2004年2月21日(土)

負圧ホース交換 − BJさんより

今回はBJさんより、負圧ホースの交換作業の様子を詳しく教えていただいたので紹介しよう。前回の「アイドルバルブの掃除」の作業と同時にやってみたいところだ。

以下はBJさんからいただいたメールである。


今回のモデルは某W氏のM5の負圧ホースの交換ですが、ETK(DD注:電子化されたパーツリストのこと)のイラストにもあるようにM50エンジンなど、エンジン形式でホースーメントの形状・太さ、そして場所に違いがありますので、まずはインテークホース(エアーフローの後ろの太いパイプ)に繋がっているホース類を辿り、それらの交換を前提とし、さらにはアイドルバルブに繋がっているホース類の交換を行うというメンテナンスです。

基本的に負圧ホースと言う言葉はM5に用いられますが、もちろん共通用語にはオイルトラップホースやリターンホースなどと呼ばれ方はさまざまですので、まず、図1と図2にイラストを示します。

ちなみに写真1はM5用で左が純正ホース、右の黄色いのがシリコンホースです。


写真1

図1はM50エンジン用で、赤い部分がホースメントでその間の物がアイドルバルブになります。また図2はM5用で、これをご覧になられても色々な場所で高温に晒されるゴムホースがインテークサイドには多いことがお分かりになられると思います。せめてこれらのゴムホースの劣化前の交換メンテは自分でやられると、より機構も理解できますし、仮に不調になった時の特定が非常に容易になることと思います。


図1 M50


図2 M5

今回モデルになったエンジンです。某W氏のM5です。・・写真2


写真2

目視だけでも十分に劣化が分かります。・・表面でコレですので中はさぞ酷い事になっているはずです。(写真3)


写真3

取り外しは前回のアイドルバルブと同じです。写真4のようにヘッドライトカバー、エアクリーナーボックス、エアフロー、インテークパイプなどを順番に外して行きます。また、写真5のように、プラスチックが割れないよう丁寧にスロットルワイヤーを外します。


写真4


写真5

オイルトラップ(写真6)の固定ねじ(写真7)を外します。・・これはM50エンジンなどにもあります。


写真6


写真7

インテークカバー(エアコレクター)を外して行きます。(写真8)


写真8

いよいよアイドルバルブが出てきました。(写真9) 赤い矢印が負圧ホース類で、丸い枠内がアイドルバルブです。これらをどんどんと外して行きます。


写真9

どこのホースを外そうにも全て硬化・劣化が著しく、ことエンジンブロックに近いところは尚のことボロボロと崩れるように後も残りません。(写真10〜16)


写真10


写真11


写真12


写真13


写真14


写真15


写真16

もちろんアイドルバルブも掃除します。(写真17)


写真17

これらの外し工程が終わると、今度は新しいものと長さを合わせる部分は合わせて切り、また交換するものはホースごとの交換をし、組み込みを始めて行きます。

当然ではありますが、アイドリングの安定、吹け上がりが良くなり、と本来のエンジン性能に近づくのは言うまでもありません。

何か調子が悪いなと思ったときは、もちろんプラグなどの点火系も当然ではありますが、ぜひこれらのホースの亀裂や劣化も原因であることを知っておいて欲しいですし、ほんとうにアイドルバルブは汚れやすいので、年に一度くらいは掃除してあげて欲しいものです。


末尾ではあるが、いつも、メンテネタを写真入りでわかりやすく提供していただいているBJさんに感謝する。



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