2005年6月27日(月) 2005年6月28日(火) 追記
エアコンガス補充 − 貧乏若造さんより
medama1goさんのエアコンレトロフィットレポートに続いて、貧乏若造さんからもエアコンガス補充のレポートをいただいたので紹介しよう。
皆様お世話になっております。
いやぁ〜、暑くなってまいりましたね〜。ほんと暑くてまいっちゃいます。
我がE34君は去年からエアコン愚図りがちでして、直さなければいけないなぁと思いつつもレトロフィットに対するコスト面の悪さに気が乗りませんでした。
(R-12に対して代替フロンR-134aが現在用いられていますがこれもあと数年で完全規制される模様)そんな完全規制されるものに数十万なんて払えませんのでガス補充で乗り切る作戦を取ったのですが・・・
さて、事の経緯ですが、まず去年からエアコンが効かなくなりガスが足りないと判っていたのでスーパーオートバックスにてガス交換・オイル補充をお願いしたのですが・・・
「これ、コンプレッサー回らないんで入らないです。他に原因があるんではないでしょうか?」
はぁ?、どういうことでしょう?
あんまり突っ込んでもしょうがないので今度はイエローハットに持ち込んでみるとやはり「コンプレッサー回りませんね〜。色々やってみたんですが・・・」
んん? あ、そうなの? じゃ、こんどはオートウェーブに・・
「これコンプレッサー回らないんでうちじゃ多分無理ですね・・・」
んおいっ!!どういうことやねん!! ガスが足らなくてコンプ回らないのに、回らないから入らないって、当たり前やんけ!! もっとしっかり見たらんかい!! (おっといけないいけない)
ん?それともやっぱり他に原因が?しょうがない、電装屋に行くか・・・
「ああ〜、こんなもんガス足んないだけだよ〜(徐にゲージを繋ぎ有無を言う暇も無く一缶接続・・) 」
「カチッ!!」
うお!! コンプ回っとる!! うおおおオートバックス一万円返せ!!(おっといかんいかん)
「どうする〜、これだったらもうちょっと入れないと冷えないよ〜。でもR-12高いよ〜?」
「幾らですか?」
「ん〜400缶が4,000円。んでこれ4,000g入るから全部入れたら40,000円だね」
うほっ!! 目ん玉飛びでまんがな!!
また漏れるかもしれないのにそんなに金掛けられませんので「んじゃ、半分だけお願いします。」
と20,000円分入れ、去年の夏は快適に過ごすことが出来ました。
さて、今年は・・・
んんん〜・・・ やはりコンプ入らない・・・・ またガスに20,000円なんて絶対無理!!とネットで色々調べると・・・「HC冷媒」なる物を発見。しかもR-12と混合可能。今までのシステムのままOK。地球に優しいので大気開放OKとの事。更に更にHC冷媒はR-12やR134aに比べ粒子量(でいいのかな?)が大きいらしく、漏れの進行を遅らせる可能性もあるらしい!!
し・か・も、
R-12に比べ凄く安い!! 一缶1,000円だったので5缶購入(ヤフオクにて)さ、あとは注入する為のゲージを購入しましょうねっと・・・
「・・・・18,000円・・ 高い・・・」
んお〜!! 針無いと状況わかんないじゃん゚・(´Д⊂ヽ・゚・
ん〜もういいや!! ホースだけで行く!! 壊れてもいい!! とやはりヤフオクで数千円で購入。
さて、やっと本題です(笑)
以下に記す方法は私の独自のやり方ですので、失敗する可能性もあります。参考程度にお願いします。
(本来は漏れ部分の修理をし、真空引き・漏れ確認をし、コンプレッサーオイルを入れた後針付ゲージを用いて数字を見ながら規定量まで注入します)まず、エアコンガスは「低圧」側から注入します。そこへホースを繋ぎますが、そのまま繋いでガス補充するとホース内の空気が入っていってしまいますのでホース内の空気をパージしながら
接続します。
写真1 エアコンガスパイプ。向かって左側(赤いキャップ)が高圧。右側(黄色、あるいは金色)が低圧。やり方としては、まずホースを、車に繋ぐのではなく缶に繋ぎ、缶をにあらかじめ付けたサービスバルブの栓をちょっと開くと少量「プシュッ」とホース先からガスが出ます。(ホースの車体側は虫ゴムが付いてますので逆流はしません)。これでホース内の空気パージはOK(?)です。
写真2 使用した注入ホースさて、私の車、4,000gもガスが入るのですが、普通の国産車の高級車でも1,000g位しか入りません。なぜ環境国であるドイツに本社を置くBMWがこんなに非環境的なシステムを用いたのか疑問です。
写真3 向かって左側フェンダーに張ってあるエアコンガス注入量ラベル今回、用いたHC冷媒ですが、どうやらいいところばかりではなくほんの少しですが悪い部分もあります。それは「可燃性」である事。しかしながら、ガソリンやオイルに比べ引火性は低いらしいので注入する時に注意する必要があるだけです。
それと、エアコンのガスの入れ方として缶を上向きに入れたほうが良いという業者さんと下向きで入れる業者さんがいます。本来、上向きで入れるのが理想なようですが、下向きで入れたほうが早いです。今回使用したガスは「下向き指定」になっていましたので下向きで入れます。
写真4 使用したガス。これが一番安かった(笑)さて要領を踏まえたところで注入しましょう。
まずホースの接続をして、エンジンを掛け、エアコンをオンにし、風量最大・温度最寒にすれば入り・・・
入らない・・・ orz
うおい・・ ガス買った意味なしですかい?・・・ これがオートバックスやらなんやらが行ってた事ですか・・・
ま、そんな事思ったところでホース一本しかなく真空引きも何も出来ませんので、エアコンスイッチを入れたり切ったり、エンジン掛けたり掛けなかったり、ガス缶外したり付けたりするとある変化が・・・
ガス缶を外し、よく振ると缶が冷えるんですが、車に付けた瞬間缶が暖かくなる!!
