2009年6月15日(月)
オイルパンドレインボルトのネジ山修正 − R100RSさんより
今回はR100RSさんより、オイルパンのドレインボルトのネジ山修正レポートをいただいたので紹介しよう。E34のオイルパンはアルミ製なので、ドレインボルトを強く締めすぎると簡単にネジ山がつぶれてしまう。そんなときに有用なレポートだ。
E34のオイル交換でドレインボルトのオイルパン側のネジ山を駄目にして、オイルパンを交換された方もいらっしゃるようですね。私も前回ディーラーでオイル交換をした際に、ドレインボルトのネジ山があまくなって、とりあえず応急処置でしのいでおりました。
ディーラーではオイルパンの交換を勧められましたが、 自分でヘリサートタップを挿入する事にして、今回オイル交換の時にネジ山を修正しましたので、その作業内容をご報告します。
通常は機械部品等でアルミにネジをたてる場合は、ヘリサートというコイル状のネジを挿入するのが一般的です。今回はその道具を使って修正する事にしました。
【使用工具】
下の写真が使用した工具です。
- ヘリサータップ(インサートタップ、スプリュータップとも呼ばれている)M12ピッチ1.5
- ヘリサート挿入機 ・・・ コイル状のネジを挿入するのに使用
- ヘリサート ・・・・ コイル状のネジ(抜き取って交換可能)M12X1.5 1D
- タング折り取り棒 ・・・・ 挿入したヘリサートのタングという部分を除去するのに使用
【作業手順】
まずは、ドレインボルトを外してオイルを抜き取ります。
ネジ山の修正作業では、リフトアップしてスペースを確保しないと難しいと思います。今回は知り合いの整備工場で作業させて頂きました。また5カ所のビスで止まっている樹脂製のカバーも外した方が作業がやりやすいと思います。
次にタップをたてます。このタップの下穴は12.5mmですが、なめたネジ穴にそのままたてる事も可能です。今回はそのままタップをねじ込んでいきました。この際にタップがネジ穴の座面に垂直になるように傾きを確認、調整しながら慎重に作業します。
ネジたてが終わったら専用工具を使ってコイル状のネジ(ヘリサート、スプリュー)を挿入します。ネジが座面より少し中に入るまで挿入します。
ヘリサートがうまく挿入できましたら、タングと呼ばれる部分を折り取ります。これは先端に磁石が付いていて、折りとった部分がくっつきます。
あとはドレンボルトをねじ込んで、しっくりくるか確認します。
カバーを元に戻して、オイルを入れて漏れが無いのを確認して、作業終了です。
作業のポイントは、タップを座面に直角にたてる所です。何度も確認して慎重に作業すれば大丈夫です。アルミは柔らかいので、一度やってみれば簡単だと思います。
どうせ修正するのですから、タップをたてる前に思い切りネジ山をなめさせてどのくらいでねじ切れるのか体験するのも良いかも知れません(笑)。ネジ山に不安が有る方は、トライされてはいかがでしょうか?
ドレインボルトのネジ山をつぶしてしまったら、オイルパンを交換しないといけないと思っていたが、こんな方法で修正することもできるようだ。
末尾ではあるが、有用なレポートをいただいたR100RSさんに感謝する。
ご質問はddkunnejp【@】gmail.comまで。