2013年7月3日(水)

電動シート背もたれのねじれの修理 − ケーブル被覆の伸び

これまで他人事だと思っていた電動シートの背もたれのねじれが、とうとうDD号にもやってきた。最近は定番の不具合が順番に起きているような気がする。しかし、多くの方々から様々な種類のメンテレポートをいただいているので、今回もなんとかDIYで修理できそうだ。今回の修理では「電動シートリクライニングとシートリフター修理 − ミッチョさんより」のレポートが大いに役に立った。先達はあらまほしきことである。

写真1に背もたれが捻じれて動いてしまう助手席側の電動シートを示す。修理作業前に、捻じれがない位置まで背もたれをリクライニングさせておこう。


写真1 背もたれが捻じれるシート

まずは、写真2のように電動シートを一番前にスライドさせ、後ろ側にあるシートレールの固定ボルトを外さないといけない。


写真2 シートレールの固定ボルト

このボルトは、頭がE14というトルクスのボルトだが、もちろんDDはそんなソケットを持っていない。試しに六角のソケットを付けてみると、写真3のように11mmのものがジャストフィットする。まったくガタガタしない。DDはこれでボルトを外した。


写真3 11mmのソケットに合うE14のボルト

シートレールの前側は、写真4のようにボディ底面から出ているフックに引っかけてあるだけである。


写真4 シートレール前側のフック

シートの後方を持ち上げて、少しゆすりながらシートを前方に動かすと、このフックを外すことができる。写真5にシートレールを外したフックを示す。


写真5 シートレールを外したフック

これで、写真6のようにシートレールが車体から外れたことになる。


写真6 シートレールが車体から外れたところ

シートを車外に持ち出すには、電動シートの配線ケーブルやシートベルト上下位置調整のワイヤーを外さなければいけないが、電動シートは非常に重いために、DDはシートを車内に置いたまま修理することにした。

電動シートは、ミッチョさんのレポートにもあるように、前後に2つずつある計4つのピンでシートレールに固定されている。このうち、写真7に示す前方のピンを外せば、前側が開くため背もたれを動かすモーターにアクセスしやすい。


写真7 シートとレールを固定しているピン

このピンには抜け留めが付いているが、それを折って内側から外側へ金槌で叩くと外側に抜ける。写真8に抜けたピンを示す。


写真8 抜けたピン

左右両側のピンを抜くと、写真9のようにシートの前側が開く。もちろん、救急セットは外しておこう。


写真9 前側が開いたシート

前側が開いたシートを前方下側から除くと、写真10のように2つのモーターが見える。背もたれを動かすのは、このうちの後ろ側のほうである。


写真10 背もたれを動かすモーター

このモーターを外すには、写真10にある赤矢印のボルトを外さないといけない。しかし、作業スペースが狭いので8mmのソケットを使うことができない。DDは、薄型のラチェットレンチとスパナを使って、写真11のようになんとかモーターを外した。


写真11 モーターを外したところ

モーターを外すと、両側に付いているワイヤーもモーターから外すことができる。写真12にワイヤーの先端を示す。


写真12 ワイヤーの先端

左側のワイヤーケーブルは、中心のワイヤーを被覆の中に押し込むとほとんど先が出なくなってしまう。また、右側のワイヤーも押し込むと先端が5mmぐらいしか出ない。これが原因のようだ。そこで、過去のレポート通り、ワイヤーの被覆を切り詰めることにする。

その前にワイヤーケーブル両端に付いている金属製のスリーブを外さないといけないのだが、これがなかなか外せない。この際、写真13のように赤矢印で示すところでワイヤーの被覆ごとカッターナイフで切り取ってしまうことにした。どっちみち、被覆は短くすることだし。


写真13 被覆を切断してスリーブを外したところ

まだスリーブの中に詰まっている被覆は、同じぐらいの直径のボルトを叩き込めば簡単に抜くことができる。また、金属スリーブが被覆から抜けないように、スリーブの一部を内側に折り曲げてツメの代わりにしているところがあるのだが、これはブレーキパッド交換に使う7mmの六角レンチをスリーブの中に入れてグリグリやっていると、ツメが元に戻る。

このようにして、切り詰めた被覆に金属スリーブを再度取り付け、写真14のようにモーターに接続する。モーターにワイヤーケーブルを取り付けるときには、左右から奥まで押し込めばよい。モーターを固定するときに、この金属スリーブも一緒に固定されてモーターから抜けなくなる構造だ。


写真14 モーターを取り付けたところ

ここまでできれば、一応、動作確認しておこう。DDの場合は、問題なくリクライニングが動作した。うまく直ったようだ。

さて、あとはシートを元に戻すだけだが、抜け留めを折ってしまったピンは、写真15のようにM8×25mmのステンレスのボルトで代用することにした。


写真15 ピンの代わりに用意したM8×25mmのボルト

これを写真16のようにしてピンの代わりに取り付けた。


写真16 ボルトを取り付けたところ

最後に、シートレールをボディに固定すれば作業終了である。DDの場合は、特に手こずることなくシートレールを固定することができた。写真17に背もたれを起こしたところを、写真18に背もたれを倒したところを示す。


写真17 背もたれを起こしたところ


写真18 背もたれを倒したところ

電動シートは非常に重いので、今回はシートを車外に出さずに修理したが、運転席側だとハンドルは邪魔になって修理するためのスペースが確保できないかもしれない。

最初に書いたが、今回は(も?)ミッチョさんのレポートが非常に役に立った。末尾ではあるが、詳しいレポートを投稿いただいたミッチョさんに感謝する。



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