2010年2月7日(日)
E38 サンキュースイッチの設置 − アンピンさんより
今回は、E38にお乗りのアンピンさんより、サンキュースイッチの設置のレポートをいただいたので紹介しよう。基本的には、E39も同じだろう。
【ご挨拶】
DDさんのサイトはもう6-7年お世話になっています。いつも参考にさせてもらっているので、いつか投稿して恩返しできれば、と考えていました。しかし、大概のことは既に掲載されており、出番はないかな?とも思っていました。
今回、サンキュースイッチの設置ということをしましたが、意外なことにこれまで掲載・投稿されていません。あまりに簡単なので、載せる意味がない、かもしれませんが、私の唯一の投稿機会だと考え、思い切って最初で最後の投稿をしてみました(もう1度言います、最初で最後です)。また、読めばわかりますが、蛇足部分もあります、本編は結構短いかも、、、それでは!
【なぜサンキュースイッチなの?】
いつのころからでしょうか、ハザードをお礼の合図に使うようになったのは。これは日本だけの習慣なのでしょうか? というのも、BMWのハザードがサンキュー操作するには使い辛いです。
最近の国産車は運転中の視野内にあるようですが、私の99年E38はセンターコンソールのシフトレバーより後ろ側にあります。(丁度腰横の少し前くらい。E39も同じようです)
(モニタに はさみが刺さっているのは気にしないでください 別件 養生作業中です)
合流で入れてもらう時、入る為にハンドルを切りながら、視点を一旦ハザード(車内下側)へ移す必要があります。これって、結構煩わしいですし、ハンドル切りながら、視点を車内に向けるのは危険です。皆さんのハザードはどこに付いているのでしょうか?
そこで、サンキュースイッチを運転の視野内に設置することにしました。ただ、単に外付けのスイッチを付けるのは、見てくれも悪いですしこの不況下経費節減の為、新たなスイッチを購入することもできません。そこで、今付いているスイッチを流用することにしました。
ふと見ると、以前より気になっていた、良いスイッチが目の前に!
更にスイッチの上には親切にもLED表示が、、、これって一体何のスイッチでしょう? マニュアルにも載っていません。 【・_・?】 何かのオプションだったような気が、、、。
わかりません。 思い出せません。 う〜ん。
そこで、ドイツの連邦情報局(BND)を使ってBMW本社を調べさせたところ、これは、「自爆スイッチ」であるということがわかりました。 (〇o〇;))))!!
しか〜し、普段から娘に おやじギャグを言って自爆していますので、私にはそんなスイッチ無くてもチャント行(逝)けます。V(^0^)
そこで、このスイッチをサンキュースイッチとして使うことにしました。(実際はオプションである自動車電話の入り切りスイッチで、3つのLEDは電波の状態表示灯です。by BND)
【パネル外し】
そうと決まれば、スグ作業です。 と、その前に、電装系を触るときは必ずバッテリーのマイナス端子を外しておきましょう!
グローブBOXを開けて、上を見ると3本のネジ(十字)があるのでそれを外して、グローブボックスの天井部分を下げます。
下げた天井に手を入れて、写真のプラスティックナット?を手で回して外します。4個付いています。これを取ると、簡単に前のレザー状の物が外れます。(写真が外れた状況です)
更に同じことをして、その上の木のパネルも外します。(こちらも4個)
こんな感じで付いています。
【モニター外し】
左右の木のパネルが外れれば、モニタ正面の木目カバーパネルを付けているネジが見えますので外します。
反対側(運転席前)のパネルは助手席と違って留めてあるだけなので手でエイ!とやれば外れて、同じくネジが見えます。木目カバーパネルのネジは全部で3本あります。(黄色矢印のところ)
木目カバーパネルが外れたら、今度はモニタ一本体を枠から外します。正面から見えるところに4本のネジがあります。(黄色マーク)
これで引き出せます。
裏にコネクタが2つ(青、白)ありますので、外します。(いつものロック機構が付いているコネクタです)
サクサク サクサク と快調に飛ばしていきます。
【モニタユニット分解】
ここから自宅での作業です。
正面から3本のネジ(トルクスT9)を外します。
引き出すと、パネルの右半分はカセットの機構部分が大半でした。このモニタユニットは液晶+カセット+操作部だけでできています。ここにOBCの本体があると以前は思っていましたが、ここは単なるヒューマンインターフェスのみです。
操作パネルを外して 驚愕の事実が・・・・・ 基盤スイッチ!!!!!Σ( ̄ロ ̄lll) ガビーン シングルメカスイッチじゃないの???
