2011年1月23日(日)
カーステレオのフロントパネルの移設 − 仮移設その2
前回のレポートで、カーステレオのヘッドユニットのフロントパネルを移設する構想についてレポートしたが、その後、当サイトの掲示板でALPYさん(あるぴな小僧さんより改名)より、「接続ケーブルを長くしたら動作しなかった」との連絡をいただいた。本体をトランクに置いて、フロントパネルを運転席付近に移設するとなると、5メートルぐらいの延長ケーブルで接続しなければならない。う〜ん・・・、動かなさそう・・・(苦笑)。
まぁ、動くか動かないかはやってみないとわからないので、とりあえず延長ケーブルを作って試してみよう。
カーステレオCDX-MP200Xのフロントパネルと本体は、18ピンのコネクタにより接続されている。写真1に本体側のコネクタを示す。
写真1 本体側のコネクタこのコネクタをよく見てみると、2mmピッチになっている。2.54mmピッチのものなら一般的なのだが、2mmピッチのコネクタはあまり見ない。ここに直接延長ケーブルをハンダ付けしてもいいのだが、そうすると「やっぱり、延長は無理!」ってなったときに、このカーステレオが使えなくなってしまう。そこで、このコネクタに接続できるものを簡単に作ってみることにした。
まずは、写真2のような使わなくなったクレジットカードに太めのスズメッキ線を両面テープで2mm間隔に固定したものを用意する。
写真2 クレジットカードにスズメッキ線を貼ったもの両面にスズメッキ線を貼り付けて、さらにエポキシ接着剤で先のほう(端のほう)固定する。エポキシ接着剤は、スズメッキ線を覆ってしまっているので、接着剤が完全に固まってから、写真3のようにスズメッキ線の先が露出するように接着剤をサンドペーパーで削り取る。
写真3 接着剤をサンドペーパーで削っているところその後、写真4のようにクレジットカードを適当なサイズに切断し、スズメッキ線を曲げる。
写真4 適当なサイズに切り取ったスズメッキ線残りのスズメッキ線とクレジットカードを適当なサイズに切断すれば、写真5のように簡易コネクタのできあがりである。
写真5 簡易コネクタこれをカーステレオの本体側のコネクタに差し込んでみると、写真6のようにピッタリ接続できる。
写真6 簡易コネクタを差し込んでみたところさて、この簡易コネクタを使って5mのケーブルを仮接続してみよう。
まずは、写真7のように、簡易コネクタに5mのケーブルをハンダ付けしていく。
写真7 簡易コネクタにケーブルをハンダ付けしているところ一方、フロントパネル側は、コネクタの接触部分ではなく、その根本部分にケーブルをハンダ付けできそうだ。
フロントパネルの裏側を見てみると、写真8のような4本のネジが見えるので、これを外す。
写真8 フロントパネル裏側のネジさらに、フロントパネルの両側面に写真9のような六角ネジがあるので、これも外す。
写真9 フロントパネル両側面のネジすると、写真10のように、フロントパネル裏側のカバーを外すことができる。
写真10 フロントパネル裏側のカバーを外したところ写真10の左側にコネクタが見えるが、このコネクタが基板と接続されているところにケーブルをハンダ付けしてやれば、万一、ケーブルを外さなくてはいけなくなったときでも、コネクタの接触部分には影響がない。写真11にケーブルをハンダ付けしているところを示す。
写真11 ケーブルをハンダ付けしているところさて、18本のケーブルを接続できたら、早速テストしてみよう。カーステレオの本体を車体から外してきて室内に持ち込み、直流安定化電源により12Vを供給してやる。そして、写真12のように5mのケーブル で本体とフロントパネルを接続する。
写真12 接続テスト中スイッチON! シーン・・・・。 スイッチON!、シーン・・・・。 あれっ!?
APLYさんがご指摘のように、延長ケーブルが長すぎるとうまく動作しないようだ・・・_| ̄|○
仕方がないので、動作しない原因を究明するため各信号線を解析してみることにした。ちょっとだけ本気モードである(笑)。写真13に解析中の様子を示す。
写真13 解析中の様子どうやら、動作しない原因は大きく分けて2つあることがわかった。
- 表示情報を本体からフロントパネルに送る信号のうち、クロックラインの周波数が高くインピーダンスも高いため、延長すれば信号がうまく送れない。
アースとの抵抗値が変化することによりスイッチ操作を伝達しているが、延長ケーブルのインピーダンスが高いためにうまく送れない。
そこで、表示情報を本体からフロントパネルに送るデジタル信号については、送信側と受信側の両方にバスドライバーを入れてやることにした。他のデジタル信号線についても、ノイズに強くするためバスドライバーを入れてやる。また、操作スイッチについては、 信号線とアース線を増強してやることで解決できそうだ。
このようにして、簡単な回路を組み5mのケーブルで延長してみたところ、写真14のようにうまく動作するようになった。なお、各信号線の詳細については、次回のレポートで解説する。
ここまでできれば、後はケーブル等を製作して車に取り付けるだけだ。つづく・・・。
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