2005年8月7日(日)
フロント足回りのブッシュ交換 − siegrさんより
今回はいつもオフ会でお世話になるsiegrさんよりフロント足回りのブッシュ交換レポートをいただいたので紹介しよう。
皆さんこんにちは。siegrです。
今回のリポートはフロントの足回りブッシュの交換です。すでにあちこちで見たり聞いたりされておられる方も多いと思いますのでできるだけ私なりの部分をリポートしてみます・・・では。
まずは部品調達です。スラストアームのブッシュは高いのでオークションで購入しました。OEM品ですがボーゲのものでしたので特に問題はないかと思います。2個で1万円しませんので買い得感はありました(^^)
ロアアームのブッシュとアイドラアームのブッシュは安価なのでディーラで購入。価格は合わせて8千円でおつりがきます。この作業ではあちこちにロックナットが絡んでいますのでできるだけその辺も考慮して発注したほうが良いでしょう。
実作業に入ります。先ずはウマかけをして・・・、結構なトルクでボルトやナットを扱うのでしっかり準備します。
左右のタイロッドを切ります。今回はストラットをボディに残す作戦なので、ステアリングアームをフリーにするための作業です。アイドラアームのブッシュも交換するのでこの手順になっていますが、このあたりはイロイロ考える必要があるかも知れません(・_・;)
ピットマンアームとセンタロッドを切ります。スペース的に苦しいのと手持ちのロッドエンドプーラがごついので少々苦労しましたが、無事に切り離せました。続けてアイドラアームのボルトを抜きます。ここはエキマニの真下なのでさらにスペースがありません。センタロッドにつながったままで取り出します。
これがアイドラアームのマウントボルトです。ナットが外れてもすぐに落下しないようにエキマニ側から入っていますが、遮熱板を取り外せば何とか抜けるようです。ちょっと強引にこじりながら抜きました(^_^;)
このようにしてセンタロッドと左右タイロッド、アイドラアームがつながって外れてきますので、プーラでアイドラアームを簡単に切ることができます。
ストラットハウジングとステアリングアームを切ります。聞きしに勝るトルクで締まっているのと、ロック剤が使われていますのでしっかりした道具で外してください。ストラットの回り止めには適当な材木を使いましたが、一番最初に緩めておけばよかったですね(^o^;)
スラストロッドとロアアームのメンバ側を外します。先に話したようにロックナットがほとんどのところに使われていますので、使いやすいラチェット系の道具を使えば体の疲れ方が違いますね〜。 ちなみに私は・・・すでに疲労困憊です(-.-;)
これで2本のロッドとステアリングアームがつながったまま外れます。各々のロッドエンドはかなりしっかり固着していますので、プーラで切るときはバイスなどを使わないと難しいかも知れません。私は会社の作業場を使用できたのでこの方法で行きます。プーラにはかなり厳しい作業が続きます。私のプーラは2千円の台湾製ですがなんとかもってくれています(^_^;)
ここで夕立が来て一休み・・・ すでにたっぷり汗をかいていましたので、まさに恵みの雨でした。後は会社の作業場が空くのを待って夜にやっつけます。
それぞれのブッシュを油圧プレスで入れ替えるわけですが、この作業は作業環境に大きく左右されるものです。あえて画像を取っていないのは、安全性やカラーの作成など面倒なことが多いので、ディーラーなどに依頼しても高い工賃を取られるものではありません。無理をして部品を壊したり本人が怪我をしたりしたのでは
元も子もないので、自分の環境を考えてDIYするかどうかを決めてください。
これがブッシュの交換に使用したカラーの類と外したブッシュです。
右のスラストロッドブッシュはエキマニの熱に焼かれてボロボロでした。見た目にもセンターの部分に位置の変化が起きています。左はまだいけそうですね(・_・)