基盤から分離させないといけない、、、それに5V駆動用、そこまでしてこのスイッチを流用する? 困った!!!。 ・°°・(>_<)・°°・。 ウエーン
レポート 終了!!?
しか〜し、ここで、一念発起!
【再スタート】
ここからが本番でした。
他に使っていないスイッチは??? と見回しましたがもうありません。それなら、と 一番操作し易いところは?と考えてみました。結論は やはり、ハンドル周りがベストですね。
そのハンドル周りで不要な(流用可能な)スイッチを検討すると、、、、アリマスタ!!!
OBC(オンボードコンピュータ)の表示切替スイッチです。OBCの表示切替なんて、前回一体いつやったでしょう。大体表示もドット欠けしていて(それはそれで問題です!)、切り替えても意味なしです。流用決定!
このウィンカースイッチの先にある「→BC」という部分です。 クリック感も 申し分ありません。(音感も「カチ」と言ってよくわかります)
ここならハンドルから手を離すことなく、また見なくても操作できます。(最初からここにすべきでした!)
ただ、このスイッチ どこへどうなってつながっているのでしょうか? OBCの表示切替なのでOBC(コンピュータ)に直結していそうでチョット心配です。調べてみると、、、
- 「BCリモートスイッチ」 というらしいです。(信号名もBCリモートコントロール信号)
- このスイッチONでマイナスに落ち、ワンショット(たぶん立下り)ごとにOBCの表示切替
- ハザードも同じくONでマイナスに落ち、そのワンショットでハザード開始し、再度ワンショットでハザード終了。
- まったく同じ動きなので、OBCからの配線を切断してハザードにこのスイッチを結合させます。
- OBC表示はグランドに落とすだけなので、スイッチを1つ入れて、グランドへ ただし、常設の必要はないので都度接続とします。(というか無くても良いので未製作です 汗) この辺は後ほど。
これらを回路にしたのが、以下の図です。
新設は線3本だけです。 (メーター周り)
まずはメーターを外します。 E38はメーター上のトルクス2本を外すだけです。 E39の場合は過去の投稿にいくつもあるのでそちらを参照ください。
裏のコネクタが3つ(黒、白、青)ありますが、26ピンコネクタ(青)の5番ピンがBCリモート信号です。 ここに入る線「黄/赤」を切断します。
切断する前に アースとこの5番ピンに当たって、BCスイッチを入れてみましょう。 もし、導通しない場合、端子番号が違いますので作業は中止しましょう。
【OBC表示切替部】
メーターへ入る方(コネクタ側)に40cmほどの線を接続します。(その先にコネクタを付けますが、 下に通してからにします)
更にマイナスに落とすところを探します。(グランドなのでどこでも良いですが、なるべく同じ回路系の方が良いので近くを探します。同じコネクタ内にはグランドがありません) 隣の18ピン白コネクタの9番がグランド(茶/黒)でしたのでそこへ、カプラーを使って割り込ませます。
上記2本の線をいっしょに 運転席右下のトレイへ通します。 その先に写真の2Pコネクタを取り付けます。
というのは スイッチを常時付けておく必要がないため、スイッチ付のコネクタを別途製作して必要な時のみ接続して操作と考えました。 (スイッチを固定取付するのは見てくれがよくないので、極力付けない方向にしたいため)配線が完了しました。(@)
本来は Aのコネクタに配線をして、その右のオルタネートスイッチにつないで必要な時につないで、OBC表示の切替をします。
しか〜し、それではスイッチがもったいないですね。 単に@に見えてる2端子を短絡すればよいだけです。(1回の短絡=1回表示切替)
そこで登場するのがBのSSTです。これさえあればスイッチは不要です。 運転中はできませんが、これさえあれば暇な時に簡単に切替ができます。
「DDさんオリジナルSSTピンセット」のコピー物ではありません。 本場ドイツに発注した高価な短絡専用SSTです。これでオイルリセットもしています。 単にクリップを曲げただけの中国製とは違います!
