2008年11月3日(月)
リアフォグランプのLED化 − スモークタイプ
DD号は「スモークランプ作戦 − その3」で紹介したように、テールランプにHELLAのスモークタイプのものを使っている。ただ、このリアフォグランプのレンズは赤色ではなく少しスモークがかかった透明だ。
「スモークランプ作戦 − その3」で紹介したように、本来リアフォグランプを取り付けられる仕様になっていないところに、無理矢理ランプ穴を空けて電球を入れている。赤色の電球を入れれば赤色に発光するのだが、DD号にはリアフォグランプとして普通の電球が入っているため、リアフォグランプを点灯させると、写真1のように光ってしまう。
写真1 リアフォグランプを点灯したところDDはリアフォグランプを点灯させながら走行することがないのでこのままでもいいのだが、やはり赤色に点灯するようにしておきたい・・・、と思いつつ、7年近く過ぎてしまった(笑)。
いつかは赤色のLEDを入れてみようと思っていたのだが、LEDを入れようとするとリアフォグ&バックランプユニットを大きく改造しなくてはいけない。でも、もし、改造に失敗したら、新しいスモークタイプのユニットが手にはいるかどうかわからないし・・・。
というようなことをMゴローさんと話していたら、「使わないリアフォグ&バックランプユニット(スモークタイプ)を持っているので使ってください」と、ありがたいお申し出をいただいた。これで改造できそうだ! 写真2にいただいたユニットを示す。
写真2 リアフォグ&バックランプユニットこのユニットの上側はバックランプ、下側はリアフォグになっている。バックランプは電球のままで改造せずに、下側のリアフォグの部分にLEDをいくつか埋め込むことにする。
今回、使用するLEDは直径が10mmの赤色のLEDだ。これを横に8個、縦に4個並べて、図1のような回路をユニバーサル基板上に作り、それをリアフォグの部分に埋め込むことにする。
図1 LED点灯回路そうと決まれば製作していくだけだ。まずは写真3のようなユニバーサル基板を2枚用意する。
写真3 用意したユニバーサル基板このままLEDを載せてしまうと、レンズを通してユニバーサル基板の色が見えてしまうかもしれないので、写真4のように、ツヤ消し黒のスプレーで塗装しておく。
写真4 ツヤ消し黒で塗装しているところ塗装したユニバーサル基板を写真5に示す。
写真5 塗装したユニバーサル基板なんか、ところどころで基板の穴に塗料が入っているような気もするが、気にしない、気にしない・・・(笑)。
使うLEDは写真6のような直径10mmのものである。半値角9°だからかなり指向性が強い。また、明るさは50cd(20mA時)だから十分に明るい。
写真6 LEDこのLEDの直径は10mmなので、ユニバーサル基板に図1のように搭載できるはずなのだが、実際にやってみるとうまく入らない。よく見てみると、LEDにツバがあり、これを含めると直径が11mmになってしまうためだ。
仕方がないので、写真7のように、一つ一つのLEDのツバをヤスリで削って写真8のようにした。
写真7 LEDのツバを削っているところ
写真8 ツバを削ったLED(左)と削る前のLED(右)LEDは全部で64個必要だから・・・・。かなり面倒だ。あ、握力が・・・。
さて、LEDのツバを削ったら、これをユニバーサル基板上にハンダ付けしていく。基板にLEDをハンダ付けするときは、まず写真9のように隅にLEDを付ける。
写真9 隅にLEDを付けたところそして、写真10のように端から順にLEDをハンダ付けしていく。
写真10 LEDをハンダ付けしているところ写真11に全てのLEDをハンダ付けしたところを示す。
写真11 すべてのLEDをハンダ付けしたところまた、基板の裏には、写真12のように470Ω(1/4W)の抵抗もハンダ付けしておこう。
写真12 470Ωの抵抗をハンダ付けしたところ回路ができあがったら、写真13のように試験点灯させてみよう。9Vの乾電池でも点灯するはずだ。
写真13 試験点灯させたところこのとき、すべてのLEDの光軸がそろうようにLEDの向きを調整しよう。基板の裏からハンダを少し溶かしてLEDを動かせば、うまく光軸が調整できるはずだ。
