかっていれば、インテークマニホールドの下に手を入れてアイドルバルブを外すことができるが、DDはよく知らなかったのでインテークマニホールドを外してみることにした。でも、これ外したら元に戻せるかなぁ・・・?
まずは、エンジンのトップカバーを外し、写真16の7本のナットを外す。ちなみに、このナットを固定するときのトルクは15±2Nmだ。
写真16 インテークマニホールドの固定ナット写真17の2本のボルトも外す。
写真17 インテークマニホールドの固定ボルト写真18の赤矢印の2本のボルトを外し、青矢印のインジェクターへの配線ダクトを外す。配線ダクトには下側にコネクタが6個付いている。各コネクタには針金の固定クランプがあるので、これを外すとコネクタが外れる。
写真18 配線ダクトこれで、インテークマニホールドを多少上に持ち上げることができる。インテークマニホールドを持ち上げてその下を見ると、写真19のようにアイドルバルブが見えるはずである。
写真19 アイドルバルブアイドルバルブのコネクタは前側に付いており、コネクタの横にある針金を指で押すと外すことができる。基本的に、スロットルバタフライの右横にあるコネクタと同じ構造だ。
コネクタを外したら、アイドルバルブを後ろにスライドさせて、アイドルバルブを外す。上下のホースは付いたままでいい。
アイドルバルブが車両から外れたら、上下2本のホースを外す。写真20に外れたアイドルバルブを示す。
写真20 アイドルバルブ外したアイドルバルブを見てみると、写真21、22のようにカーボンが溜まっている。
写真21 アイドルバルブのカーボン(1)
写真22 アイドルバルブのカーボン(2)アイドルバルブを左右に回転させて振ってみても、あまりスムーズにカタカタと動かない。そこで、綿棒とパーツクリーナーをたっぷり使って丁寧に掃除してみた。写真23に綺麗になったアイドルバルブを示す。
写真23 綺麗になったアイドルバルブあとは、綺麗になったアイドルバルブを組み付けて、他の部品を元に戻せばいい。
組み立てるときに、写真24のように、ベローズの下のホース接続部分にき裂を見つけてしまった。
写真24 ベローズ下のき裂残念ながら新品のベローズがないので、写真25のようにタイラップで固定して置いた。
写真25 タイラップで固定したところなんとか組み付けてエンジンを掛けてみると、問題なくエンジンがかかった。最初の間は少しアイドリングがばらついたが、2〜3分後に一度アクセルをあおってやると、完璧にアイドリングが安定した。エンジンの吹き上がりもスムーズになった!(嬉)
さて、アイドルバルブの清掃後、BMW@KANSAIのオフ会に参加するために吹田SAまで車を走らせたのだが、なんかアイドル回転数が高い・・・? 1000回転ぐらいある・・・? それに、走行中にアクセルを戻しても、車のスピードが落ちにくい・・・? なにかがおかしい!?
オフ会でボンネットを開けてよく見てみると、写真26のようにクルーズコントロールのワイヤーを固定しているプラスチック部品が割れていて、アクセルを戻しても少し引っぱられた状態になっていた(といさんが発見!!)。どおりでアイドル回転数が高いはずだ。
写真26 クルーズコントロールのワイヤー固定部品しかたがないので、割れたプラスチック部品とクルーズコントロールのワイヤーを外しておいた。近いうちに、ここも直さないといけないなぁ・・・。
さて、アイドルバルブを掃除した効果だが、アイドリングが安定しただけでなく、吹き上がりも良くなった。トルクも太くなったような気がする。エンジンの調子が戻ったようだ。
M50エンジンの場合、アイドルバルブの清掃は結構面倒な作業だが、効果は十分ありそうだ。まだ一度も清掃していない車は、是非やってみてほしい。
ご質問はddkunnejp【@】gmail.comまで。