2006年11月22日(水)
E39 アイドルバルブとスロットルボディの清掃 − ミッチョさんより
今回は、ミッチョさんよりアイドルバルブとスロットルボディの清掃レポートをいただいたので紹介しよう。
アイドルバルブが不調となると、
- アイドル不調、
- 直ぐにストール、
- もたつき感がある、
- スムースに吹け上がらない
などの症状が出る。
97年式の愛車は走行距離9万kmを超えた。現在、不調なところは無いがアイドルバルブを清掃したのでレポートする。
図1はスロットルボディ周辺図である。
図1 スロットル周辺図アイドルバルブはE34と同様に、スロットルボディの下部に収まっているようである。写真1の赤丸のあたりにアイドルバルブは隠れている。作業しやすいように、補機類を外していく。
写真1 アイドルバルブの位置写真2・3は取り外したエアフローメーターとその内部の様子だ。内部にはホットワイヤーが見える。
写真2 エアフローメーターを外したところ
写真3 エアフローメーターの内部蛇腹式のゴム製ベローズ(ETKの名称は「ダストカバー」)を取り外すと写真4のような状態となる。
写真4 セカンダリースロットルチューブベローズの下部に接続されているホースはアイドルバルブにつながっている。スロットルボディの直前に取り付けられているセカンダリースロットルチューブ(写真4)は、ASC+T(Automatic Stability Control+Traction)がアクチュエーターでバタフライを閉じ、スロットルボディに入るエアを遮断してエンジン出力を絞る構造のようだ。
セカンダリースロットルチューブを取り外すと、写真5のようなスロットルボディが見えるようになる。
写真5 スロットルボディこのスロットルボディには、冷却水のラインが接続されていた。写真左側の2本のホースがそれだ。スロットルワイヤーを外して2本のボルトを抜き取ることで外すことができる。スロットルケーブルを外すときに、固定用の爪が折れやすいので注意する必要がある。
スロットルボディ下のやや後方に、写真6のようなアイドルバルブが取り付けられている(取り付け状態の写真は撮り忘れてしまった)。
写真6 取り外したアイドルバルブ内部をのぞいてみると、カーボンなどの汚れで真っ黒だ(写真7)。
写真7 真っ黒に汚れた内部のようすWAKO'Sのキャブレター クリーナー(エンジンコンディショナー)を吹き込んでしばらくすると、写真8のように真っ黒な洗浄液が出てくる。
写真8 真っ黒な洗浄液が出てきたところ他のクリーナーと比べると、洗浄力の差は歴然としたものがある。数回洗浄して、すっかりきれいになったバルブを写真9・10に示す。
写真9 洗浄後のアイドルバルブ1
写真10 洗浄後のアイドルバルブ2内部の回転部がスムーズに動くことを確認し、CRCなどの潤滑剤をひと吹きしてクリーニングの終了である。
同時にかなり汚れていたスロットルボディ、セカンダリースロットルチューブもきれいにしておく(写真11)。
写真11 セカンダリースロットルチューブ(左)とスロットルボディ(右)バタフライ部分にわずかにクーラントの漏れ跡があったのが気になるが、見なかったことにしておこう。
ついでに、エアフローメーター以前もきれいにしておこう(写真12)。
写真12 インテークマフラーETKによるとこの部分は「インテークマフラー」というらしい。図2にこの部分の構造図を示す。
図2 インテークマフラー周辺部エアクリーナーはスライド式のケースに収まっていて、ワンタッチで交換することができる。
RESONATOR(レゾネーター:共鳴器)という部品が、エアフローメーターとセカンダリースロットルチューブの間に接続されている(アイドルバルブにつながるホースの横に接続されている)。共鳴器というからには、吸気効率を上げるための部品と思われるが、内部にエンジンオイルと思われるオイルが溜まっていたのが気になる。どなたかRESONATORの働きと、内部のオイルが溜まる理由を教えていただけると幸いである。
写真13 レゾネーター内部に溜まっていたオイル内部を清掃し、すべての部品を元通りに組み付けて作業終了だ。アイドルバルブ清掃の効果のほどは、吹け上がりが軽くなったような気がするが・・・?である。予防整備として、また、各部分がきれいになって気分は最高である。
これは「清掃」というより「洗浄」だなぁ。このスロットルバルブ付近は汚れやすく、その汚れが原因でエンジン不調にもなりやすいので、是非、清掃作業をしておいて欲しいものだ。
末尾ではあるが、いつも詳しくわかりやすいレポートをいただくミッチョさんに感謝する。
ご質問はddkunnejp【@】gmail.comまで。