2001年11月3日(祝)

クルーズコントロール取り付け − その3

ここでは、クルーズコントロールの電気的配線の方法について説明する。車体側の配線とクルーズコントロールの配線は、アース(グランド)ラインを除いてすべてグローブボックスの奥で接続する。なお、アースラインは、本体の近くにあるボディアースポイントに接続する(茶色い線がボルトでボディに接続されているところ)。

以下では、

の順に説明する。なお、私の車は、95年式の右ハンドルである。年式が違ったり、ハンドルの位置が違う場合には、多少異なるかもしれない。


(1)グローブボックス奥の車側配線へのアクセス方法

まずは、グローブボックスを外す。グローブボックスは、写真1〜3のように、左右2本の紐と下側の2つのキャッチで固定されている。


写真1 グローブボックス右側の紐の固定位置


写真2 グローブボックス左側の紐の固定位置


写真3 グローブボックス下側のキャッチの位置(下から見たところ)

はじめに写真1、2の赤丸で示した左右の紐を外す。紐の先には金属のストッパーが付いているが、マイナスドライバーで少しつつくと外れる。そのストッパーを外すと紐が取れるようになる。次に、写真3に示した2つのキャッチのレバーを手前に引くと、グローブボックスが外れる。グローブボックスを外したところを写真4に示す。


写真4 グローブボックスを外したところ

そして、グローブボックスの上に付いているパネルを外す(写真5参照)。このパネルは3本のネジで留まっているが、それぞれのネジが違うので、あとで組み付ける際には注意が必要である。また、このパネルにはグローブボックスの照明と開閉のセンサースイッチの配線が付いているので、パネルを外す際にコネクタから外しておく。


写真5 グローブボックス上のパネル

その次は、助手席左足元のスピーカーパネルを外す。写真6に示す3つのプラスチックネジの頭をマイナスドライバーで90度回転させると外れるようになる。


写真6 スピーカーパネルとプラスチックネジの位置

スピーカーパネルを外したところを写真7に示す。なお、スピーカーの2つの端子に接続している配線は赤丸のところで外すことができる。端子の太さが違うので取り付けの際に迷うことはないであろう。


写真7 スピーカーパネルとスピーカー端子

次に、写真8の赤線で示す助手席右足元のパネルを外す。これは、写真8の緑丸で示したネジだけで固定されているので、これを取れば外れる。


写真8 助手席右足元のパネル

その後、グローブボックスのキャッチを固定している金属のブラケットを外す。これは、写真9のように上部の3本のネジと、下の3本のボルトで固定されているので、これらを外すとブラケットも外れる。このあたりの作業を行うには、なかなか厳しい体勢が必要になる。普段、運動をしていない私は、次の日に筋肉痛になった(苦笑)。


写真9 グローブボックスのキャッチを固定しているブラケット

そうすると、ようやくグローブボックス奥のカーペットの裏にアクセスすることができるようになる(ふぅ・・・汗)。


(2)車内にクルーズコントロールの配線を引き込む方法

クルーズコントロールの配線は、グローブボックス奥にあるメクラ蓋から車内に引き込む(写真10参照)。このメクラ蓋は、エンジンルーム側(車外側)にはずれるようになっている。なお、これはカーペットをめくった奥のほうにあるので、探すのが少し難しいかもしれない。無理矢理カーペットを手前に引っ張ると、奥の方に見えるはずである。


写真10 グローブボックスの奥にあるメクラ蓋

クルーズコントロールの配線をこのメクラ蓋の穴から車内に引き込む。エンジンルーム側の穴の位置には手が届かないので、これが結構難しい。

ここでクルーズコントロールの配線について少し説明しておく。配線は基本的に図1のようになっており、車内へ配線しやすいように途中で4極のコネクタ2つで分離されている。


