2010年3月12日(金)
Bluetoothステレオ − ロータリーコマンダーを使う
「カーステレオヘッドユニットの撤去 − ミニステレオプラグ」で報告したように、DD号はステレオヘッドユニットを撤去して、ミニステレオプラグを付けている。その代わり、「カーナビの交換 − インダッシュタイプへ」で報告したように、ステレオヘッドユニットがあったところにインダッシュのカーナビを取り付けた。DD号のコンソール周りを写真1に示す。
写真1 コンソール周り写真1の赤矢印で示したものがミニステレオプラグのコードであり、DDが車に乗るときはこれにBluetoothレシーバーを接続して、携帯電話に入っている音楽をBluetoothで飛ばして聞いている。ただし、音量 調整や選曲の操作のために、Bluetoothレシーバーは写真1のようにコンソール上に出しておかなければならず、ミニステレオプラグのコードも見えていて、あまり格好良くない。
まぁ、これはこれで便利なのだが、以前DD号に付いていたカーステレオはソニー製のものだったので、写真2のようなロータリーコマンダーが使えた。これが非常に便利だった。
写真2 ロータリーコマンダーそこで、Bluetoothレシーバーをどこか見えないところに埋め込み、写真2のロータリーコマンダーで制御できるようにすれば便利かも? とか思いながら、ちょっとBluetoothレシーバーの中身を見てみることにした。写真3に分解される(かわいそうな?)Bluetoothレシーバーを示す。
写真3 Bluetoothレシーバー裏の電池を入れる蓋を取ると、写真4のようになっている。
写真4 裏蓋を取ったところ写真4の赤矢印のところにあるY字型のネジを外すと、写真5のようにプラスチックの筐体を外すことができる。
写真5 プラスチックの筐体を外したところ写真5の赤矢印のところにある小さなプラスネジを外すと、基板を外すことができる。写真6に基板を外して裏向けたところを示す。
写真6 基板裏面基板の裏面には、5つのスイッチが付いている。真ん中がPLAY/PAUSEボタン、上がボリュームアップボタン、下がボリュームダウンボタン、右が曲送りボタン、左が曲戻しボタンである。
すなわち、ロータリーコマンダーを操作したときに、これらのボタンを押したような動作をさせればいいわけである。
一方、ロータリーコマンダーの中身を調べてみると、図1のようになっていることがわかった。
図1 ロータリーコマンダー(RM-X4S)の回路図どうやら、ロータリーコマンダーのボタンやダイヤルを操作すると、SIGとGNDの間に抵抗値が発生するようになっているようだ。
今回は、Blouetoothだけでなく、車両に付いているアンプの電源もON/OFFできるようにしてみたい。そこで、図1の下の表に示したように、 ロータリーコマンダーのボタン やダイヤルを割り当ててみることにした。
ロータリーコマンダーのボタンやダイヤルの接点とBluetoothレシーバーのボタンの接点とを配線で接続する方法も考えたのだが、ハンダ付けが難しそうなうえ、 アンプ電源をON/OFFすることはできない。
そこで、今回はPICを使って、ロータリーコマンダーのどのボタンが押されたかを認識し、対応するBluetoothレシーバーのボタンを電子的に押すような回路を製作することにした。ついでに、アンプ電源のON/OFFや、ナビの音声が出ているときにアンプ電源を切って音楽を鳴らさないようにする機能も付けてみよう。
そんなわけで、とりあえず手持ちの部品だけで動作するように、図2のような回路を設計した。まぁ、回路は適当で、細かいことはPICのプログラムに任せることにしよう。
図2 Bluetoothレシーバーとロータリーコマンダー制御回路なお、 アンプ電源のON/OFF時には、なにかフィードバック音が欲しいため、圧電スピーカーも付けてみた。もちろん、電池駆動であったBluetoothレシーバーの電源も回路の中に 組み込んでいて、電池が不要になっている。
回路図ができた後は、プログラムも作ってみた。まぁ、簡単な制御回路なので、こんな感じでいいだろう。
さて、ここまでできれば、後は製作するだけである。今回は、手持ちで適当な大きさのケースがなかったので、写真7のように製作した回路とBluetoothレシーバーの基板を少し小さいケースに無理矢理押し込んだ(笑)。
写真7 製作した回路このケースの裏面には、写真8のような圧電スピーカーが両面テープで固定されている。
写真8 ケースに取り付けた圧電スピーカー回路ができれば、あとはこれを車両に取り付けるだけである。インダッシュ式のカーナビを入れてしまうと、ヘッドユニットが入る場所の近辺にはスペースがなくなってしまうため、写真9のように、ダッシュボード上の送風口を外し、その隅に取り付けてみた。
写真9 制御回路を取り付けたところ最後に、取り付けた制御回路の動作確認をすれば完了だ。
この制御回路の使い方だが、携帯電話等のBluetooth付きの音楽ソース機器をスタンバイ状態にしておき、ロータリーコマンダーのSOURCEボタンを押すと自動的に携帯電話とBluetoothレシーバーが無線で接続され、同時にアンプの電源が入って音楽が流れ出す。
音量や選曲は、ロータリーコマンダーの対応するダイヤルで制御可能である。また、ロータリーコマンダーのOFFボタンを押すとアンプ電源をON/OFFすることができる。さらに、音楽が鳴っているときにカーナビの音声ガイダンスが入ると、アンプ電源が自動的にOFFになって音楽が聞こえなくなり、音声ガイダンスが終わると再びアンプ電源がONになるようになっている。
写真10に本制御回路と携帯電話を使って音楽を鳴らしているところを示す。あっ、OBCやエアコンパネルの左にあるメクラ蓋のトリムを取り付けるのを忘れてるなぁ・・・。
写真10 制御回路と携帯電話で音楽を鳴らしているところミニステレオプラグのコードやBluetoothレシーバーが見えなくなっただけでなく、携帯電話やipod touchに入っているお気に入りの音楽を車で楽しむことができるようになった。ナビもインダッシュになってスッキリした。これはちょっとイイかも?
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