さて、ここまでできたら、次はリアフォグ&バックランプユニット(以下、「ユニット」)の改造だ。Mゴローさんからいただいたユニットは、写真14のようにリアフォグ電球用の穴が空いていない。また、リアフォグ用の配線もない。
写真14 リアフォグ&バックランプユニットまずは、写真14の赤矢印で示すコネクタケースを外す。これは、ラジオペンチ等で挟んで丁寧に引っ張れば、パキッといって外れるはずだ。外したコネクタケースを写真15に示す。
写真15 外したコネクタケース次に、写真16のようにユニットのリアフォグ部分に大きな穴を空ける。
写真16 ユニットに穴を空ける位置ドリルと金鋸とヤスリを駆使すれば、比較的簡単に穴を空けることができる。写真17に穴を空けているところを示す。
写真17 金鋸で穴を空けているところ穴を空けるときにレンズに傷を付けないように注意しよう。写真18に穴を空けたユニットを示す。
写真18 穴を空けたユニット穴が空いたら、ここにLEDを載せたユニバーサル基板を固定すればいい。製作したLED基板を固定するため、写真19のようなアクリル板を用意した。
写真19 アクリル板(下)これに、写真20のような金具をネジ止めした。ネジは2mmφのものを使用する。
写真20 金具を取り付けたアクリル板そして、このアクリル板をユニバーサル基板に接着する。接着には、写真21のようにシリコンシーラントを使った。シリコンシーラントを塗る前に、LED基板に電源の配線を付けておこう。
写真21 シリコンシーラントを塗っているところ写真22のように、シリコンシーラントを塗ったLED基板にアクリル板を載せて、一晩ぐらい置いておく。
写真22 プリント基板とアクリル板の接着一晩経つと、写真23のように完全に接着できた。
写真23 接着したLED基板ここまでできれば、これをユニットに取り付ければいい。LED基板をユニットの中に入れ、試験点灯させながら光軸の向きを決めて、LED基板をネジ止めする穴の位置を決めればいいだろう。LEDの指向性が強い場合には、この光軸調整作業を念入りにしておいた方がいいだろう。
写真24にLED基板をネジ止めしたユニットを示す。赤矢印の3箇所でネジ止めしている。
写真24 LED基板をネジ止めしたところ最後に、配線を接続すればいい。ただ、ユニットには元々リアフォグ用の配線がコネクタ部分にもないため、他のユニット等からコネクタ部分の配線(ピン)を移植すればいい。もちろん、最初に外したコネクタケースも元通りに接着しておこう。
これで、LED化したリアフォグランプのユニットは完成だ。残るはこれを取り付ければいい。取り付け方の詳細は「スモークランプ作戦 − その4」に紹介した通りなので詳細は割愛する。
とりあえず、以前い付いていたユニットを車両から外したところを写真25に示す。
写真25 ユニットを外したところDD号はM5のリアガーニッシュを付けているので、ユニットの取り外しには少し苦労した(外すときに干渉するため)。
この際だから、写真26のようにユニットが付いていた部分を丁寧に掃除しておこう。
写真26 ユニットが付いていた部分を掃除しているところ十分に掃除ができたら写真27のようにLED基板を載せたユニットを取り付けて完成だ。
写真27 LED基板を載せたユニットを取り付けたところリアフォグのレンズ部分をよく見ると、写真28のようにうっすらとLEDのツブが見える。
写真28 リアフォグレンズ部分点灯させてみると、写真29のように、ちゃんと赤色に点灯する。
写真29 赤色に点灯するリアフォグ今回使用したLEDは指向性が強いため、見る方向によって明るく見えるときと暗く見えるときがある。LED基板をユニットに取り付ける際に、十分LED基板の取り付け角度を調整しておくといいだろう。
意外と苦労して取り付けたリアフォグのLEDだが、実際にはリアフォグを点けて走行することはないため、あまり役に立たないかもしれない(笑)。気が向いたらブレーキランプとして使用できるように改造しよう。
末尾ではあるが、リアフォグ&バックランプユニットを提供いただいたMゴローさんに感謝する。
ご質問はddkunnejp【@】gmail.comまで。