2008年3月13日(木)
プロジェクタハイビーム − あるぴな小僧さんより
今回はE32 ALPINA B11にお乗りのあるぴな小僧さんより面白いレポートをいただいたので紹介しよう。E34にも応用できる改造だ。
【はじめに】
以前から独自の発想で改造していたことをこの場で紹介しよう(パート1)。
まずは、2枚の画像からご覧いただこう。
点灯状態(ロー:HID、ハイ:H1ハロゲン、ポジション:LED)皆さん、どこかが変わっているのだがわかるだろうか。答えは、以下のレポートを見ればわかるだろう。
まずは、経緯から説明しよう。
話は前に所有していた車(これもアルピナでB9)から始まるが、これに乗っていた当時、ポジションランプにブルーを入れるのが流行っていた。人と違う事が好きな私はハイビーム側にもポジションを入れていた。ランプに加工ではなくH1の取り付け穴からソケットを入れるだけだった。
ただ、ブルーのためヘッドライト点灯時にハイ側はブルーのまま(ロー側はライトで見えなくなる)で前から見るとかっこ悪かった。そこでリレーを使いヘッドライト点灯でハイ側ポジションが切れるようにしていた。ポジションの位置はハイとローで違っていたが、B9はプロジェクターではなかったので、そこそこ綺麗に反射していた。当時はこれで満足していた。(^^)v
それから、時がたち現在のB11にの乗り換えた。
今度はロー側ヘッドライトがプロジェクタになり、前のようなポジションランプではハイとローで差が付き過ぎて綺麗ではない。色々と考えた結果、いい事を思いついた。それがロー側ヘッドライトのハイ側転用である。これなら、ハイとローが同じになりポジションランプも同じもの、同じ位置になり綺麗になるはずである。
きっかけは、最初から付いていたロー側が暗かったので新品に取り替えた。すると前のローが余ってこれを何かに流用できないかと考えたのが始まりである。
それをハイ側に移植して、しばらく乗っていた。そんなある時ヒゲライトなる物を発見し、それを取付て現在に至る。今回たまたまであるが、その転用ハイ側を取り替える事態が発生したので、順を追ってレポートすることになった。
その事態とは、たまたまライトリングを外す必要があり、外したまま乗っていた。仕事から帰りLED化作業でボンネットを開けた。するとそのとき前方から、「カラン、コロコロ」と音がした。何だ?と前に行くとライトのレンズが転がっていた。(・_・;)エッ? そう、ハイ側左のレンズが取れていたのだった。皆さんがレンズを外すのに散々苦労してはったのにいとも簡単に・・・(笑) 経年劣化とは恐ろしい。でも前にヒゲライトに取り替えたときのあまりがあったのを思い出した。とりあえずはライトリングで抑えているので問題ない。そういえば前々からこのレンズだけ洗車時によく曇っていたのを思い出した。で、今回のレポートになる。
【作業編】
加工の順番が後先になるかもしれないがご勘弁願いたい。
ノーマル状態ライト周りを分解する。E34とは少し違いがある。
1.ライトのグリルの取り外し
ライトの周囲にあるグリルを外すには、下の画像の赤矢印のグリル上側についているプラスチックのネジ式止具を外す。下側ははめ込みである。多少変形している場合もあるがこれは簡単に外れるはずである。
ライトグリルを固定しているネジの位置2.ハイビームユニットの取り外し
ハイビームに接続されている配線をコネクタの部分で外す。ヘッドライトの裏側にカバーがついている場合は、最初にカバーを外しておく。ハイビームユニットは、下の画像に示す赤丸の部分の黒いプラスチックのブッシュで固定されている。これらをラジオペンチ等で丁寧に少しずつ外す。すると、ハイビームユニットが外れる。ブッシュが壊れた場合は再利用できないので、事前に新しいブッシュの購入をお勧めする。
ライトのグリルを取り外したところ
外したハイビームユニットそして、外したレンズユニットからライトリングを取っておく。このリングは後でロービームユニットに取り付ける。
3.ロービームユニットの取り付けの為の下準備ライトユニット固定フレームを加工する。ロービームユニットはハイ側と違ってプロジェクターを収納するためライト後ろ側の形が大きくなっている。その為、そのままではロービームユニットは付けられないので下の画像のように加工する。
加工前
加工後フレームを加工すると少し強度が落ちるので補強をする。金属のステー等で車体からサポートする。フレーム自体を補強してもよい。
補強したフレーム(今回は車体から補強を取った。)これでライトユニットを付けられるようになった。次にライトユニット側を加工する。
