2010年10月21日(木)

E39 サーモスタットとウォーターポンプの交換 − コロすけさんより

今回はメンテレポート常連のコロすけさんより、E39 M52エンジンのサーモスタットとウォーターポンプ交換のレポートをいただいたので紹介しよう。


DD様、皆様、大変大変お世話になってます。大きなことが出来ないコロすけで御座います。御無沙汰いたしておりますm(_ _)m。 久しぶりのレポートなので書き方を忘れてしまいまして、読み苦しい点があると思いますが、お許し下さい。

 

【はじめに】

今回のメンテは、コロすけ号ではありません。御近所様のエリエール様の車両でございます。m(_ _)m その車両情報を少し・・・。

E39−525i 2000年11月生産 M54エンジン 左ハンドル 青系(決して黒っぽい青では有りません)

走行距離は4万km半ば(大雑把です)。お約束の車高短(笑)。コロすけはこの足を狙っておりますが…(因みにビルのBPSです)。

今年の春より水周りのトラブルが勃発?(経年劣化?) ラジエターのクラックが発生し、ラジエター交換。ラジエター交換後はエキスパンションタンク亀裂が発生し、交換(後期タイプって結構聞きますねぇ)。

今回は、サーモハウジング、ウォーターポンプ、各ベルト類の交換をとなりまして、微力ながらお手伝いをさせて頂く事となりました。

 

【交換方法】

まずは、フロント側をジャッキアップして、ウマを掛けます。下に潜り、アンダーカバーを外します。アンダーカバーを外しますと、新品のラジエターが見えますねぇ…??? シュラウドの下部がちゃんと納まっていません(笑)。

(ファン・シュラウドの取外し)

ファンシュラウドにエキスパンションタンクからの配管が2本固定されていますので、それを外します。

エキスパンションタンク反対側の下部に補助ウォーターポンプなるものが付いております。

この補助ウォーターポンプとホースをシュラウドから外します。そして、電源カプラを引抜きます。

補助ウォーターポンプは嵌まっているだけですので、矢印の方向にスライドさせると外れます(少しきついです)。

次に、上部に移ります。ゴムカバーを外し、アッパーホース脇のファンシュラウドに何かのセンサーがある様ですが何のセンサーかは…??? そのカプラーを外します。

エキスパンションタンクを外します。エア抜きのバルブを外しバルブの周りの留め具を外します。

エキスパンションタンクがフリーになりますが、エア抜きのホースが繋がっていますのでそれも外します。エキスパンションタンクのエア抜きホースはカシメるタイプのホースバンドを使用している事がありますので注意してください。交換の際には、ねじ込み式のホースバンドを御用意下さい(エリエール号は前回交換済みです)。

そして、ファンシュラウドを固定しているプラスチックのビスを外します(上部の左右に付いています)。

これで、ファンシュラウドがフリーになります。ただ、フリーにはなりますが、引き上げるにはファンが邪魔になりますので特殊工具を使ってファンを外します。この部分は逆ネジになっていますのでご注意ください(時計回りで緩みます)。

ファンを外し、ファンと一緒にシュラウドを引き上げます。

ファンとシュラウドを外しますとラジエターが剥き出しになりますので、ラジエターのフィンを傷つけないように、段ボール等で養生を行います。併せてエアコンコンプレッサー等の部分にLLCがかからない様に養生します。

局部(笑)に移る前に、ベルト類を取外しておきます(テンショナーを緩めて…過去記事を参照されると有難いです)。写真を…撮っていません。((ノ(_ _ ノ)

(サーモハウジングの取外し)

カプラーを外し、アッパーホース・ロアーホースを外します。

後期タイプは、針金でのロックタイプです。針金を引くとロックが外れますので、そのまま引抜いちゃいます。引抜くと同時に、ドバッとLLCが出てきますので、バケツ等でLLCを受けてあとで再利用します(エコな時代ですから)。

サーモハウジングは固定ビス4本で留っています(13mm-1本 12mm-3本)。

中央部に…リーク跡っぽいのが見えます。13mmのボルトの部分が若干コツが要りますが軽く揺すると外れてきます。

外したあとは、付着ゴミ等を清掃しておきます。

(ウォーターポンプの取外し)

DD様のメンテ記事を参考にさせて頂き実施します。プ―ラ―をSSTで固定しながら4本のナットを外して行きます。

外しますと、プ―リ―が外れます。外れますと、ウォーターポンプが姿を現します。

ウォーターポンプはナット4本で留っていますのでそれらを外します。外しますとボルトのかかっていない穴が左右2個あります。そこに、先程取外ししたサーモハウジングのボルトを左右均等にねじ込んでいくと、ウォーターポンプが出てきます(ボルトは合えば何でもOKですが、身近にありましたので)。

新旧比較

サーモハウジングとウォーターポンプ

新しいウォーターポンプは回転部が金属になってます。サーモのカプラーが微妙に違う様な…

あとは、逆の手順で組み込んでいけば終了となります。ウォーターポンプを装着する際には、ゴムパッキンを装着し、取付ける際にLLCを塗って装着すれば宜しいかと思われます。

ウォーターポンプ装着後、サーモハウジング、各ホース類、ファンベルト・エアコンベルト、ファン・ファンシュラウド、エキスパンションタンクを取付けて終了です。

 

【おわりに】

冷却水のエア抜きの方法ですが。。。(不明確ですが記述させて頂きます)

キーをONの位置(エンジンを掛けない)まで回して、室内の温度(左右)・風量を最大にします(ウォーターポンプが動く様です)。

エキスパンションタンクにLLCを補充し、エキスパンションタンク横のエア抜きのバルブを外します(エア抜きホースからLLCが出てきます)。

水量の変化がなくなるの見計らって(このままですとサーモが開いていませんので)、エア抜きバルブ・ラジエタ―キャップを装着し、エンジン始動! 水温が通常走行時水温になるまで待ちます。

LLCの噴出等があっても危険の無いように、エア抜きバルブをウェス等で隠しながら開けてみます。開けた際、エアとLLCが出てきます。

この工程を、エア抜きバルブを外してエアが出てこずLLCが満たされているまで繰り返せばOKです。何度か繰り返す必要があるかもしれません。

最後に、再度タンクの水量を確認し、減っている場合は適量を補充して完了です(入れ過ぎには御注意)。補充の際には、エンジンを止めてください。また、各部分が熱い場合にはLLCが噴き出す可能性がありますので十分に御注意下さい。

※的確なエア抜き方法を御分かりの方がいらっしゃいましたら御教授の程、御願致します。m(_ _)m

また、ラジエター等の冷却装置周辺の部品交換のには、間違いを起こすとオーバーヒート等エンジン部に重大な被害を起こす可能性がありますので、自分で交換するときは、自己責任で慎重の上に慎重にお願いいたします。

なお、この作業ではエアコンベルトの幅が合わなかった事は内密にお願致します(笑)。


写真も多く、作業工程も非常に丁寧にレポートされている。ウォーターポンプ等の交換を考えている方には、とても参考になるだろう。

末尾ではあるが、有用なレポートをいただいたコロすけさんに感謝する。



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