あれ?? スイッチ買えないんじゃなかった? なんて突っ込みはダメですよ。 そんな細かいところを突っ込む人は、DDさんのサイトを読んではいけません!(冗)
Aのコネクタを付けて、更に上からビニールテープを付けてゴミ除けして運転席右下のトレイに収めておきます。 OBCの切替側はこれで終わりです。 (おや? スイッチが付いている赤青の別コードが、、、? 本当の自爆スイッチか?)
【ハザード部】
ハザードスイッチを取り出すには、3段階必要です。
第一段階はシフトレバー周りの布?カバーを外します。 これはプラスチックの枠がはまっているだけなのでカパっと外します。
第二段階ははその周りの黒いパネル(シフト位置表示付)を手を入れて裏から押して外します。 少し固いです。割らないように!
第三段階で第二段階で外した穴からまた、手を入れて、ハザードスイッチを後ろから押します。 シフト表示用の線が黒いパネルにつながっているので、手が入り辛いので、私はコネクタを抜きました。(写真の赤いコネクタがそれです)
さて次にメーターのところからハザードまで線を新設します。 写真のピンクの「↓」〜「↑」まで青い線を通しました。 黄色のところを線が通っています。 内装を少し外す必要があります。
今回、私は最短経路でいけましたが、この辺の配線通しは自車でいろいろ工夫して最適な経路を知っておくと便利です。何がなんでも最短を考えるよりも、手の入り易さや、通す時に見え易いところを選びましょう。
線が通れば、ハザードの線にタップを使って接続します。 ハザードスイッチの2番(茶/青線)に接続します。
このあと、メーターのところで切断したBCスイッチからの線(黄/赤線)と、青線をつなげば終わりです。 動作テストをしてから、全てを元に戻しておしまいです。
使ってみて、やっぱり操作がしやすいです。 今は積極的にお礼ばかりしています。車降りたらお礼なんて、ほとんどしないのに、、。
回路を見たらわかるように、ハザードスイッチもサンキュースイッチも ライトモジュールにどちらかでマイナスパルスを入れているだけです。 なので、ハザードスイッチで入れて、サンキュースイッチで切るのもまったく問題なくできます。 (よく、改造して同時にスイッチ入れたら問題が起きるケースもあるので念のため)
【お詫び】
前半のモニタ横のスイッチ部については、割愛してもよかったのですが、同じことを考えている(不要スイッチを流用しよう)方の為に敢えて記載しました。決して、モニタバラシまでやって何もないのがイヤだから載せたのではありません。 (このあと、DDさんの事例を参考にエアコン吸込口の掃除と、カップホルダー修理をしました)
基盤スイッチでも流用できる方法があれば、我と思う人はDIY事例をDDさんに送って欲しいです。(素人でもできる内容でお願いしますね)
【今回作業の注意点】
メーター周りの線(コネクタ)を触ります。このコネクタにはI/Kバスラインなど車の心臓部とも言えるラインが来ています。
万一、接続場所などを間違えてしまった場合、どのような状態になるかわかりません。バスのチップを損傷すると大事(おおごと)です。そのため、今回苦労したのは、接続場所の特定・確認でした。
実は同じE38でも年式によって、つながっているコネクタ端子が違っていたりするところがあり、WDS(回路図)上での確認だけでなく、実車で確認をしました。 回路図に接続を載せましたが、自身の車での端子番号の確認ができる方のみ作業をしてください。
【最後に】
このレポート掲載を快諾いただいたDD様にお礼をして筆を置かせていただきます。 (ハザードでお礼ができなく残念です)
チカチカ (oOO (||||)(||||) OOo) チカチカ
この方法はE38だけでなく、E39にも適用可能だろう。また、E34のOBC装着車にもウィンカーレバーにBCスイッチがある。これもONでグラウンドに落ちる仕様なので、同じようにハザードスイッチに接続すれば、サンキュースイッチとして使うことができそうだ。
末尾ではあるが、面白いレポートをいただいたアンピンさんに感謝する。「最初で最後の投稿」と言わず、これからもレポート投稿をお願いしたいところだ。
ご質問はddkunnejp【@】gmail.comまで。