2020年6月20日(土)

F32 冷却水の交換 − 420i N20エンジン

先日、訳あって420iの冷却水を交換することになった。この420iはF32だ。Fシリーズだ! なんて新しい!

そんなことはさておき、作業を始めよう。まずは写真1のようにフロント側をジャッキアップしてウマをかける。


写真1 ジャッキアップしてウマをかけたところ

F32のフロント側のジャッキアップポイントは、写真2の赤矢印の先のところだ。ここはアンダーパネルがあるが、その上にはフロントのメンバーがある。すなわち、フロントメンバーの真ん中がジャッキアップポイントだ。


写真2 ジャッキアップポイント

ジャッキアップしたら、アンダーパネルを外す。ここではかなり多くのタッピングネジが使われているので、ちょっと面倒だ。写真3に外したアンダーパネルを示す。


写真3 外したアンダーパネル

これを外したら、さらに写真4の小さいパネルがあるので、これも外す。外す時は写真3の3本のタッピングネジを外せばいい。


写真4 小さなパネル

外したパネルを写真5に示す。でも、これって何のために付いてるんだろう?


写真5 外したパネル

今度はボンネットを開けて、写真6のエアフィルターボックスを外す。


写真6 エアフィルターボックス

これを外すには、まず写真6の赤矢印のところにあるコネクタとエアインテークのホースを外す。ホースを外すには、写真7の赤矢印で示すホースバンドのネジをマイナスドライバーで緩めればいい。


写真7 ホースバンドのネジ

コネクタとホースが外れたら、写真8、写真9のように、左右と前の3か所のゴムブッシュのところを上に持ち上げて外す。


写真8 前のゴムブッシュ


写真9 左のゴムブッシュ

エアフィルタボックスが外れたら、写真10のように広大な作業スペースができる。


写真10 エアフィルタボックスを外したところ

さて、また下に潜ってホースを外して冷却水を抜くのだが、写真11のように冷却水ポンプの下にある電動ステアリングボックスのコネクタ部分を、冷却水ががかからないように養生しておく。


写真11 コネクタ部分を養生したところ

そして、写真12の赤矢印のところにある冷却水ポンプのホースを固定しているホースバンドを緩めてホースを外す。


写真12 冷却水ポンプのホースバンド

これを外す前に、車体の下に受け皿を置いておこう。写真13に冷却水を抜いているところを示す。


写真13 冷却水を抜いているところ

冷却水のエキスパンジョンタンクのふたを外せば、かなり抜けるはずだ。抜けきったら冷却水ポンプにホースを繋げて、写真14のようにエキスパンジョンタンクからMAXの位置まで水道水を入れる。本当は冷却水を入れるのだが、冷却水系統を濯ぐために、何度か水道水を入れて&抜いてを繰り返した後、最後に冷却水を入れることにする。


写真14 水道水を入れているところ

入れているときはゴボゴボと泡が出てくるが、そのうち静かになる。そして、3か所あるエア抜き用のプラスチックバルブを緩めてエアを抜く。まずは、写真15のエキスパンジョンタンクの横のバルブから。


写真15 エキスパンジョンタンクの横のバルブ

これをプラスドライバーで一旦緩めてしばらくしてから閉める。締め付けトルクは3Nmだ。次に、写真16のラジエターの熱交換器の近くにあるバルブを緩めて、冷却水が出てくるようになったら閉める。


写真16 熱交換器の近くにあるバルブ

最後に、写真17のように、サーモスタットの近くにあるバルブも同様に一旦緩めてから閉める。そして、ラジエターに接続されている2本の太めのホースを手でモミモミする。そうすると、ゴボゴボという音がしながら、少しエアが抜ける。


写真17 サーモスタット横のバルブ

作業前には、写真18のようにトランクルームにあるバッテリーに直流電源を接続してバッテリーを十分充電しておいた。なぜなら、


写真18 バッテリーの充電

この車はDD2号と同様に電動の冷却水ポンプと電動のサーモスタット仕様だからだ。そのため、冷却水のエア抜きプロセスはエンジンをかけずにバッテリーの電力で行う。まずは、ブレーキを踏まずにイグニッションをONにし、写真19のようにアクセルペダルを10秒間踏んでから離す。


写真19 アクセルペダルを踏んでいるところ

すると、自動的にエア抜きプロセスが始まる。ただし、このときポジションランプをONにするなど、ある程度の電力を使っておかないとエア抜きプロセスが途中で止まってしまう。また、エア抜きプロセスは12分ぐらいかかるが、12分経つと自動的にとまるはずが何故か止まらない。そこで、12分後にイグニッションをOFFにしてエア抜きプロセスを止めた。

同様にして、計3度水道水を入れて冷却水系統を濯いだ。最後に、写真20のように純正の冷却液を入れる。


写真20 冷却液を入れているところ

この冷却液は水道水と1:1の比率で混ぜて入れることになっているが、今回は原液を3本(1.5リットル×3本=4.5リットル)入れて、後は水道水を入れた。これでちょうどいい感じの比率で混ざるだろう。その後、念のためエア抜きプロセスを2回やっておく。最後にアンダーパネル等を元に戻して作業完了だ。冷却水を交換した420iを写真21に示す。


写真21 冷却水交換後

なんてガラの悪い車だ。白い車なのに、なんか黒いし赤い・・・。



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