ハイビームとロービームではユニットを止める足が逆位置になっているがユニット自体を左右入れ替えれば問題ない。しかし、ユニットを止める3個のブッシュを入れる穴位置が問題である。すべての穴のピッチが違うのである。しかも、新旧でサポートの形状に違いがある。リブがたくさんついて頑丈になっている。邪魔になる部分を削り取る作業が追加になってしまった。
邪魔なリブを削ったところ
ハイ側のピッチに合わせてロー側を加工する。2箇所は穴がダブりブッシュの固定が緩くなるので何かで穴を塞いでおく方がよいだろう。今回はアラルダイト(エポキシ系接着剤)で埋めてみた。
穴を塞いだところ最初に加工したときは塞がずに加工したのでゆるゆるでインシュロックで固定していた(笑)。もう1箇所は前の穴より外側になるのでアルミ板などをネジ止めし延長する。下の1箇所は長さが長いのでカットする。
レンズ芯より測定してけがきをする。←これ肝心、でないとレンズ位置がずれます。ちなみにコンパスを使うと正確に測れます。
ケガキ中
加工後(比較のため前の穴を残したもの)
ハイと加工の終わったロー比較続いてロービームユニットをハイで使用するための加工をする。そのままでは上向きにならないのでプロジェクター内部の配光板を取り外す。
加工前
加工後4.ロービームユニットの取り付け
これでライト側の加工も終了し、取り付けが出来るようになった。
ライトユニットを取り付けたところただし、右側のユニットのみに問題がある。エアフィルター吸入用ダクトが当たるのである。画像ではわかりにくいがダクトに穴を開けてインシュロックで楕円形に細くして回避している。
ユニット裏側問題がなければ、ライトグリルを取り付ける。ここでもう1箇所加工が必要である。ロー側をハイとして使うため光軸調整ネジがかなり前に飛び出してくる。そのため、グリルの光軸調整穴を大きくする必要がある。そうしないとグリルが収まらない。
グリルを取り付けたところ
光軸調整穴部分
前のレポートでLED化したときにLKMの改造して警告回避出来たので配線をノーマルに戻した(警告回避に別ラインで配線していた為)。
ノーマルとの比較(左:改造、右:ノーマル) あなたの好みはどっち?光軸調整をして完成 ヽ(^O^)ノ パチ!パチ!パチ!
ちなみに左右両方を取り替えておいた。いつもう一方もお亡くなりなるかわからないので念のため(笑)。
われながらすばらしいアイデアだ。前から見た感じも迫力が増した感じになっていると思う。そう思いません?
ローだけでかなり明るいし、ハイ側は普段あまり使わないのでハロゲンのままにしている。もしHIDにするならローと同じものを付ければ、とてもバランスの取れた綺麗なものになるのは間違いないだろう。いつかしたいな6灯HID・・・
【おまけ編】
ポジションランプのLED化についてレポートする。
1.ポジションランプのソケットを取り外す
DDさんのレポート「ポジションランプ交換 − 楽勝のはずが・・・」に詳しく書いてあるので省略する。
2.LEDバルブの取り付け
このポジション用に購入したLEDバルブがこれだ。
警告対策付きのものこのLEDは横側にチップが付いており横方向にのみ光るタイプである。このヘッドライトの場合ポジション用にリフレクターがありこのほうが綺麗に反射すると思われたのでこれを採用した。
試験点灯しかし、ここで問題が発生。たまたまレンズの外れたライトユニットがあるのでそれで解説しよう。(笑)
LEDを付けたソケットをユニット入れた状態3.ソケットの加工
LEDの向きが予想に反して逆である。前もって向きを確認しなかったのが悪かった。さてどうしよう。話は簡単、向きが90度変わればいいだけである。よし、ソケットを改造しよう。
最初は、プラリペアで造作しようと思ったが、付かない材質だったので断念する。ならばとプラスチックネジを使って加工した。
ぴったり90°ずれた位置にケガキを入れて、穴を開けてネジをたてるそしてネジをねじ込んで接着剤で固定する。不要になった部分をカッターで削り落とす。
加工前
加工後
角度比較(90度ずれているのがお分かりいただけるだろう。)これで思った方向にLEDが向いてくれた。これを4個作る。(当然ハイ側の分も作る)
LEDを付けたソケットをユニット入れた状態(加工後)
確認点灯(綺麗に分散している)
ソケットをユニットに入れて、ハイ側の配線はロー側より分岐して取り付ける。(前もってソケット用のカプラーを入手しておいた。)
完成 点灯状態4灯がそろって綺麗になった。理想の状態になった。後々イカリング化の予定があるのだが・・まっ、それはそれとして。(笑)
まさか、ロービームユニットをハイビームの位置に入れるとは! なんて
ヲタクな素晴らしい改造だ! 確かにハイビームの位置にプロジェクタライトがあったほうがカッコイイ!末尾ではあるが、とても面白いレポートをいただいた あるぴな小僧さんに感謝する。
ご質問はddkunnejp【@】gmail.comまで。