2005年10月17日(月)
ドアミラーの電動ガルウィング化 その4 − 制御回路
さて、E46クーペドアミラーの塗装も終わったので、次はドアミラーの制御回路を考えなければならない。残念ながら、DDはE46クーペドアミラーの回路図を持っていないので、ドアミラーの回路を解析することから始める。
まず、写真1のようにドアミラー配線のコネクタを切断する。
写真1 ドアミラー配線のコネクタを切断しているところ配線は11本ある。このうち、電動格納モーターを動作させるのに2本必要だから、残りは9本である。
配線の色をよく見ると、そのうち2本が黒色だ。すなわち、この2本は相互交換可能であり極性がないことを表している。ということは、この2本はミラー熱線の配線である。
すると残りは7本になる。ミラー面を上下左右に動かすには、配線が4本もあれば十分なので、このドアミラーにはミラー位置検出機能が付いていると思われる。いわゆるメモリーミラーというヤツだ。
ここで、配線の色と本数から手持ちの回路図の中で似たようなものを探してみると、E32 740iの回路図が比較的近いことがわかった。これを元に、写真2のように12Vの定電圧電源とテスターを使ってドアミラーの回路を解析した。
写真2 ドアミラーの回路を解析しているところ解析の結果、図1のような回路であることがわかった。
図1 解析の結果図1はE32 740iのメモリー付きドアミラーの回路図に赤線で書き足したものである。実際には、これの他に、ドアミラーを格納するモーターを制御する配線が2本ある(「赤/青」と「緑/茶」)。
さて、ドアミラーの内部回路がわかったところで、その制御方法を考える。
DD号に元々付いていたドアミラーの制御回路は図2のようなものである。
図2 DD号のドアミラー制御回路DD号のドアミラーにはモーターが一つしかなく、そのモーターの方向をソレノイドで回転させることで上下/左右にミラー面を動作させている。
一方、E46クーペのドアミラーでは、上下用、左右用の二つのモーターがあり、それぞれ独立に動作させることで上下/左右にミラー面を動作させている。
このように、ミラー面の制御方法は違うのだが、以前に岩野師匠が「リレーがあればなんとかなるよ」と言っていたのを思い出した。なるほど、そういうことか!
電動格納モーターの制御については、手持ちの部品でうまく制御する方法が見つからなかったので、いつものPICで時間的に格納/展開を制御することにした。
このような方針で設計したドアミラー制御回路を図3に示す。
図3 設計したドアミラー制御回路また、PICのプログラムはこのようなものとした。
さて、後はこの回路を製作していくだけである。
図3上部のドアミラー面の制御回路はリレーとダイオード1個だけので、左右それぞれのドアミラーの対して小さな基板を使って作成した。写真3に製作したドアミラー面制御回路を示す。
写真3 製作したドアミラー面制御回路写真3からもわかるように、今回はミラー面の位置を検知する回路部分は使用しないため、その配線は短く切断しておいた。
また、この回路がむき出しなのも良くないので、写真4のように絶縁のためにビニールテープを巻くとともに4Pのコネクタも取り付けた。
写真4 ドアミラー面制御回路にビニールテープを巻いたところ次に、電動格納制御回路を作成するのだが、その前に問題が・・・・。DDが持っている照明付きシーソースイッチ(波動スイッチ)の照明がネオン球だった。写真5に照明付きシーソースイッチを示す。ネオン球はもちろん直流12Vでは点灯しない。
写真5 照明付きシーソースイッチ上部もオレンジ色でE34の内装にフィットすると思ったんだけどなぁ・・・。仕方がないのでスイッチを分解してネオン球をオレンジ色のLEDに入れ替えることにする。
上部のオレンジ色のシーソー部品を外すと、写真6のようにネオン球が見える。
写真6 ネオン球これを写真7のようなLEDと抵抗を接続したものに入れ替える。
写真7 LEDと電球そして、元に戻すと入れ替え完了である。結構細かい作業だ。このスイッチはダッシュボードのどこかに取り付ける予定なので、写真8のように2Pのコネクタを付けておく。
写真8 LEDに入れ替えたスイッチLEDを点灯させると、写真9のようにスイッチ上部が光るのがわかるだろう。う〜ん、DDって器用かも(自己陶酔モード)。
写真9 光るスイッチでも、なんかE34内装のイメージと違うなぁ・・・。でも、まぁ、いいか!?(笑)
最後に、PICにプログラムを焼き込んで図3のドアミラー格納制御回路を製作すればよい。写真10に製作したドアミラー格納制御回路を示す。
写真10 製作したドアミラー格納制御回路これを写真11のように黒いプラスチックの箱に入れれば完成である。
写真11 完成したドアミラー格納制御回路以上のように書くと簡単にドアミラー制御回路を設計・製作したように見えるが、実際はかなり苦戦した。ハァハァ・・・。
これで、残るは車体へドアミラーとその制御回路をDD号の車体に取り付けるだけである。車体への取り付けは、「ドアミラーの電動ガルウィング化 その5 − 車体への取り付け」に続く。
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