2025年4月5日(土)

DD2号(E63) オイルフィルタケース・熱交換器のガスケット交換 − N52エンジン持病のオイル漏れ

先日、DD2号(E63)のボンネットを開けてエンジンを見てみると、写真1のところにオイルが漏れているのを見つけた。


写真1 オイル漏れの場所

よく見てみると、写真2のように熱交換器の下から漏れている。


写真2 熱交換器の下

これは確かN52エンジン持病のオイル漏れだ。DD2号は購入後にこのオイル漏れを直すためにガスケットを交換してもらっていた。それでも何年かすると漏れてくるんだなぁ・・・、って、よく見るともう10年前か!? このガスケット交換は以前にSさんのE63で作業したことがあるので、その作業と同様にすればいい。

まずは、写真3のようにラジエターから冷却水を抜いておく。抜き方についてはこのレポートを参照のこと。


写真3 冷却水を抜いているところ

作業ではオイルフィルタケースを外すので、その前に写真4のオイルフィルタケースの蓋を外して、オイルフィルタを抜いておこう。


写真4 オイルフィルタの蓋

オイルフィルタケースの蓋を緩めて引き上げると、写真5のようにオイルフィルタが蓋とともに外れる。ちなみに、この蓋の締め付けトルクは25+5Nmだ。


写真5 オイルフィルタと蓋

このまましばらく置いてオイルをフィルタケースに落とした後、写真6のようにオイルフィルタケース内に残ったオイルを抜いておく。


写真6 ケース内のオイルを抜いたところ

さて、準備ができたら熱交換器を外そう。熱交換器を外すには、写真7の3本のE12トルクスボルトを外せばいい。


写真7 熱交換器の固定ボルト

このボルトは頭にいじり止めが付いているので、写真8のようにE12のディープソケットで外す。ちなみに、このボルトの締め付けトルクは16Nmだ。


写真8 熱交換器ボルトを外しているところ

熱交換器を外すとオイルが漏れてくるので、写真8のように熱交換器の下を古いタオル等で養生しておこう。3本のボルトが外れたら、写真9のように熱交換器を外すことができる。


写真9 熱交換器を外したところ

この写真9に見えるガスケットが硬化してオイルが漏れてくるので、組み立てるときにそのガスケットを新しいものに交換する。次にオイルフィルタケースを外すのだが、そのまえに写真10のコネクタを外しておこう。


写真10 オイルフィルタケースのコネクタ

写真11にコネクタを外したところを示す。


写真11 コネクタを外したところ

オイルフィルタケースは3本のトルクスボルトで固定されている。まずは、最も外すのが厄介な奥側のトルクスボルトを外すため、写真12のようなユニバーサルジョイントとロングエクステンションを付けたラチェットレンチを用意する。


写真12 ユニバーサルジョイントを付けたラチェットレンチ

これを使って、写真13のように奥側のトルクスボルトを外す。


写真13 奥側のボルトを外しているところ

次に、写真14の緑矢印で示したボルトを外す。


写真14 オイルフィルタケースの固定ボルト

最後に写真14の赤矢印で示すボルトを外すのだが、その先にはクーラントホースがあり、レンチを入れることができない。そこで、写真15の緑矢印で示した10mmのボルト2本を外し、クーラントホースを外して作業スペースを確保する。


写真15 クーラントホースの固定ボルト

2本のボルトを外してホースを引き抜こうとするが、なかなか固くて抜けない。ゆっくり力を入れてホースを引き抜くと写真16のようにホースの先端が割れてしまった。


写真16 割れたホースの先端

えっ!? これってマズくない? まぁ、少し先が残っているからしばらくは大丈夫かなぁ・・・。いずれにしても早めに交換しておこう。クーラントホースを外して作業スペースができたら、写真14の赤矢印のボルトを外す。そして、最後に、写真17の赤矢印で示すクーラントホースの金属クリップを引き抜きクーラントホースをホースを外せば、オイルフィルタケースを外すことができる。


写真17 クーラントホースの金属クリップ

写真18にオイルフィルタケースを外したところを示す。ガスケットが当たる面をウェスで綺麗に拭いておこう。


写真18 オイルフィルタケースを外したところ

外したオイルフィルタケースを写真19に示す。



写真19 外したオイルフィルタケース

オイルフィルタケースは漏れたオイルで結構汚れているので、パーツクリーナーとブラシで汚れを落としておく。写真20に綺麗になったオイルフィルタケースを示す。


写真20 綺麗になったオイルフィルタケース

あとは、熱交換器の下のオイル漏れも同様に綺麗にしてから組み立てていけばいい。その際、2つのガスケットを新品にものに交換しておく。写真21に新旧のガスケットの比較を示す。


写真21 新旧のガスケットの比較

ガスケットのパーツナンバーはこのレポートを参照のこと。このガスケットだが、ディーラーで純正品を購入しようとすると2つで5,000円以上するらしい。いや、単なるゴムのガスケットでしょ? 結局、いろいろ探して中国のサイトから購入した。価格は2つで254円(送料込み)であった。ちょっと安すぎ? それはともかく、写真22のようにオイルフィルタケースを取り付け、次に熱交換器を取り付ける。


写真22 オイルフィルタケースを取り付けたところ

オイルフィルタケースや熱交換器のボルトの締め付けトルクはすべて16Nmだ。写真23に熱交換器を取り付けたところを示す。


写真23 熱交換器を取り付けたところ

最後に、抜いた冷却水を入れてエア抜きをすれば作業完了だ。ここのオイル漏れはN52エンジンの持病らしいから定期的に交換した方がいいな。

と、それよりも割れてしまったクーラントホースの先端部分が問題だ。このままエンジンをかけても大丈夫かなぁ・・・?



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