2006年12月23日(土)

E39 イカリングヘッドライトの光軸修理 − hiro-4さんより

今回は初投稿のhiro-4さんより、E39のイカリングヘッドライトの光軸修理レポートをいただいたので紹介しよう。


E39オーナーの悩みのタネ、イカリングヘッドライトの光軸破損を修理してみましたのでご紹介します。

なお、今回の方法は原案「ガッツおやじ」さん(たぶん今は日本にいらっしゃらない?)によるもので、ネットでお願いをしたら快く修理方法をメールしていただきました。それに基づき、一部私のオリジナルもありますが施工した内容です。

おなじみ、イカリングヘッドライトです。今回はキセノンタイプで施術しましたが、ハロゲンもまったく同様の作業です。

以前、1回目はハロゲンタイプを修理しました。このときは「重症」で、今回の方法では無理でした。重症の場合の修理方法は後述します。

まず、症状を診断します。上の写真の様に、ヘッドライトユニットを車からはずします。

ロービームのバルブを上下方向に動かし、簡単に「ぐいぐい」動けば上下光軸ロッド破損! 左右に動かし同じく簡単に「ぐいぐい」動けば左右光軸ロッド破損。

当然、上下左右自由自在に動けばめでたく 残念ながら両方のロッド破損です。なお、ハイビーム側バルブもロービームの動きと連動して同様に動きます。

修理に使用する道具を紹介します。

左からホットカッター、ラジオペンチ、万能はさみ、要らなくなったフロッピーディスク、その上はマスキングテープ、瞬間接着剤(ゼリー状)、コーキング剤です。

さらに、軽症の場合は上の写真の内径5mmのアルミパイプが必要です。

重症の場合は上の写真のように2mm径のワイヤー、ワイヤークリップ、リューターが必要です・・・。訳は後述します・・・。

いよいよ施術です。

まず、光軸ロッドの位置ですが、上下調整用はロービームとハイビームの間、上の写真の丸で囲った調整ダイアルの先に位置しています。(矢印のように。)

そこで、写真のように光軸ロッド横のライトハウジングに穴を開けるため3cm×3cmでケガキます。ちなみに、左右調整用ロッドはロービームとウインカーの間にある調整ダイアルの先です。残念ながら 幸い、左右は壊れていなかったのでほっとしました・・・。

穴を開けるにはホットカッターがきれいに、手っ取り早くあけられます。

ガッツおやじさんは小型のくり貫きノコを使われていましたが、ノコくずが出るようです。大胆にがっぽりとあけましょう。ただし、この真下にはイカリングの導光ラインがありますので、勢いあまって突き抜けたりしないよう、慎重に・・・。

上の写真がライトハウジングに修理用の穴が開いたところ。丸で囲った部分が問題の光軸調整ロッドです。その横はイカリングの導光ラインです。

そして、光軸ロッドの破損とは、矢印で示した部分がみごとに折れ、その上に続くインナーハウジングを動かすことができなくなってしまう状態です。

調整ダイアルを回すことにより、ギアによって光軸ロッドが押したり引いたりします。それによってインナーハウジングをバルブごと上下に動かすのですが、ロッドの矢印部分が折れているといくらダイヤルを回しても意味がなくなるのです・・・。

で、ようはこの折れたロッドをくっつけてやればいいのです。

写真のようにロッドが原形をとどめている場合は軽症です。用意したアルミパイプを使って・・・。

この写真の様につないでやります。

このとき、瞬間接着剤を流し込んで付けますが、ゼリー状のほうが流れ出さずにいいようです。

さらに補強のために「サンパッチ」なるものを使います。すみません、今回写真に撮っていませんが、東急ハンズで700円くらいで売っています・・・。これは、紫外線に当てるとカチカチに硬化してくれる代物で、接合部分の補強に最適です。あ、硬化させるためには太陽光に当ててください。良い子は明るい昼間に作業しましょう。

開けた穴をふさぐには、上の写真の様に、要らなくなったフロッピーのケースを使います。

この写真の様に穴より少し大きめに切り、必ずコーキング剤を使ってくっつけ、ふさぎます。コーキング剤は再度修理する際にはがしやすく、防水性も高いため便利です。

 

さて、重症の場合ですが・・・。重症とは、光軸ロッドが「こなごな」に砕け、アルミパイプで接合できない場合です。

この場合は光軸ロッドのベース部分(白い四角い部分)にリューターで穴を開け、ワイヤーでインナーハウジングとつなぎます。

光軸ロッドの先にスリットがあるので、そこにワイヤーを通して引っ掛け、穴を開けたロッドのベース部分にワイヤーを通して輪にし、クリップで留めます。

こうすることでロッドの「押し」には代用できませんが、「引き」は可能になります。インナーハウジングはテンションがかかっていないと「下向き」になっていますので、光軸調整には「引き」だけで用を足すかと思います。実際、私の1回目、ハロゲンタイプはこの方法でした。

 

いかがでしょうか、つたない説明で理解いただけたでしょうか。ともあれ、皆さんの車頭に明るい光が指さんことを・・・!

追伸
海外のサイトではレンズカバーをばらし、光軸ロッドをそっくり新品に取り替える方法も紹介されていましたが、(なんと光軸ロッドのパーツナンバーもありました!パーツで出るんじゃん!) 英語がわからない 面倒くさそうだったのでこの方法で修理しました。


E39は、ヘッドライトの光軸が破損してしまうという持病があるようだが、これを修理するためにユニットごと交換するとかなり高額になってしまうらしい。

末尾ではあるが、有用なレポートをいただたhiro-4さんとガッツおやじさんに感謝する。E39のメンテレポートもかなり蓄積されてきたなぁ・・・。



<<前の記事へ   次の記事へ>>

ご質問はddkunnejp【@】gmail.comまで。

メンテナンス一覧へ