ロアアームとアイドラアームのブッシュはしっかりしていますが、先が知れないので交換しておきます。たぶんブレーキング時の90〜80キロ付近でブルブル来るのは右のスラストロッドブッシュがダメになったからでしょう。┐(´ー`)┌
「この辺の熱対策をするとブッシュのもちが違いますよ〜」とはかの御高名な某オカルトチューナー様のご意見ですが・・・納得ですm(_ _)m
ボールジョイントの点検をするとまずまずの状態でガタもなくもう少し使えそうです。ただ、ロアアームのジョイントはブーツが破れて中が見えている状態ですので、何とか対策を考えなければいけません(-o-;)
先日交換したタイロッドのブーツが生きていますので移植することにしました。上下のブーツクリップをこんな風に外してブーツにグリスを補充して・・・
ロアアームのジョイントブーツと交換します。特にムリな感じはありませんので、しばらくは大丈夫そうです。クリップはロアアームのジョイントブーツに付いていたものを使います。微妙に内径がちがうようです。
うまくゴマ化すことができました。できれば新しいブーツを準備しておいたほうが良いかも知れません。sam1号さんの足回りメンテレポート に(オオノゴムというとこのAC−2114という品番が使える)との情報があります。ご参考までに(^^)
翌日の早朝より組み立てに入ります。すずめと一緒に起きて準備して(-.-)zzZ
先ずはアイドラアームを取り付けます。単体ならば楽にボルトも通せます。
センタロッドを組んで・・・ トルクレンチが入らないので、短いメガネで目いっぱい締めこんでおきます。
スラストとロアの各ロッドのメンバー側を取り付けます。後で1G状態の本締めをしますので、現状は軽く動く程度の仮締めです。
ステアリングアームとロッド類を組み立てます。早朝でボケていたのか、ここで左右を取り違えストラットハウジングとの結合時点で気が付きます。またプーラくんに負担をかけてしまいますが・・・ 「がんばれプーラくん!」 (^_^;)
ここは新品のロックナットを使用しました。安い部品なので(126円)、気が付いたら同時発注しておいたほうが良いでしょう。締め付ける時にいきなり新品のナットを使うと、ボルト側が供回りしてなかなかはかどりません。先に古いナットでテーパー勘合をさせてしまうと楽に作業できます。
左右の組み立てが終ったら、ステアリングアームにジャッキをかけてロアアームがほぼ水平になるまで加重をかけます。ウマから少し浮くくらいまで上げて・・・ サービスマニュアルでは決まったウェイトをシートに乗せることになっていますが、今回はこの方法でいっときます。オイオイ(^o^;)
この状態でアームのメンバ側ボルトを規定トルクで締めます。ロアアームが8キロ、スラストロッドは13キロで締めました。
後は、遮熱版やアンダーカウルを取り付けて完了ですが、今回手をつけたボルトやナット類にもう一度工具をかけて締め付けをチェックしたほうが安心できます。ペイントマークも効果的でしょう(後から思い出したのですが(^o^;) )
作業の効果は・・・?
ブレーキング時のガタやブルブルは完全に消えました。以前2ミリ伸ばしたタイロッドももとの寸法に戻して、トーはアウト方向に振れているのですが直進安定も上々です。全体に舵角も減って、きついコーナーを回り込んだ時のオツリのような感触も払拭されています。
その後、50キロ程走ると各部がなじんでハンドリングに安定感が出てきます。荒れた路面も上手にいなすような感触ですか・・・イイ感じです。(^ε^)♪
アルミのロアアームはブッシュの交換が難しいかと思います。アーム側を少し暖めてやると良いかも知れません。
あぁ〜しんどかった(*´Д`)=з 例によってくれぐれも安全第一で! 自己責任で作業してくださいm(_ _)m
かなり詳しくレポートしていただいたいるので、実際に作業される方には非常に参考になるだろう。アーム自体を交換せずに、ブッシュだけ交換するのならかなり安くなりそうである。
末尾ではあるが、いつも有益なレポートをお送りいただいくsiegrさんに感謝する。
ご質問はddkunnejp【@】gmail.comまで。