2005年4月7日(木)
デフオイル漏れ修理 − sam1号さんより
今回は、sam1号さんよりデフ(ディファレンシャルギアボックス)からのオイル漏れ修理のレポートをいただいたので紹介しよう。
<デフ、ATオイル洩れ発覚!!>
購入後1週間ほど乗ってからウォーターポンプ等の水回りをメンテしようと思い、ついでに下回りのチェックをしていたら、「ゲッ!デフからオイル洩れしてる・・・それもフランジからだぁ〜」、「ゲゲッ!! ATからもオイル洩れしてる・・・(-◇-;」
色々なHPでATに関してはあまり良い話をお聞きしていないので、ベッタリと艶(笑)が出ているオイルパン回りを見てしまった時は、目の前が真っ暗でした。
デフ
ATデフはドライブシャフトフランジ(サイドフランジと言う人もいます)、ATはシフトシャフトからのオイル洩れです。
<デフオイル洩れ修理>
近くで見るとこんな感じです。
右側フランジ
左側フランジ
【デフオイル抜き】 使用工具 14mmHEX
(かなりのトルクで絞まっているので、中途半端な代用品では厳しいかも・・・)私は所有していたHEXレンチソケットが偶然にも壊れていたので、その6角部分のみを使いました。オイルは、一度も交換したことが無いような感じで、かなり汚れています。
下の画像はドライブシャフトを取り外した状態です。
上側のシャーシにオイルが飛んでいるのが画像で見えますか・・・ねぇ?
【ドライブシャフトフランジ(サイドフランジ)取り外し】
ベントレーのマニュアル通り、大きなドライバー等を使ってテコのようにして外します。予想と反して、案外簡単に抜けました。
【オイルシール取り外し】
オイルシールを取り外す前に、圧入されている深さを測っておいた方が良いです。
ちなみに私のは4mmでした。
ベントレーでは、オイルシールプーラーか大きなドライバーで外す・・・と有りますが、もちろんドライバーで・・・と思いましたが、圧入部に傷を付けるな!とも書かれていましたので、持っていたタイヤレバーで外す事にしました。
なぜ、タイヤレバー?と言いますと、タイヤレバーは先端が丸い形状なので、もし失敗しても被害が少ないかなぁと・・・ポジティブ?に考えて(汗)
ただし、オイルシールの径が大きいので、コジル様にするとしてもデフキャリア(デフを支えているフレーム)が邪魔して上手くできない・・・単純に私が不器用なのでしょうか?・・ので、キャリアからデフを下ろす事にしました。
(実は下ろさなくても抜けるのではないかと後で思いました・・・後程・・・)デフ全体を下ろすには、プロペラシャフトも外さなければ・・・ 面倒なのでプロペラシャフトは、ジョイントが何とかしてくれるだろう・・という判断で、ここもポジティブ??な発想という事でキャリアと接続しているボルト3本のみ外す事にしました。この時はデフの下からジャッキ等で支えておく事をお忘れなく!
青丸で囲んだ3箇所です。
キャリアの下にオイルシールが覗く程度にデフを斜めにして、オイルシールの下側をドライバーとハンマーで叩いて変形させて(下図)、オイルシールの上側にタイヤレバーを挿入し、テコの原理で外します。かなり力が必要ですから怪我をしないように・・・。
上図のように、タイヤレバーやドライバーを入れる時は、先端をオイルシールの内側に当てるようにして、デフケース本体に当てないように気をつけてください。
テコの支点になる部分はデフケースですから、一応保護の為にガムテープを巻いてあります。上中央写真の赤丸の部分です。
実は、片側のオイルシールは変形させないで外したので、かなり力とスペースが必要でした。オイルシールを変形させる事と、途中で折れ曲がったツールが有ればキャリアから下ろす必要は無いのです。(と思います)
折れ曲がったツールというのは、例えば内装を剥がす為のツールとか・・・でも出来るのではないでしょうか?
こんな感じの物・・・
【組み立て】
シールKITを購入すると、Cリングも同梱されていますので、オイルシールを圧入する前にCリングを交換します。
外したオイルシールと新しいオイルシールを比較すると形状が異なっていました。おそらくダストリップを追加したのだと思います。
確かに、パーツリストの絵を見ると、サイドフランジに一つ部品が増えていましたから、それがダストリップのハウジングになるのかな?と思います。(たぶん・・・)
新しいシールを圧入します。全体にオイルを浸しておく事を忘れないでください。
圧入にはオイルシールの外径に合わせたパイプを用意しました。また、深く圧入してしまわないように、ストッパーとして段差も設けてあります。(オイルシールを外す前に深さを測っておかないと判らなくなってしまいます)
オイルシールは、ゴムの中に金属冠が入っていますので、圧入する際は外径に近いサイズで圧さないと金属冠が変形してしまって、オイル洩れを起こしてしまいます。
後は、外した逆の手順で組み立てて、最後にオイルを入れます。
黄色い丸のところから入れます。
オイルはかなり固いので、市販されている大きな注射器(空気入れ?)みたいなツールを使うと簡単なのでしょうが、持っていないのでホームセンターで購入したオイル差しの先端を取り外し、耐油ホースの太い物を差し込み(穴は開けなければなりませんが)それで注油しました。たった1.7Lですが・・・固いオイルは入れるのが大変で・・・。
オイルを入れる穴のプラグですが、締め付けトルクが高いのと、キャリアとのスペースが狭いので、極端に長いHEXレンチでは入りません。
HEXレンチソケットを用いた場合は、ラチェットを装着すると入らないのでは?と思います。HEXレンチを挿入する時に、余った6角部分にメガネレンチを掛けて回した方が良いかもしれません。
今回活躍した工具です。
左から、Cリングを外す道具、真中はホームセンターで売っていた結構便利なツールSET(長持ちしそうにありませんが・・) 右側はオイルシールを圧入したパイプです。
交換後、500kmほど走行しましたが、オイル洩れは有りませんでしたから、めでたしめでたし・・という感じです。(駐車場のオイル染みも気にしなくて良くなりました(笑))
【部品費用】
デフシャフトオイルシール 2,140円×2 (33 10 7 505 602) ガスケットリング 40円×2 (07 11 9 963 355) 給排油口ボルトのガスケット) OIL(75W−140) 3,360円×2L
デフのオイル漏れ修理はちょっと面倒そうだ。DDは万一見つけても、見なかったことにしておこう(笑)。
末尾ではあるが、今回、面白いレポートをお送りいただいたsam1号さんに感謝する。
ご質問はddkunnejp【@】gmail.comまで。