2023年2月4日(土)
DD2号 フロントスタビリンクの改造 − ネジ切り
長さが調整できるフロントスタビリンクを自作して調整したうえで取り付けているが、リア側も長さを調整したいところだ。リアのスタビリンクは長さが12cmほどであるが、上側のボルトはM10、下側のボルトはM12であり、なおかつ下側のボールジョイントはL字ではなくストレートである。市販のL字ボールジョイントやストレートのボールジョイントを見てみたが、ボールジョイントのボルトがM10なら接続する穴もM10であり、ボルトがM12なら接続する穴もM12である。そのため、両端がM10とM12で長さが調整できる短いスタッドボルトが必要だ。いやいや、そんなん見つからないし・・・・。
う〜ん、Webでいろいろ探してみると、純正のスタビリンクを切断して、切断したリンクの両方にネジを切り、それを長ナットで接続することで長さを調整できるようにしている人がいる。なるほど、これならできそうだ。というか、フロント側もこの方法でできるよね? フロント側は外した純正のスタビリンクが余っているので、一度、試しにこれを使ってネジを切ってみようかな。でも、DDはダイスを使ったネジ山切りってやったことないし・・・。と言ってても仕方がないので、まぁ、やってみるか!?
フロントスタビリンクはその中央に自作スタビリンクで使用したステンレス150mmのパイプナットを入れることにしよう。そのため、写真1の赤矢印の2か所を切断し、真ん中の部分をパイプナットに置き換えることにする。
写真1 切断位置左右とも、ボルト中心から125mmのところを切断することにする。ネジを切った部分とパイプナットが25mm重なるとすると、125 + 150 + 125 - 25 - 25 = 350 で、おおよそボルト中心間が350mmのスタビリンクができることになる。そうと決まればスタビリンクを切断するために、写真2のようにバイスで固定する。
写真2 バイスで固定したスタビリンクいつもならグラインダーでバッサリ切ってしまうところだが、今回は写真3のように慎重に金鋸を使って切っていった。
写真3 金鋸を使って切っているところ写真4に切断したスタビリンクを示す。あ〜あ、本当に切っちゃったよ〜。
写真4 切断したスタビリンク片方のボールジョイントを万力で固定し、まず写真5のように切断面を綺麗にやすりで磨く。きちんと断面が垂直で平らになるようにしておこう。
写真5 断面を磨いているところ次に、写真6のように金属棒の角の部分をやすりで削っていく。
写真6 角を削っているところかなりしっかり、写真7ぐらいまで削ろう。
写真7 削った丸棒の角ここまで削れたら、写真8のようにしてダイスハンドルに取り付けたM10×1.5のダイスを使ってネジを切っていく。うまく棒に食いつかなかったら、写真6のようにしてさらに角を削ってからダイスを使えばいい。
写真8 ダイスでネジを切っているところ「90度右回し、180度左回しで切りくずを出す。そして、180度右回しで削ったところまで戻す」を繰り返してネジを切っていった。何度かに一回、写真9のようにオイルをつける。今回はこれで使ったタービンオイルが余っていたので、切削油の代わりに使った。
写真9 オイルをつけているところどんどん回していくと、写真10のように綺麗にネジが切れていく。
写真10 ダイスで切ったネジ山しかし、ダイスを回していくとM10のダイスなのでかなり回すのが重くなってくる。そこで、このダイスが21mmの六角であることを利用して、写真11のように十字レンチで回してみた。
写真11 十字レンチで回しているところ十字レンチを使えば楽勝だ。このようにして、写真12のように45mmのネジを切った。ふ〜ん、意外と簡単にネジ山って切れるんだ。
写真12 45mmのネジを切ったところ同様にして、写真13のようにもう片方のボールジョイント側もネジを切った。
写真13 ネジを切ったボールジョイントもう片方のスタビリンクも切断してネジを切ったら、早速、これを取り付けてみよう。そのため、まず写真14のようにDD2号のフロント側をジャッキアップしてウマをかけ、タイヤを外す。
写真14 フロント側にウマをかけたところそして、今付いている自作のスタビリンクを外す。外した自作のスタビリンクを写真15に示す。
写真15 自作のスタビリンクこの自作のスタビリンクに使われている150mmのパイプナットは切断してネジを切った純正スタビリンクに接続して利用する。と、その前に、長さを調整した自作スタビリンクの長さを測っておこう。両端のボルトの中心間の距離は、写真16のように34.9cmぐらいだ。
写真16 自作スタビリンクの長さ切断してネジを切ったスタビリンクは、写真17示すパイプナットや緩み防止ナットと共に組み立てる。
写真17 スタビリンク組み立ての部品上下のボルト中心間の長さが34.9cmぐらいになるように、スタビリンクを組み立てる。組み立てたところを写真18に示す。
写真18 スタビリンクを組み立てたところ組み立てるときには、パイプナットを万力で回らないように固定したうえで、緩み防止ナットをきっちり締めて緩んでこないようにしておこう。最後に組み立てたスタビリンクをDD2号に取り付ければ作業完了だ。取り付けたスタビリンクを写真19に示す。
写真19 取り付けたスタビリンクステンレスのパイプナットと緩み止めナットがなんかカッコイイ! スタビリンク自体の長さは変わっていないので、乗り心地は変わらないはずだ。これでしばらく乗ってみて様子を見てみよう。
さて、フロント側ができたら、次はリア側のスタビリンクだな。
ご質問はddkunnejp【@】gmail.comまで。