2005年11月19日(土)
エアコン動作時のカタカタ音 − ニードルベアリング調整
先日、「10万キロ記念 メンテレポート大量アップ!」と称してメンテネタを大量放出してしまったので、ネタ不足に苦しんでいる。しかし、長い間、何もアップしないわけにもいかないので、適当なレポートをアップしてしまうわけである(笑)。
以前に「エアコン動作時のカタカタ音 − テンションプーリー交換」でエアコンベルトのテンションプーリーを交換した。その直後はエアコン動作寺のカタカタ音が消えていたのだが、今年の夏の終わりになって、またカタカタ音が出だした。
これについて、take-Mのtakeさんに相談したところ、「ニードルベアリングがずれて、カタカタ音が出るときがありますよ」とのことであった。ニードルベアリングってなに???
ニードルベアリングとは、図1に示すベアリングのことで、[4]のように2つ付いている。この2つは[3]の部品の穴の中に圧入されているが、このうち赤矢印の方がずれると[3]の部品が前後に動き、カタカタ音が出るようである。
図1 ニードルベアリングの位置このニードルベアリングがずれているかどうかを調べるには、マイナスドライバー等で[3]の部品を押さえると音が止まるかどうかで判断すればいい。DD号はまさに、このニードルベアリングがずれているようであった。
まずは、写真1のようにスロープを使って車の前方を上げる。
写真1 車の前側を上げているところエンジンルーム上側から見ると、目指すニードルベアリングは写真2のところにある。
写真2 ニードルベアリングの位置もちろん、エンジンルームの上側からでは手が入らないので下に潜り込んでテンションプーリーやテンショナー一式を外す。写真3にこれらを外しているところを示す。
写真3 テンションプーリー、テンショナー等を外しているところ図1に示す[9]と[10]を外せばいいのだが、そのままではテンショナーがベルトを押し上げていて、外すのが難しい。そこで、まずテンショナーを一旦縮めてベルトを外してから作業する。
写真4に示すテンションプーリーの蓋(図1の[13]の部品)を外し、図1の[6]の六角ネジを写真5のように六角レンチで締める方向に回すと、テンショナーが縮む。その間にベルトをプーリーから外せばよい。
写真4 テンションプーリーの蓋
写真5 テンショナーを縮めているところ以上のようにしてテンションプーリー一式を外したところを写真6に示す。
写真6 テンションプーリー一式写真7の赤矢印の先端がニードルベアリング(図1の[4])になるのだが、これが緑矢印の部分(図1の[2])と同じ高さになっていない。写真ではわかりにくいが、ニードルベアリングの方が少し下に下がっている。
写真7 ニードルベアリングこの状態で車両に固定されていると、赤矢印と緑矢印の部分が同じ高さになっていない分だけ(高さの差の分だけ)上下方向に動くことになり、これによってカタカタ音が発生するのである。
ニードルベアリングが緑矢印と同じ高さになっていない原因は、圧入したニードルベアリングがずれてきているためである。そこで、裏から写真8に示す部分をたたいてやることで、ずれたニードルベアリングの位置を調整する。
写真8 ニードルベアリングをたたき出す写真9に貫通ドライバーとハンマーでニードルベアリングをたたき出しているところを示す。
写真9 貫通ドライバーとハンマーでニードルベアリングをたたき出しているところうまく調整しながらたたき出せば、写真10のようにニードルベアリングが中心のパイプと同じ高さになるはずである。
写真10 調整後のニードルベアリングの位置最後にテンションプーリー一式を組み付ければ、調整完了である。ちなみに、組み付け時にも写真5のようにしてテンショナーを縮めながらベルトを掛けなければならない。前回はこの方法を知らなかったため、組み付けにかなり苦労した(苦笑)。
調整後はカタカタ音が全くなくなった。やはり、ニードルベアリングの位置ずれが原因だったようだ。
末尾ではあるが、ニードルベアリングの調整方法を教えていただいたtake-Mのtakeさん、および、作業をお手伝いいただいたといさん、5678910さんに感謝する。
ご質問はddkunnejp【@】gmail.comまで。