2019年11月11日(月)
E36 パワステフルードの漏れ修理 − チロリンさんより
今回はチロリンさんより、E36のパワステフルード漏れ修理のレポートをいただいたので紹介しよう。
夏が終わり、嫁様がお乗りになるお車の車検が近づき、オイル交換をしたところ、嫌なものが見つかりました。
ドライブシャフトを抜く気力も起こらず、話題のパカッてやつを使ってみたところ、見事直りました。
ネットでは評判が良くないようですが、10年くらい前の時点での書き込みが目立つので、現在は良くなっているのかもしれません。無事車検をパスし、漏れも起こらず普通に使用できております。素晴らしいものだと思います。
前置きが長くなりましたが秋の始まり、E36にまたオイル漏れを見つけてしまいました。
恒例の儀式。。。
壱、嫌な気分になるの儀
弐、漏れたオイルを指でさわり臭いを嗅ぐの儀
参、臭いでエンジンオイル、AT、デフオイルかを判断するの儀
四、思い当たる箇所を探すの儀
五、箇所を見つけるの儀
六、さらに嫌な気分になるの儀大体の特定箇所探しの儀式が終わりました。パワーステアリングです。大人気なく、さらに嫌な気分になった理由なのですが、定番のホースかと思ったところ、ホースは乾いていてラック部分の蛇腹から染み出ていたからです。漏れが蛇腹にたまり、それから出てきているので、ごく少量の漏れではないと思います。ポンプのほうがまだ価格的にマシかもしれません。
蛇腹を外したところ、残念ながら間違いないようです。しかも指にかかる傷がついているため、リビルド、シール交換も厳しそうです。
ラック交換が早そうです。ハイ。これにはステアリング関係のセンサーなど電気関係の縛りが一切ついていないので、この辺は古い車両の良いところでしょうか。
しかしながら、リビルドパーツも10万くらいのような気がします。純正だとおそらく工賃、油脂を含め30万円超コースです。そのくらい出すと、今のより新しい年式の中古車が購入できるかもしれません。カーライフも始まりがあれば終わりが必ずあります。10秒ほど車両の下で考えました。
乗り換えた場合、車体が3ナンバーサイズになってしまいます。もう一度E36を買うのはさすがに古すぎる気がしました。その後のモデルで、6気筒、FR、5ナンバーボディサイズはありません。当時のカローラに、マークUエンジンを載せたようなものは現在存在しないと思います。プログレくらいでしょうか。しかしながら重量1.5tの壁を越えてしまいます。(18年が経過しているので、1.4tながらそこそこ重量税は払っている)
個人的な主観ですが、現在、カローラ、シビックですら高級車のような気がします。ボディサイズも大きく日本の販売がメインでなく、海外向けの車両のような気がします。海外で需要がある物を右ウインカーにして、日本の登録番号を貼り付けている感じです。確実に国内自動車マーケティングは衰退していることを実感。
話がそれましたが、次回の車検が1年以上先なので、それまではとりあえず乗ることにしました。
(ここまでが10秒くらい)
中古パーツを物色してたところ、使用できる格安中古パーツが見つかり、気がつけば納品されていました。
気になる内部も、漏れ、さびや傷がなく、使用できそうです。
その後、オイルがたれてくるので、5日程度で車両の下を覗き込み、布でオイルをぬぐっているのが行事となりました。方ひざをつき手を伸ばせばそのまま届きます。
パーツが届いたので、作戦です。そのままタイロッドエンドまで外してしまうと、トー角度の調整が必要になると思います。工場では測定の板に乗っていましたが、DIYでは面倒くさいと思うのです。なので、タイロッドとタイロッドエンドは緩めず、ラックとタイロッドを切り離し、作業をしたいと思いました。
画像は前にダストブーツを交換したときの画像も使用しております。
はじめにステアリングをまっすぐにして、ラックのボルトを外します。続いてオイルラインのボルトを外します。オイルがドバッと出てきます。何かで受けてください。自信ある方は手やお口で受けていただいても、無理にお止めはいたしません。全ラインのオイル量は1.2Lと聞いております。
オイルラインの前に行っても良いですが、ラック部分の左右を外すため、ブーツの純正バンドを外します。マイナスドライバーを差込み、かしめている箇所を戻すと再使用可能です。ブーツを外すとラックが見えてきます。
左右のラックを外し、ラックの飛び出し量を左右計測します。これが重要で、交換するタイロッドの長さが同じなら、トー角度は変わらないはずです。タイロッドのボルトを回してはいけません。
左右のタイロッドが切れたら、ラック本体2つのボルトを外し、ラックを下ろします。(20年以上ありがとうございました。)
そして新しい(中古購入ですが)ラックを取り付ける前に、取り付けるラックの左右の飛び出し量を、計測した値と同じにして、車体に取り付けます。ステアリング位置が変わらないか注意。変わってもハンドルを取り外すだけですが、エアバッグの警告が出るためバッテリーを外し15分ほど待たないとなりません。
オイルラインを戻し、パッキンは新品使用が原則ですが、禁断の再使用。そしてタイロッドを取り付ける前にせっかくなので軽く清掃してグリスを塗っておきましょう。
タイロッドが戻れば、オイルを入れてエンジンをかけ、前輪が浮いたままで左右にステアリングをゆっくり目に切ることを繰り返し、エアを抜きます。規定値になるようオイルを調整します。そして漏れがなければブーツを戻し終了です。信頼の新品パーツなら先にブーツは戻してしまうのが得策だと思います。
この万全な作戦で作業を始めようとしたところ、漏れていないではありませんか!!
繰り返しますが、5日に1度布で拭かないとたれているはずなのですが。
心当たりが1つありました。届いた中古パーツの隅に写っている青い定番のやつです。確かオイル量の5%になるように使え。と書いてあるので、前に減ったオイルの代わりに入れたものです。3000円くらいで購入しました。さらに日を置いてもまったく漏れてきません。漏れていたものはラックに傷が入っているので、また漏れてくる可能性がありますが気持ちよく漏れが止まったので終わります。また漏れ始めるか、気が向いたら交換することにしました。なので購入した中古ラックはストックしておくことにしました。
経験上、このような液体は気持ちくらいで、解決になるくらいの効き目はないと思っておりましたが、良い意味で裏切られました。
そして物置にまた物が増えました。ただでさえ物が多くあふれかえっている状態であるのですが。(もし私が死んだら、家族が迷惑するだろう。。。)
なんか衝撃的な結末だったが、まぁ漏れが止まったので結果オーライだろう。いつも面白いレポートをいただくチロリンさんに感謝する。
ご質問はddkunnejp【@】gmail.comまで。