2007年5月10日(木)

簡易補助充電器の製作 − 岩野師匠より

またもや岩野師匠より、簡易補助充電器の製作レポートをいただいたので紹介しよう。これなら、DDでも作れそう!


お知り合いのM5乗りから充電器が欲しいと頼まれていたので、手持ちの部品で作ってみました。

最初は、簡単手抜きで抵抗とダイオードで済ませようと作成してみました・・・。

簡易版(手抜き版)にてショート実験を行うと、想像はしていましたが、案の定、抵抗は煙をあげるは、充電電流は安定しないは(当たり前ですが)。お知り合いに使わせるには、ちょっと不安です。

そこで、そこそこまじめに(ある程度手を抜いて)、手持ちにある物で作ることにしました。

バッテリーの充電は、定電圧、定電流で制御が望ましいのですが、今回は最大充電電流を125mA程度に押さえて、あくまでも補助充電(暗電流分だけ流す)ということにします。

回路的には、LM317と言う可変型の定電圧電源用のICを使い、定電流回路を作成します。バッテリー電圧が充電されて電圧が上がってくると、充電器の入り口の電圧との差がなくなると、充電電流は流れなくなりますので、この部分は手抜きです。

また、充電プラグが差し込まれていることが確認できるようにLEDも点灯させました。

回路図はこちら(PDFファイル)

安全の為に、充電器の出口にはショットキーダイオードをいれて、電源プラグが抜けたときの逆流防止と、途中の電線がショート時の保護もさせます。ですので、ダイオードは充電用のシガライタープラグに内蔵させます。

そうそう、E34はシガライターのソケットは、鍵が抜いてあっても常時給電ですので、そこから電流を注ぎ込み充電させます。

基板の表です。

基板の裏です。

大好きなタカチ製のプラスティクケースに入れました。100円以下で買えますし、穴あけも簡単!ちょっとした物を入れるには便利です。

コードの出口には、安全の為にゴムのブッシュも入れました。

完成しましたので、動作確認をかねながら、ショート試験も行ってみました。電流は設計より少し多めですが、許容誤差の範囲です。発熱もICを触れる位ですので大丈夫でしょう。

実際にはショートなどさせませんので普通はありえませんが、安全の為にと確認です。また、最悪の場合は、このIC内部にも熱保護回路は入っておりますので、さらに安心です。

無事に、煙もあげることなく動作が確認できましたので、組み上げます。

今回は、手持ちの関係で15Vのパワーパックの電源ですが、16Vがお勧めです。でも、19V以上はバッテリーの電圧が上がっても、充電電流が減らない為、使わないでください。

最後に、最悪はショートする、発熱するということを念頭に作成してください。バッテリーのパワーはものすごいです。一瞬に電線を燃え上がらせます。逆流させないように必ずダイオードは入れてください。

作成後に思ったのですが、電源LEDを点滅タイプにすれば、セキュリティみたいになったかなぁと・・・

自分の車の車庫で電源がとれたら付けたいのですが、賃貸駐車場故にできない為、私はバッテリーキルスイッチで上がらないように対処してますが、電気が取れる駐車場なんて羨ましいなぁ!


わざわざショート試験をするあたりが、岩野師匠の律儀な性格が伺える。師匠もおっしゃるとおり、バッテリーは内部抵抗が非常に小さいので、万一ショートさせた場合には大電流が流れ、電線が簡単に発火してしまう。製作するときは十分に注意して欲しい。

末尾ではあるが、いつも有用なレポートをいただく岩野師匠に感謝する。



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