2011年5月13日(金)

E90 アクセサリー電源の取り出し方 − ミッチョさんより

E90 320iのヒューズボックス情報に引き続いて、今回はアクセサリー電源の取り出し方のレポートをいただいたので紹介しよう。


【アクセサリー電源の取れないE90】

E90 320iのヒューズボックス情報」のレポートで述べたように、E90は通常の方法ではACC電源を取ることができない。このため、ナビゲーションやレーダー探知機など後付けの機器を取り付ける場合、イグニッション電源をACC電源の代用に使うのが通例である。

したがって、AUX端子に接続したiPodの電源をシガーソケットから取っていると、アイドリングストップと同時に音楽がストップし、エンジンを再始動してから再生ボタンを押しなおさなければならない。また、社外ナビゲーションやGPSレーダー探知機は、イグニッションをONにするたびに再起動するためGPS測位のやり直しである。

ところが、iDriveや純正オーディオは、キーを挿すだけで動作するし、エンジンを切ってもキーを抜くまで通電されている。つまり、いわゆるACC電源で動作しているのだ。オーディオ周りのハーネスからACCが取れそうな気がするのだが、そうはいかないらしい。

ネットで情報を検索すると、運転席足元のCASユニットからACC信号が取れるという記述がいくつか見つかった。早速、自分の車で調べてみることにした。

 

【CASユニット】

CASとは「Car Access System」のことで、ユニットは運転席の足元上にある。右ハンドル車はハンドルポストの右側にある。写真1はドア側の小物入れを外して撮影したCASユニットである。


写真1 CASユニット1

写真2はWDSの左ハンドル車画像で、A149aがCASである。


写真2 CASユニット2

 

【ACC信号の取り出し】

写真3は、ハンドル下のアンダーカバーを取り外し、床から見上げたところである。


写真3 CASユニット3

ネットの情報によると、ACC信号はCASユニットの41Pコネクターの3番が空きで、ここにコンタクトピンを入れて取り出すらしい。

41Pコネクターはロックレバーをスライドさせれば抜くことができる(写真4)。写真5はカバーから抜き取ったところである。


写真4 41Pコネクター1


写真5 カバーを抜き取ったところ

情報では3番は「空き」のはずだが、私の車両には「紫/黄」のリードが入っていた。WDSの配線図で調べると、3番は「ターミナルR信号」で、その行き先は「クラッチスイッチモジュール」ということだ。つまり、AT車は3番が空きだが、MT車には配線が入っているのだと思われる。

割り込みコネクタで信号を取り出してみると、ACC信号を取り出すことができた。配線は0.5sqと細いので、細線に対応した割り込みコネクターを使用した。AT車の場合は、コンタクトピンを挿入する必要がある。


写真6 割り込みコネクターで分岐したところ

レーダー探知機やiPodくらいなら直接つなげばよいのだが、それなりに大きな電流を取り出す場合は、リレーを入れる必要がある。

 

【リレー配線】

複数機器の使用を想定してリレーを入れることにした。部品箱にあった手持ちの10Aの「平型ヒューズ電源」で、ヒューズボックスの空きソケット38番から常時電源を取り出し(写真7)、30AリレーでACC電源をセンターコンソール内に引いてみた(写真8)。


写真7 常時電源の取り出し


写真8 リレーの設置場所

このリレー出力は、レーダー探知機とiPodに接続した。これで、アイドリングストップをしてもGPSが再起動しなくて済むし、iPodの音楽を聴くことができるようになった。今後、地デジチューナーを導入しても大丈夫だ。なお、この方法はE87の1シリーズでも同じように使えるとのことである。


レーダー探知機とipodぐらいなら、両方合わせても1Aも流れないと思うので、リレーは不要であるが、カーオーディオのヘッドセットやカーナビを接続するのであれば、ミッチョさんのようにリレーを入れた方が無難だろう。

末尾ではあるが、いつも有用なレポートをいただくミッチョさんに感謝する。次回のレポートも楽しみだ。



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