2016年12月3日(土)
DD2号 ホイールアライメント調整 − その6 フロントキャンバー角の調整
「DD2号 ホイールアライメント調整 − その5 右リアトー角の調整」で報告したように、調整できないフロントのキャンバー以外は、ホイールアライメントを規定値に調整できた。しかし、フロントキャンバーは規定値内に入っていない。
E63のフロントキャンバー角が調整できないのは、写真1に示す通り、ストラットのアッパーマウントの部分にアライメントピンと呼ばれる突起が付いており、それによってアッパーマウントを車体に取り付ける位置が決まってしまうためである。
写真1 アッパーマウントの突起写真2に突起の拡大を示す。
写真2 突起の拡大この突起があるからアッパーマウントの位置をずらすことができないわけで、逆に言うとこの突起を取り去ってしまえば、少しは位置を動かせるということである。じゃぁ、ちょっと取ってみようか。
まずは、写真3にフロント側をジャッキアップしてホイールを外したところを示す。ここからフロントのストラットを車外に出せばいい。
写真3 フロント側をジャッキアップしたところ左側のアッパーマウントのナットを外してみると、写真4のように少し横にずらすことができるように、長い穴が開いている。
写真4 アッパーマウントの取り付け穴やはりアッパーマウントの突起を取ってしまえば、多少は外側にストラットの上部を移動できそうだ。そうとわかれば、フロントストラットを抜いてみよう。まずは、写真5のようにフェンダー部分を養生して、ストラットが落ちてこないようにジャッキを当てておく。
写真5 フロントストラットを抜くところまぁ、その後の詳しい手順については、「DD2号 フロントストラットの交換 − 車高調 」のレポートを参照してほしい。フロントストラットを車外に出すと、写真6のようにアッパーマウントの突起が見える。
写真6 突起この突起はアッパーマウントにねじ込まれているわけではなく、アルミニウムのアッパーマウントの上部と一体成型されているようだ。アルミニウムは柔らかいので、写真7のようにウォーターパイププライヤーで力一杯挟んで、ぐいっと捻ると写真8のようにポロッと取れる。
写真7 ウォーターパイププライヤーで挟んだところ
写真8 突起を取ったところ取れた突起は写真9のようにアルミニウムでできている。
写真9 アルミニウムでできた突起インターネットで調べてみると、この突起がねじ込まれているものもあるらしい。その場合は、フロントストラットを車外に抜かなくても突起だけ取れそうだ。
突起を取り去ってしまうと、写真10のようにフロントストラットの上部を多少外側に動かすことができる。まぁ、目一杯外側に動かしても4mmぐらいだな。
写真10 目一杯外側に動かしたところちなみに、ストラットの上部からフロントホイールの回転中心までは、写真11のように60cmぐらいだ。フロントストラットの上部を4mm動かすと、
arctan(4/600) = 0.38°
すなわち、0.38°だけネガティブキャンバーを是正することができるはずだ。
写真11 フロントストラットの長さ調整としては足りないが、何も調整しないよりはマシだろう。また近いうちにホイールアラインメントを測りなおしてみよう。
ご質問はddkunnejp【@】gmail.comまで。