2005年4月16日(土)
バルブクリアランスの調整(タペット調整) − medama1goさんより
今回は、medama1goさんよりバルブクリアランスの調整(タペット調整)をレポートいただいたので紹介しよう。こんなんって、自分で調整できるの・・・?
毎度、91y535乗りのmedama1goでございます。
えー、前回はヘッドガスケットの交換をレポートさせて頂きました。今回はその続きと言う訳ではないのですが、バルブクリアランスの調整(タペット調整とも)をしましたので、簡単ながらレポートさせて頂きます。
今回、タペット調整しようと思ったのは、ヘッドガスケット交換時に高回転仕様を狙ってバルブクリアランスを詰め気味にしていたのですが、
・実際はほとんど2〜3000rpmの範囲でしか乗らない事、
・冷間時におけるアイドリングのばらつき(ハンチングと言うほどではない)が収まらない事、
・実用域でのトルクアップを狙い、燃費向上を目指すこと^^;
といった理由からでした。まずはボンネットを開けます。(あたりまえやんか!)
次にエアクリから、エアフロまでの吸気系を外します。
エアフロにはセンサーのコネクターがついていますので、ハーネスを折らないよう注意して外します。
次はプラグを含めた点火系を外します。プラグを外さないとクランクが回らなくて泣きます。ディスビキャップは付けたままで構いません。
8個の袋ナットと一本のボルト(全て10mm)を外して御開帳となります。
No.1シリンダーのカム山が、IN側EX側ともにブロック側へ向くようにクランクシャフトを右へ回します。(BTDC 0度(だと思ったけど^^;))
この時点で、IN側、No.1,3,5、EX側、No.2,4,6の6箇所のロッカーアームがフリーになっていたと思います。(いいかげんだなぁ^^;)
ここでシクネスゲージで現状のクリアランスを測定します。
前回組んだ時は、IN側EX側共に0.25mmに設定したつもりだったのですが、改めて測定してみると、IN側EX側共に0.20mmになっていました。(ほんといいかげん^^;)
調整の方法は、まずロッカーアームの先端部にある黒っぽい10mmのナットを緩めます。
この緩め具合が実はキモで、緩めすぎても固くても、調整時に難儀します。
次にロッカーアームの先端部に、挟まれるようにしてついている銀色の部品(アジャスター)に空いている穴へ3mm程度の棒を突っ込み、車両に対して左右へこじるようにして調整します。
この部品、円盤状のものが偏芯して取り付けてあり、それを回す事によってクリアランスを調整しています。私は6角レンチを使いましたが、何を使ってもよいと思います。
シクネスゲージを差込み、アジャスターを回してクリアランスを調整していくのですが、このときに先のボルトの緩め具合で、作業状況が大きく左右されます。
何せ微妙な感覚ですから、緩め具合が足りないと、アジャスターが一気に動きすぎて微調整が効きませんし、緩いとタルンタルンで全く節操の無い状態となり、これも苦労します。
希望のクリアランスに調整したら、先に緩めた10mmナットを締めて次のロッカーアームへ移ります。
で、先ほどの6箇所が終わったら、今度はクランクを回しNo.6シリンダーのカム山を下へ向けます。そうすると残りの6箇所が調整できると思いますので(私は出来ました。←いいかげん?)、同じように調整して終了です。
後は外したのと逆に組み上げて完了。
バラして組み上げるのは、慣れた人ならさほど時間は掛かりません。調整そのものも、感覚の鋭い人なら1時間もあれば余裕で終わると思います。
エンジンルームでカニさんを飼っているE34初期型のエンジン(M20(525シングルカム)、M30(535))は定期的にクリアランス調整が必要だそうです。
思ったより面倒な作業では有りませんし、失敗したからといってエンジンが壊れる類の作業でも有りません。強いて言えば、少々不調になるぐらい。ゞーー;)ぉぃぉぃ。 DIYでやってみようという方の参考に、少しでもなれば幸いです。
今回、IN側0.25mm(懲りんやっちゃな(-_-))、EX側0.30mmに設定してのインプレですが、0.20mmから0.30mm(EX側)という微妙な差ですが、はっきりと変化が出たのには、正直ビックリしました。
まず、車両が軽く感じます。特に加速時と定速での巡航時に、アクセルの踏み込み量が減ったのを感じます。
さらに、冷間時のアイドリングも均一で静かな(それなりにですが)排気音となり、振動も減ったように思います。
どうやら当面の目標は達成したようで、やれやれです。燃費については、後日機会があればレポートしたいと思います。
現在エアコンが効かないのと、どうやらクランクフロントシールからオイル漏れを起こしているようなので、次回の目標はこの辺りになりそうです。
参考までに、ベントレーマニュアルより、クリアランスの基準値を記載しておきます。
冷間時 温間時 525i(M20) 0.25mm 0.30mm 535i(M30) 0.30mm 0.35mm *クーラントの温度が80度以上の場合は温間時、それ以下は冷間時を参照。
バルブクリアランスの調整というと難しそうな作業のようだが、medama1goさんの丁寧なレポートを読んでみると、なんとなく自分でもできそうな気がする。でも、medama1goさんはヘッドガスケットを自分で交換しちゃう人だからなぁ・・・(笑)。
末尾ではあるが、今回も貴重なレポートをお送りいただいたmedama1goさんに感謝する。
ご質問はddkunnejp【@】gmail.comまで。