2016年4月7日(木)

E36 ハブベアリングの交換 − medama1goさんより

今回は、medama1goさんより、E36tiのリアのハブベアリング交換のレポートをいただいたので紹介しよう。


E34ならびにE36な皆さま、medama1goです。またしても家内のE36ですが...

以前にスタッドレスを履いて以来、ロードノイズが気にはなっていました。しかしながら、スタッドレスに変えたタイミングもあり、これはパターンノイズだろうと思っていたのですが...

ひょんなことから、左右のコーナリングでノイズの出方が違うことが判明。これはどうも違うなと言う事で、ハブベアリングを疑うようになりました。それからしばらく放置していたのですが、あまりのうるささに閉口するようになり、ついに重い腰を上げることにしました。

E36のリヤハブベアリングは、結構交換にてこずるとの話ですので、なるべくプレスなど大掛かりな工具を使わずに、挑戦してみることにしてみました。今回交換するのは、こちらの部品たち。

右下にあるのが、今回の主役リヤハブベアリング。右上は30mmのハブナット、左上がベアリングを止めているスナップリング、その下はナットの回り止めのロックプレート。ハブナットとスナップリングは交換する必要はないかもしれません。いや、わかりませんが、交換の必要性は感じませんでした。ただ、ペリカンでキットを購入すると、ナットとリングが付属してきましたので、多分交換する部品なんでしょう(謎

まずはジャッキアップして馬を噛ませ、ホイールを外します。

外したら、センターのナットに盛大に浸透潤滑剤を吹き付けておきます。私は浸透するのを待つ間に、エアクリーナーの交換をしてみました。

新しいフィルターはK&Nのハイフロー。純正形状なので、効率アップというより洗浄して再利用できることが狙いです。

馬を噛ませた後はジャッキを反対側に持っていき、スタンバイしておきます。

良いころ合いを見計らって、ナットの周りについているロックプレートをマイナスドライバーとペンチで外します。

とは言え、簡単に外れるわけもなく、隙間を狙ってマイナスドライバーを打ち込んで抉って、打ち込んで抉って、とやっていると次第に縁が浮いてくるので、そこをペンチでつまんで引き抜きます。

外れたプレートはこんな無残な姿になりますので、再利用は無理と考えてください。

次はキャリパーを外しストラットにワイヤーで吊るし、サイドブレーキを解除し、ブレーキディスクを取り外します。

出来れば、この時点でマフラーの吊りゴムを外して、マフラーを下げられるようにしておくと、後の作業が格段に楽になります。というか、外さないとかなり面倒なことになります。

ここまで来たら、最初の大物、ハブナットを緩めにかかります。

使う駒は30mm。250N・mと、馬鹿トルクで締まっていますので、それなりの工具が必要になります。間違ってもこんな風にトルクレンチで緩めないように(爆

ハブナットがゆるんだら、デフフランジからドライブシャフトを切り離します。

使うソケットはトルクスE14。しかも結構固く締まっていますので、舐めないよう注意です。この時に、ドラシャを回さないとすべてのボルトを緩めることが出来ませんので、1本緩めるごとに、反対側をジャッキアップしてシャフトを回し、ジャッキダウンしてボルトを緩める、といった作業を繰り返して6本のボルトを抜き取ります。

抜けるとこのようにデフのアウトプットフランジから分離できます。

普通はこの後、ドラシャを抜いたらスライディングハンマー(スラハン)でハブフランジを抜くのですが、なかなかスラハンを持っている方も少ないのではないかと思い、ここからはちょっと変わった方法で外してみたいと思います。ネットで見つけた方法なのですが...

