2009年4月2日(木)

キーライトのLED化 − あるぴな小僧さんより

LED化 ヲタク マニアのあるぴな小僧さんより、新しいLED化のレポートが届いたので紹介しよう。


【はじめに】

皆さん待望のLED化シリーズ第八弾。えっ? 待ってない? まぁ、そんなことは言わないでお付き合い下さい。

今回はキーの中に内蔵してある照明をLED化したのでレポートしよう。

BMWには色んなタイプのキーがあるが、これはその中でリモコンのないタイプでキーライトつきのものである。以前にもLED化は検討したことがあったが必要性があまり感じられず見送ってきた。

ポルシェ乗りの間ではよく行われていることで、最初からLEDになっているキーヘッドも売っているようである。

しかし、3月のメンテオフ&@KANSAIオフミのときに、アルタァさんからの強いご要望があったので検討することにした(笑)。

 

【キーライト部の分解】

キー本体からライト部分を取り外す。


外し方:スイッチ部を押えながら横方向にスライドさせると抜き取ることが出来る。


取り外したライト部。


点灯状態。

ライト部は上下で分割できる。はめ込み式なので、上下に引張れば外れる。


スイッチボタン内に電池が入っている。


中にある全パーツ。

電球は、1.5V 0.135Wで先端はレンズ状で口金は特殊な形状のものを使っている。電池は、ドイツのVARTAというメーカーのV625PX 1.35VのMR-9(H-D)型の水銀電池である。水銀電池は、「小型」「寿命が長い」「電圧が安定している」といった優れた特性を持っている。


ただし、現在は製造中止になっている。

ちなみに、代替電池としては下記のものがある。

そのほかの方法として、電池アダプター(MR-9(H-D)アダプター:関東カメラサービス)を利用し、どこでも手に入るLR44などの電池を使う。

 

【電源の選択】

LED、しかも白色LEDになると少なくとも3V以上、できれは6V以上の電圧がないと明るく光らない。今の電池のままではLED化は無理である。

そこで何か参考になるものはないかと探していたら、とある文房具屋さんでちゃっちいキーライトを発見したので買ってみた。


購入したキーライト。(確か¥500ほど)


分解してみた。

とてもシンプルな構造である。LEDと電池2個だけである。LEDは詳細不明。電池はCR1220である。

CR1220はリチウム電池で電圧3V、容量は40mAh、サイズΦ12.5x2.0、合計6Vの電圧である。ただし電流制限はされていない。

実際に点灯状態で計測すると電圧4Vで、電流が約40mA流れていた。LEDの寿命を完全に無視した使い方(オーバードライブ)である。ただし明るいのは間違いない。キーライトの場合、長時間にわたって点灯するわけではないのでまず問題ないのだろう。

とりあえず試作と言うことで、これをまねして作ってみることにした。前に述べたように電池が特殊なため同じ電池はしようできない。そこで電池アダプターを使用してその中に入る電池を選んで使うことにする。


電池アダプター(MR-9(H-D)アダプター:関東カメラサービス)2個1組¥2900(1個¥1450結構高い!)


電池との比較

この電池アダプターの内径11.6mm、深さ4.6mmであり、そこに入る電池を探したらCR1025が見つかった。CR1025はリチウム電池で電圧3V、容量は30mAh、サイズΦ10x2.5。

電池アダプターに入れるにあたり、電池の周りを絶縁する必要があるのでこのサイズで問題ない。電池容量も30mAhで、内部抵抗もCR1220より高くなるため、LEDに掛かる無理も幾分か低減されることになる。


スイスライト用バッテリーとある。

プラスチックの板にテープを貼った絶縁材を作って入れ、電池をセットする。


テープはサイズ調整のため使用。


ピッタリ!


絶縁材の解説。

 

【組み付け】

LEDの適用サイズはΦ4(直径4mmの意)なのだが、そんなサイズはないのでΦ5を加工して使用する。

LEDは以前にオーディオQで買って残っていた日亜化学製 Φ5白色LED 13800-18000mcd 3.2V/20mAを使用することにした。


使用するLED

Φ5では少し大きいのでヤスリで外形を削ってΦ4〜4.5程度にする。


鍔(つば)は残して削っていく。


別の方法としてケース側の穴をΦ5にしても良い。

ケース内でLEDが動くのを防止するため、内側に溝を入れてLEDの鍔部分をそこにはめ込む。


位置を決めてまずカッターで切り込みを入れる。


切込みの内側をえぐりとって行く。

LEDの取替えができるように半田付けはせずに、リード線を銅板で押えるようにする。


うまくケースに沿うように曲げる。


セットした状態。


銅板の下になるようにする。

LEDがセットできたら電池を乗せて点灯試験。ここで測定をしてみる、電圧3.5V、電流約20mAである。
思っていたよりもいい状態になった。LEDの定格内に収まっているので寿命も問題ない。


これならLEDを半田付けしても良かった。

組立とき何度も点灯してみて、接触不良が起こったら銅板やバネを微調する。最後に、ケースを元通りにして完成。


電池のプラス側がバネに当たりそうなのでテープで絶縁した。


完成。

点灯状態。


新旧比較。

電球とは比べようがないくらい明るくなった。電球では1mも離れるとほとんど照らせないのに比べ、LEDでは10m離れても照らしている。キーライトの用途以外にもいろいろ使い道がありそうだ。

本来、「キーライト」は鍵穴を探す時に長くても数十秒点灯させて、あとは長時間休ませるような使い方である。休ませることで電池の起電力がある程度回復するので、意外と電池の持ちもいいだろう。


最後の写真を見てもらえばわかるように、LED化後は非常に明るくなっている。明るすぎ?(笑)

末尾ではあるが、いつも面白いレポートをいただく あるぴな小僧さんに感謝する。



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