2021年11月6日(土)
エンジンマウントの交換 − medama1goさんより
またまた、E34乗りのmedama1goさんより、メンテレポートをいただいた。今回はエンジンマウントの交換だ。
E34秋の気配深まる昨今、いかがお過ごしでしょうか? medama1goです。特に問題があった訳ではないのですが、予てより気になっていたメンテナンスを実施してみました。
内容は、「エンジンマウント交換」
例によって、自宅駐車場ですので、特殊工具は一切なしです。必要な工具は、どこのご家庭にもある、
フロアジャッキ 馬一式 17mm、10mmのソケットレンチ 800mm程度のエクステンションバー(2分割でも3分割でも可。) ラチェットハンドル、ブレーカーバー トルクレンチ以上です。
エンジンのアンダーカバーがついていない車両は10mmソケットは不要です。とは言っても、ブツがない事には始まりませんね。今回用意したのはこちら。
LEMFORDER製のエンジンマウント。いつものPelican Partsで一個$62.75でした。ちなみに純正OEMはCORTECO製だそうで、こちらは$65.75。BMW純正は製廃とのことだそうです。
エンジンルームを横から眺めてみると、こんな感じ、
これを下からジャッキアップして、マウントとサブフレームの間に隙間を作り、交換するイメージを頭の中に作ります。ほら、邪魔になるものが見えてきましたね?そう、上げた時にラジエーターに当たりそうな冷却ファンを外しましょう。
エアクリーナーボックスもフェンダー側に固定されているので、これも配管が邪魔しそうですね、外しましょう。
早速見えてきましたよ、今回のお目当てのエンジンマウントと固定ナット。こちらは右側(排気側)。
こちらは左側(吸気側)
どちらも17mmのナットで、ほぼサブフレームの高さにありますので、エクステンションを使って延長して外しましょう。
あ、先端にはユニバーサルジョイントがあった方がよりベターです。ウチは以前にオイルパンガスケットを交換しているので、簡単に緩みましたが、固着している場合はブレーカーバーなど適切な工具で緩めてください。
固着が取れてナットが緩んだら、車両をジャッキアップします。後で大変なことになるので、なるべく最小限のジャッキアップで済ませましょう。
アンダーカバーが邪魔になるので外しましょう。サブフレームの上にこんな風にエンジンマウントが載っているのが見えるかと思います。
今度は下へもぐって、サブフレームにマウントを固定しているナットを外します。これも17mm。
サブフレームの袋状になっている中に固定してありますので、分かりにくいかもしれませんが、よく見ればすぐにわかると思います。
ナットが外れたら、緩めておいたマウント上側のナットも取り外し、エンジンをジャッキアップします。
エンジンクレーンがある状況ならば問題はないのですが、そんなものは無いので下から持ち上げる方向です(笑
ジャッキを掛けるのはオイルパンになるので、なるべく負荷が分散するよう、あと平面部のみに荷重をかけるのは避けたいので、それなりの大きさの角材を噛ませます。5cmも持ち上げてやれば、このようにマウントとエンジンを切り離すことができます。
横から見るとこう。勘の良い方ならお分かりかと思いますが、この方法でエンジンを保持する方法が見いだせれば、オイルパンのガスケットを交換することができます。まぁ、以前にやったんですけど、大変でした(苦笑
作業前には見えていなかったディストリビューターが見えていますね。
外れたマウントと新品の比較画像。
認められるのと高さがつぶれている以外は、さほど壊れている様子は認められませんでした。液封マウントかもって話もありましたが、この時代はまだソリッドなラバーマウントのようです。
新しいマウントを入れて、マウントのネジがエンジンのサポートの穴にきちんと入るか確認しながらエンジンを降ろします。降りたところを横から見るとこんな感じ。
最初の画像と何が違うのかわかりません(爆
すべてのボルトが入るべき所へ入ったら、外したナットを取り付けていきます。
17mmのソケットで外したナットが取り付けるときは19mmなんてことも無く、同じく17mmのソケットで取り付け。締め付けは裏も表も45Nm。あとは外した部品を元通り戻して完了です。
M30はもちろんの事、同じ直6エンジンのM20、M50も同じ要領でできると思います。ただし、V8のM60エンジンは運転席側のマウントの取り外しが「E34メンテ中で最悪の作業」に取り上げられるほど難しい(面倒くさい)そうですので、直6搭載車でもRHD車両は大変かもしれません。
今回は「ついで」作業でエンジンフードダンパーも交換。
以前に社外品のSTABILUS製の物に交換したのですが、さすがに5年も経つと動作に微妙なところが出てきたので、交換です。
今回もSTABILUS製ですが、製造国がメキシコからルーマニアになっていました。ロットで違うのかもしれませんね。
交換後はお約束のこの写真。
こんな角度でも保持できます(苦笑)。フードダンパーは1本$14。送料込みで2諭吉ちょい、作業時間90分のお手軽メンテでした。
え? 効果? 直6ってことで、もともと振動が少ないんでしょうね。劇的に変わるってことはありませんでした。ただ、細かい振動の伝わり方とか、そういったところでの上質感は向上したように感じます。そういう意味では4気筒の方が効果が判りやすいので、満足感がありました。が、まぁ満足してないか?って言われたら、満足しているって答えるでしょうね。(笑
こうやってレポートを見ると簡単そうに見えるのだが、意外と作業も少なくない。E63 N52(直6)エンジンのDD2号は、以前にオイルパンのガスケットを交換したときにメンバーを下げたのだが、エンジンマウントの交換ぐらいならエンジンを少し持ち上げればいいのかもしれない。末尾ではあるが、いつも有用なレポートをいただくmedama1goさんに感謝する。
2021年11月12日(金)
追記
先日のエンジンマウントの件です。記事中ではソリッドと書いたのですが、心の中にモヤモヤがあったので、本日外した古いマウントを切ってみました。結果、中からオイルが出てきました(笑。
旧き言い伝えは真であった(by大ババ様
いや、冗談はさておき、液封で合ってました。ウチのマウントがそこまで劣化していなかっただけで、M30エンジンのマウントは極限まで劣化すると中からオイルが出てくるという事が確認できました。
ここに謹んでお詫びと訂正をいたしますm(__)m。
ご質問はddkunnejp【@】gmail.comまで。