まずサイドブレーキを分解します。ブレーキシューを止めているピンを5mmの6角レンチで外し、

シューを引っ掛けているスプリングを外して、シューを外します。

シューが外れたら、ギヤプーラをハブフランジに掛け、ドラシャを抜きます。

この時に、マフラーが下げてあるとすんなりとドラシャが外れるのですが、私のようにズボラをかますと、抜けたものの取れないドラシャの折り合いをつけるのに四苦八苦する結果になります。

ドラシャが抜けたら、ベアリングセパレータをハブフランジの根元にかまし、ホイールボルトをハブの穴へねじ込んで、ハブフランジを抜いていきます。

抜けるに従いボルトの長さが不足しますので、適当な噛まし物をするなりして高さを稼ぎながら抜いてゆきましょう。ほどなくして、このようにフランジが抜けます。

ハブの方には、分解されたベアリングの球が並んでいる様が見えますね。このベアリングを押さえているスナップリングを外してこのベアリングを抜いていくのですが、このようなプーラを使います。

これで抜き取りと圧入を行っていきます。某オクで入手した安物ですが、なかなか頑張ってくれました。因みにスナップリングはかなり大きいので、スナップリングプライヤーもそれなりのサイズのものが必要になります。むしろ先の細いラジオペンチの方が好都合かもしれません。

まずは裏側にベアリングより微妙に小さいくらいの適当なサイズの円盤をあてがいボルトを通し、表側にハブと同じくらいの直径のカラーを当てて蓋をつけ、でかいナットで締めこんでいきます。

どれくらいデカいかというと、裏側の回り止めのサイズが27mm、表側のナットのサイズが32mm。持っててよかった、デカモンキー(笑

ベアリングが動き出すまでは、滅茶苦茶固いですが、「バキン!」という音とともにべリングが動き出してからは、軽くはないですがそれなりの重さで締めこんで行けます。最後まで頑張ると、このようにベアリングが抜けます。

これが外れたベアリングとハブフランジ。

フランジ側を見ると、ベアリングのインナーレースがくっついてきています。これが、E36のリヤハブベアリングの交換が敬遠される原因とされています。今度はこのインナーレースを分離していきます。

ベアリングセパレータをフランジとインナーレースの境目にセットして、両側からボルトで締めこんで食い込ませていきます。その後、セパレータに支柱を立てて、プーラを組み立て抜いていきます。

この写真ではハブにソケット突っ込んでいますが、これが原因であとで痛い目を見ました。こういう方法ではなく、ハブに鉄板などをかませてそこへプーラを効かせる方がトラブルが少ないでしょう。

そうやって外れたインナーレース。

今度は先ほどのプーラを使って、新品を圧入していきます。圧入するときは、必ずアウターレースを押すようにしないといけないので、使う円盤はベアリングと同じ大きさのものと、裏側は大きめのものを使用します。

圧入が終わったらスナップリングを「忘れずに」取り付け、ハブフランジを圧入していきます。フランジを圧入したら、今度はドライブシャフトを組み付けるのですが、ここで事件発生。なんとドラシャがスプラインに入らない(滝汗

どうやら、インナーレースを抜く際に使ったソケットがフランジ側のスプラインに当たり、バリを作ってしまった模様。状況が分れば、対処するのみ。

感心出来る方法ではないですが、バリ部分をやすりで削り、何とか組み付けることに成功。文章で書くと早いですが、1時間ほど悪夢のような時間を過ごしました。

後は外した部品を元あったように組み付け、ハブナットを250N・mの馬鹿トルクで締め付け、ロックプレートを30mmのソケットを利用して叩き込めば完了です。タイヤをつけ、ジャッキダウンして試走。

う〜ん、滑らか(爆

実は、先行して右側を交換していたのですが、右側を交換した時は「スナップリングを忘れてハブを圧入する」というチョンボをやらかし、新品のベアリングを1個無駄にしています。(笑

まぁなんにしても一筋縄ではいかないところが楽しかったりもするんですけどね。

工具代で約2万。う〜ん、微妙なところかな?(笑


そういえば、ハブベアリング交換のレポートって、いままでなかったような気がする。こんなことまでDIYでやってしまうmedama1goさんって・・・。

末尾ではあるが、今回も詳しいレポートをいただいたmedama1goさんに感謝する。



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