2010年4月12日(月)

光軸調整モーターのノイズ対策 − ノイズフィルタで

光軸調整モーターの交換 − エラー対策」で報告したように、運転席側(左側)の光軸調整モーターを交換することで一旦は不可思議な警告はでなくなったDD号だが、最近、再びライトを点灯したときに写真1のような警告が出たり、ゴングユニットがバック音を出すようになってきた。


写真1 不可思議な警告

おそらく、今度は助手席側の光軸調整モーターがノイズを出しているためであろう。オマエもか・・・・。_| ̄|○

助手席側の光軸調整モーターを写真2に示す。


写真2 助手席側の光軸調整モーター

新品の光軸調整モーターを手に入れようとすると、サードパーティやOEM製品が見あたらないため、BMW純正品になってしまい、結構高価だ。中古品でもいいのだが、すぐにノイズを出すようになってしまっては意味がない。そこで、今回は、実質的な対策としてノイズフィルタを使ってノイズ対策をしてみることにした。

光軸調整モーターの接続配線は、なぜかE34の回路図で見つからない。そのため、まずは配線を解析しないといけない。本来なら、光軸調整モーターのコネクタを外して解析すればいいのだが、このコネクタが固くて外れない、外れない・・・。どうして・・・?

仕方がないので、潔く、写真3のように配線をニッパーで切断することにした。


写真3 配線を切断しているところ

配線をハーネスごとを切断すると、写真4のように、茶、黒、灰/黒の3本の配線が見える。


写真4 光軸調整モーターの配線

ここで、この3本の配線の役割について考えてみる。まず、E34では、茶色はアースである。この信号を基準にして、写真5のようにテスターを使って、他の2本の配線を調べてみた。


写真5 テスターで信号を測っているところ

光軸調整ダイヤルで光軸の高さを変更しても、灰/黒線の電圧は12Vぐらいで変化しない。おそらく、これが電源だろう。一方、黒線は、写真6のように光軸調整ダイヤルを0にしたときに、写真7のように11.5Vがかかっている。


写真6 光軸調整ダイヤルをOの位置にする


写真7 光軸調整ダイヤルをOの位置にしたときの電圧

今度は、写真8のように光軸調整ダイヤルを2の位置にすると、写真9のように黒線には8.8Vがかかるようになる。


写真8 光軸調整ダイヤルを2の位置にする


写真9 光軸調整ダイヤルを2の位置にしたときの電圧

これで、

であることがわかった。

さて、肝心の光軸調整モーターが動作したときのノイズだが、警告表示が出るということは、LKM等に入っているコンパレータのところにノイズが入る訳なので、おそらく電源ラインからノイズが入り込んでいるのだろう。そこで、電源線(灰/黒)にノイズフィルタを入れてみることにした。

部品箱を漁ってみると、ドライバーを磁化するための磁石が出てきた。これは、100円均一ショップで購入したものだ。そこで、写真10のように、この磁石にビニール被覆線を巻き付けて簡易ノイズフィルタを作成してみた。


写真10 簡易ノイズフィルタ

これを写真11のように、灰/黒線に直列に入れて何度かテストしてみた。


写真11 簡易ノイズフィルタをテストしているところ

ほとんどの場合、不可思議な警告は出なくなったが、まだたまに出ることがある。簡易ノイズフィルタでは、ちょっとコイルの巻き数が足りないようだ。そこで、写真12のように、もっと細い線を使って巻き数を増やしたノイズフィルタを作成した。


写真12 巻き数を増やしたノイズフィルタ

写真12のように、これを光軸調整モーターの灰/黒線に直列に接続してみたところ、不可思議な警告は出なくなった。


写真13 ノイズフィルタを接続したところ

接続したノイズフィルタは、写真14のようにタイラップ(インシュロック)で車体に固定しておいた。


写真14 ノイズフィルタを固定したところ

これで不可思議な警告がでるかどうか、しばらく様子をみてみよう。



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