図1 クルーズコントロールの配線の概略図

メクラ蓋の穴から車内へ配線を通すためには、まずクルーズコントロール本体側の1と2のコネクタを配線から外しておく。コネクタから配線を外すには、精密ドライバー(いわゆるメガネドライバー)の一番小さいマイナスドライバーで端子の根元を1本ずつ突っつくと1本ずつ外れるようになる。コネクタを外したところを写真11に示す。


写真11 配線のコネクタを外したところ

そして、メクラ蓋をエンジンルーム側に外し、車内側からメクラ蓋の穴を通してエンジンルーム側へ紐を通す。私はビニール紐の先端をビニールテープで補強したものを使った。そして、エンジンルームに出てきた紐の先端に、写真12のようにコネクタを外した配線をビニールテープで固定する。


写真12 ビニール紐の先端に固定した配線

車内側からビニール紐を引っ張ると、配線がうまく車内側に引き込まれるはずである。このように書くと非常に簡単なように思えるかもしれないが、メクラ蓋の位置が車内側からでも手が届きにくく、エンジンルーム側からは全く手が届かない位置にあるので、うまく車内へ引き込むのは難しい。もちろん、このメクラ蓋以外のところから車内に引き込んでもいい。


(3)配線の接続方法

上記のようにして車内に引き込んだ配線を操作ハンドルや車体側の配線に接続する。ここからが少しややこしいところである。まず、図2に配線接続の詳細図を示す。


図2 配線接続の詳細図

図中の黒色で示した線は、クルーズコントロールに元来ついている配線であり、赤色で示した線は私が変更した配線である。また青色の文字は車体側の配線である。なお、配線をする前には、必ずバッテリーのマイナス側を外しておかなければならない。バッテリーは後部座席の下にある。これをしておかないと、誤配線でショートし、最悪の場合には火災にもなりかねない。くどいようだが、電気的な配線をする場合には、必ずバッテリーのマイナス側を外さなくてはならない。

まず、車内へ引き込むために外したコネクタ端子を元のコネクタに戻す。ただし、図2に示すように、青、紫、灰のコネクタ端子は直接車体側の配線へ接続するため、コネクタには戻さなくていい。

はじめに、クルーズコントロールの紫の電線(ブレーキ線)を車体側の赤/青の電線に接続する。接続には、キット付属の割り込みコネクタを用いる。写真13のように、左側に4本の電線を束ねたものがあるので、この束をほどく。すると、赤/青の線が出てくるはずである。ここに割り込みコネクタでクルーズコントロールの紫の電線を接続する。


写真13 車体(赤/青)への接続

つぎに、茶色の線に接続されているヒューズを、割り込みコネクタを使って図2のような位置に移設するとともに、操作ハンドルへの赤の線をヒューズに接続する(これも割り込みコネクタを使う)。そして、ヒューズの反対側の線を車体の紫/黄に接続する。車体の紫/黄の線は前述の4本の電線が束ねてあるものの中にある(写真14参照)。


写真14 車体(紫/黄)への配線

そして、次は、クルーズコントロールの青色の電線(エンジン回転数)を車体側の黒い電線に接続する(写真15参照)。車体側の黒い電線は、車体側にいくつか並んでいるコネクタのうちの右端の白いコネクタから出ている。


写真15 車体(黒)への配線

最後に、クルーズコントロールの灰色の電線(スピードセンサー)を車体側の黒/白の電線に接続する(写真16)。これは、上の方にある電線の束で、ツイスト線(2本のより線)がある束のなかにある。この束はおそらくカーステレオへ接続されている電線の束であろう。


写真16 車体(黒/白)への配線

以上のように配線すると、写真17のようになるはずである。


写真17 車体への配線

これで、配線のややこしいところは完了である。残りの配線は、操作ハンドルへのコネクタ接続だけである。ここまでくれば、もう難しい作業は残っていない。後は楽勝である。

「クルーズコントロール取り付け − その4」では操作ハンドルの取り付け方法について報告する。



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