2005年1月13日(木) 2005年1月18日(火) 追記
E30 M3の距離計修理 −yamakawaさんより
以前に「E30 M3へのマルチメーターの取り付け − yamakawaさんより」で、yamakawaさんがE30 M3へマルチメーターを取り付けられたレポートを紹介した。yamakawaさんは、M3の距離計が故障しており、メーターの中古品も手に入れるのが難しいため、やむなくマルチメーターを取り付けられたようだ。
しかし、今回、yamakawaさんは執念(?)でE30 M3の距離計を修理されたようだ。この作業のレポートをいただいたので紹介しよう。
なお、レポートでは、修理作業の参考のために解体したN車のメーターについてもレポートされている。
最終的にM3の距離計は修理できました。
故障の原因ですが、ステップモーター駆動用の細いエナメル線が切れていました。コイルが基板に付いたままでは、テスターで断線の判断ができず、結局、コイルを基板から外してコイル側の端子にテスターあてて、線が切れていた事がわかりました。
写真1 M3のモーター配線
(左側の黄色い部品の上側の灰色の樹脂部分にコイルからの細いエナメル線が配線されてます。)灰色の部分にメーター本体からのソレノイドの細いエナメル線が3本接続されていますが、このうちの1本が切れてました(赤丸部分)。当然ですが、老眼鏡+虫眼鏡で確認できました。
修理は、適当なハーネスの銅線を1本切り出してエナメル被服を剥いて半田付けして完了です。作業は数分で完了しました。
あまりにも、くだらない結末でした。E34でもばらした事の無いメーターですが、E30の物は暗い室内灯の下でもバラシ・組み込みができるぐらいのものでした。
年代の違いもありますが、Me109と零式戦闘機の違いを垣間見た感じです。参考のため、勉強用に距離7万km走行の?年式プリメーラの中古メーターの写真を添付します。
写真2 N車メータパネル基板+ケース写真2で白いのがケースです。基板はM3と違い、紙のように薄いフィルム状のものです。M3のものは、通常(?)の分厚い基板と正面ケースと裏蓋の3つから構成されています。一方、N車は基板剥き出しです。
写真3 N車プリント基板+固定方法この薄い基板の固定方法ですが、メーターケースからピンにて位置決め、カプラーとか各部の電球を締める事で固定しているようです。
写真4 N車各メーターのS・モーター類N車の速度計、回転計、燃料、水温計の駆動用モーター?です。大きさは同じ位です。
写真5 N車 vs M3の大きさ比較上がM3の距離計駆動のS・モーター部です。下側がN車のものです。
写真6 M3距離計駆動ギア写真6は、M3のモーターの反対側に付いている距離計駆動ギアです。
写真7 N車S・モーター+駆動ギアN車の物は写真の白い小さなケースの中にすべてが収められてます。本当に小さいです。
こんな感じで、分解してみて当時の零式戦闘機を恐れた米軍が分解・解析しておどろいた心境にも近いです。単なる年代の違いでしょうけど、10年は違うかな??
まさか、今のBMWもこのような重量設計では無いですよね????
M3の物は、回転計、距離計、速度計含めて大きく、重量もあります。それに対して、N車の速度、距離、回転計は燃料計、水温計の大きさ程度のものでアクリル製の針を動かしてます。M3はコの字断面のアルミの板です。触るのが怖い位に弱いです。
いかがだろうか。さすがにE30 M3は時代を感じるメーターの作りである。N車のものと比べるとよくわかるだろう。
末尾ではあるが、今回も面白いレポートをいただいたyamakawaさんに感謝する。
yamakawaさんより、切れたコイルの線の拡大写真をお送りいただいたので掲載しよう。
ご質問はddkunnejp【@】gmail.comまで。