これで車とガス缶が接続できている事を確認し、その後も色々やっていると「カチッ!!」
うおおおおい!! やった! ヤッタヨ〜!! oh!! oooh〜始めて〜の〜・・・ (略) いかんいかん浮かれすぎた・・・ orz
コンプレッサーが入るまで色々やってみましたが、都合40分くらいは掛かりました。あきらめなくて良かった〜!!
ここまで来れば早いです。次の缶からは約数十秒でガスが注入できます。入ったか入っていないかを確認するには、振ってみたり。缶に耳を当てると液体が流れる音がします。音がしなく
なったら入りきっています。程なく5缶入れ終えたら、下のようなシールを車に張ります。
写真5 付属のシール要は「この車はどんなガスを入れたか」を示すシールで、これが無いとまたガスが足りなくなった時に何を入れていいか判らなくなっちゃいます。
ここに張れば判りやすいでしょう。
写真6 フェンダー部の注入量ラベルの上に張った所
はぁ、これで今年持てばいいなぁ・・・・でもコンプレッサーのクラッチのオン・オフが異様に早いナァ・・・。 これってコンプレッサーが死にかけの症状だったような・・・
ま、壊れたらまたその時にレポート出します(笑)
とりあえずエアコンは効くようになったようだが、根本的に解決できているのだろうか?(笑) HC触媒の実力(?)に期待しよう。
末尾ではあるが、いつも面白いレポートをいただいた貧乏若造さんに感謝する。
上記のレポートについて、2点追記することがある。
(1)エアコンガスの量
上記のレポートでは、エアコンガスの量が4,000gとなっているが、実際には、写真6にもあるように1,925g±25gである。
これに関し、適切なご指摘をいただいたmedama1goさんに感謝する。
(2)R12ガスの使用について
R12(CFC、フロンガス)は、ご存じのように大気中のオゾンと反応してオゾン層を破壊することが知られている。
そこで、国際的に協調してオゾン層保護対策を推進するため、1985年3月に「オゾン層の保護のためのウィーン条約」、1987年9月に「オゾン層を破壊する物質に関するモントリオール議定書」が採択され、日本では、これを受けて、1988年5月に「特定物質の規制等によるオゾン層の保護に関する法律」を制定し、オゾン層破壊物質の生産量などの削減を着実に実施するとともに、 機器からの漏洩防止対策等を促進している。
上記のカーエアコンの場合を考えると、以下の2つの戦略をとっている。
(A)カーエアコンメーカー等の関係業界においては、「排出抑制・使用合理化指針」に基づき、ホース・圧縮機のシールの材質及び構造の改良による低漏洩化対策や熱交換器の効率化等による冷媒充填量の削減等の措置を実施している。
(B)自動車関係業界においては、自動車整備業者等に対して冷媒補充時における全量交換の回避・不足量のみの補充の励行を指導する等機器のメンテナンス時の作業手順等に関するマニュアルを策定し、周知を図っている。
上記のレポートで、業者がR12を補充するのは、上記のうちの(B)「不足量のみの補充の励行」にあたると考えられるが、実際に漏れていることがわかっているエアコン機器にR12ガスを補充するのは、問題があろう。
貧乏若造さんは、HC触媒(HCF)を入れておられるが、これについても、オゾン層は破壊しないが、地球温暖化を促進させる温室効果ガスのものもあり、やはり大気中への放出は控えた方がよさそうだ。
エアコンにR12ガスを補充する場合は、エアコン関連機器からガスが漏れないように十分な対策を施してから、補充するようにしたいものである。
この件に関し、適切なご指摘をいただいたSweeperさんに感謝する。
ご質問はddkunnejp【@】gmail.comまで。