2017年7月23日(日)

電動ファンレジスターの格安修理 − medama1goさんより

今回はmedama1goさんより、電動ファンのレジスターの格安修理レポートをいただいたので紹介しよう。


E34な皆様、ここ数年の猛暑、たまんないですね。さて、2代目の我が535、先代よりもマシながら空調の不具合がちらほらと目立つようになりました。中でも気になるのがアイドリング時のエアコンの効きの悪さ。ある程度の速度で走行しているうちは良いのですが、信号などで停止すると途端に効きが悪くなります。

走っているときは冷える。止まると冷えない。

エンジンの回転数によるコンプレッサーの効率の問題もあるのですが、コンデンサーの冷却がうまくいっていない可能性も捨てきれません。とりあえず電動ファンを確認してみましょう。

まずはノーマルスピードですが、イグニッションスイッチオンでACオンならば、無条件で回るはずですが、回りません。

そこでフューズを確認しますが、該当するフューズ、9番、25番、29番はいずれも正常。念のためテスターで点検しても異常なしです。その下流はリレー。これはたにやんさんのレポートに詳しいので、参照してください(笑)。

私もこちらを参照しながら確認したところ、ノーマルスピードリレー(以下ノーマルリレー)を抜き差しする度に、「カチン」という音と感触が伝わってきます。つまりリレーは生きている。

念のため、端子の電圧を測るも正常。しかしながら銅線でショートしても回りません。ハイスピードリレーはショートした途端に、ものすごい勢いでファンが回りだします。これより、ファンは正常と判明。

残りはファンレジスターかノーマルリレー内部の不良。配線の不良も無きにしも非ずですが、それは最後の可能性に置いておきます。

とりあえず、レジスターを外し配線をカット。ファンへ向かう側の反対側の配線とボディ間で電圧をあたる...12V前後。これよりリレー正常がいったん確定。

ファンレジスターの付いていた配線同士をショートしてみると...回った! これより、ファンレジスター不良が確定しました。

過去の自分のブログなどをあさってみると、先代の時にレジスターを交換した覚書が出てきました。それによると、

レジスター...0.5Ω85W ディーラー価格は失念しましたが、確か6000円程だったように思います。

それほど高額なわけではないですが、たかが抵抗1個で6000円も馬鹿らしいと思い、汎用品で何とかならないかやってみました。まずは外してきたレジスター。

P/N 17 40 1 373 177

こいつには特に規格などは書いてありません。側面に

POWER MOTION MFG
049-500-004

と印刷してありますが、なんの事だかさっぱり(苦笑)

因みに、ペリカンで検索すると、純正品が$69.00、社外品が$18.50若しくは$31.75でした。純正品は国内定価とさほど変わらないので、輸入するメリットはないですね。社外品になると格安ですが、これだけ輸入するのは送料を考えるとバカバカしいという事になります。

で、今回私が用意したのはこいつ。

メタルクラッド抵抗というやつで、巻き線抵抗をアルミのケースに封入して放熱性を向上させたものだそうです。純正品も同じタイプに見えますので、こちらで大丈夫だと思います。ただ、電力値が85Wというのはありませんでしたので、50Wを2個、これを並列にして使用しますので、目的の0.5Ωを得るためには1Ωを2個用意します。

これは純正のレジスターがついていたブラケット。

ここへ汎用品の抵抗を2個取り付けます。1個は純正と同じ場所に取り付けできるのですが、もう一つをつける場所がありませんので裏表に付けたいと思います。

分かりにくいですが、4mmのドリルで穴を2個追加で開けたところ。

かなりの発熱が考えられますので、このブラケットにヒートシンク的な役目をさせようと、裏表とも砥石で均しておきました。抵抗の裏には、放熱用のシリコングリスをつけておきます。

使用したのはPCのCPUクーラーに付属してきた放熱グリス(笑)。大量に使用するわけではないので、こんなもので十分です。準備ができたら、ブラケットの両面に取り付けていきます。

純正と同じ場所に取り付ける抵抗は、純正がつけてあったネジで同じように取り付け可。追加分はM3くらいのビスとナットで両面から締め付けます。穴あけの位置をミスると、私のようにネジがつけられなくなりますので、注意してください(苦笑)

横から見るとこんな感じ。

両面に抵抗がついているのが分かるかと思います。ここまでできたら、あとは配線。

手持ちが1.25sqしかなかったので、抵抗同士は1.25sqで。車体へ接続する線は、純正から切り離した2sqの線をそれぞれ使用してはんだ付け。これは40Wクラスの半田ごてを使うと楽にできます。極性はありませんので、並列につなぐことだけを考えればOK。

接続部をテーピング処理してギボシ端子をつけたら、車体へ取り付けてスイッチON!

見事にノーマルスピードファンが復活しました。

取り付けたレジスターを触って見たところ、触れないことはないですがかなり熱く、ずっと触れているとやけどをしそうです。が、50Wx2の100Wと、純正の85Wよりも余裕を持たせていますので、多分大丈夫と踏んで、そのままバンパー等を復旧しておきました。

ただ、純正位置はファンに吸い込まれる風が当たるので冷却には有利ですが、追加した側はあまり風が当たらないので、長期的には短命で終わる可能性も捨てきれません。今度やり直すときは、放熱をきちんと考えてブラケットから作り直してみようと思います。

因みに、今回の費用、メタルクラッド抵抗 50W 1Ω@317円x2(@マルツ名古屋小田井店)。合計634円で修理完了となりました(爆)


純正なら6000円のところが、10分の1の600円で修理とは!? これがDIYの醍醐味だろう。

末尾ではあるが、いつも有用なレポートをいただいくmedama1goさんに感謝する。



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