2003年12月23日(祝)

電動ヘッドレストの修理 − ワイヤーが縮む?

DD号には運転席と助手席に電動シートがついているのだが、最近、運転席側の電動ヘッドレストが動かなくなった。上下させようとすると、「ウィーン」というモーターの音だけが聞こえる。

以前に、どこかのホームページで、「電動ヘッドレストが動かなくなったときは、比較的簡単に修理できる」というような書き込みを見た記憶があるので、早速、検索してみた。すると、やっぱりBMW@FUNの過去ログの中にあった。以下は、そのログの抜粋である。

[1874] 電動ヘッドレストについて :ファルコン [’95 E34-540i ] 2002/05/30(Thu) 16:26:57

先日の伊勢オフの際に、KAZE34さんのシートのリクライニングが壊れてしまい、火曜夜に緊急メンテオフを開催し、修理しました。

リクライニングは直ったのですが、それと引き換え(?)に、ヘッドレストが動かなくなってしまいました。
モーターおよびワイヤーは正常ですが、どうもワイヤーの先のスパイラルギアが外れているような感じなのです。

どなたかヘッドレストを修理された方いらっしゃいませんでしょうか。お知恵をお貸しください。<(__)>
ファルコン号も運転席が同様の症状です。

[1874へのレス] Re: 電動ヘッドレストについて :KUSHI ['93 E34-M5] 2002/05/31(Fri) 15:50:04

こんにちは、KUSHIです。
シートの裏蓋を外すと、右脇のモーターとヘッドレストの上下を駆動するギアボックスが見えるはずです。

確かT-20のトルクスで、ギアボックスがプレート固定されているので、ギアボックスを外して中のワイヤーを一度引き抜き、直径2mmほどの針金を(太めのクリーニングハンガーで代用ができます)
3〜4mm程度の長さに切断して、ワイヤースリーブに入れ、その後ワイヤーで押し込んで元通りに組み立てれば復帰すると思います。(ワイヤーの縮具合で調整してください)

原因の多くはワイヤー先端の四角の部分が、ギアの角穴に届かなくなったか(ワイヤーが縮むのか、スリーブが伸びるのか、どちらか判りませんが)だと思います。

ヘッドレストシャフトは、樹脂製のカプラーにはまっているだけなので、強く引き抜けばとれるはずです。

トライしてみてください。

やっぱりあった、あった! う〜ん。どうやら、良く読んでみると図1ようなことらしい。


図1 電動ヘッドレストが動かなくなる要因と対策

つまり、電動ヘッドレストを動かすモーターとギアボックスはワイヤーで繋がれており、モーターがワイヤーを回転させることで、その回転がギアボックスに伝わりヘッドレストを上下させるようだ。

そのワイヤーが経年変化で縮む(あるいは、ワイヤースリーブが伸びる)と、ワイヤーがどちらかに偏ったときに、モーター側あるいはギアボックス側が外れてしまい、回転が伝わらなくなるようだ。

そこで、ワイヤー縮んだ分だけ詰め物をして、ワイヤーが偏らないようにすればいいようだ。

原因がこれなら比較的簡単に修理できそうだ。いつもながら「先達はあらまほしきもの」である。

 

まずは、運転席の後ろのパネルを外す。パネルは上に持ち上げるようにしながら、下を手前に引けば外れるはずである。(下側左右がネジ止めになっているものもあるらしい)


写真1 運転席の後ろのパネル

すると、写真2のように右脇にヘッドレスト駆動用モーターが見える。


写真2 ヘッドレスト駆動用モーター

今回は、ギアボックス側ではなくモーター側を外してみることにした。写真3の赤矢印で示したところが、モーターの固定ボルトである。これもギアボックス側と同様にT-20のトルクスを使っている。写真右側のボルトは外しにくいが、緑色の矢印で示した穴からドライバーを突っ込めば、なんとか外れる。


写真3 ヘッドレスト駆動用モーターの固定ボルト

写真4に外したモーターとワイヤーを示す。


写真4 外したモーターとワイヤー

ワイヤーの端は、その断面が四角形になっている。少しわかりにくいかもしれないが、ワイヤーの端を写真5に示す。


写真5 ワイヤーの端

KUSHIさんのアイデアの通り、クリーニングのハンガーの端を数ミリ切って、詰め物にすることにした。


写真6 クリーニングハンガーの切断

ちなみに、クリーニングのハンガーはペンチで楽に切れるかと思ったが、意外と硬い。これを2つ作って、ワイヤーの両端に詰め込んだ。モーター側に詰めているところを写真7に示す。


写真7 モーター側に詰め物をしているところ

ギアボックス側に詰め物を入れる際には、ワイヤーを一旦引き抜いて、スリーブに詰め物を入れてワイヤーで押し込めばいい。

最後に、モーターを再度ボルトで固定し、シート後ろ側のパネルを取り付ければ修理完了である。写真を撮りながらでも、30分程で作業終了だ。

末尾ではあるが、貴重な情報を提供いただいたKUSHIさん(&ファルコン大魔王)、および、BMW@FUNを提供いただいているIZUMIさんに感謝する。

 


2003年12月23日(祝) 追記

このメンテナンス記録を公開したら、すぐに埼玉のTAKAさんから以下のようなメールをいただいた。

今回の修理の助言させて下さい。

ワイヤーの周りのスリーブ先端のアルミですが、ペンチ等でひねりながら外しスリーブだけ1cm程切断して(個体差が有るので始めは5mm位から)アルミの先端戻して下さい。

いきなり1cmは切らないで下さい。自分の場合1cmでOKでした。
こちらの方が後々トラブルも無く良いですよ。

参考までに

有用な情報と思い、掲載許可をお願いしたところ、快く承諾していただいたので、ここに掲載する。

確かに、スリーブの方を切った方が有効だ。なお、TAKAさんによると、この方法は座席のすべてのワイヤーに適用可能だそうだ。近いうちにDDもこの方法を試してみよう。

末尾ではあるが、有益な情報をいただいたTAKAさんに感謝する。



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