2008年7月12日(土)
エアコン ブロアモーターの交換 − NA-73さんより
今回は初登場のNA-73さんよりエアコンのブロアモーターの交換レポートをいただいたので紹介しよう。そういえば、ブロアモーター交換のレポートも初登場だ。
いつも楽しくかつ有益な情報源として拝見させて頂いております。
今回、自車E34 520i(95年)のブロアモーター交換を致しましたので、少しでもお役に立てればと思い投稿させて頂きます。
私のE34は95年車で、6年前(距離10万キロ)から私の所に来ており、距離も13.8万キロになっています。
今年のGW少し前ころから、エアコンの風が出なくなり、暫く様子を見ていましたが、一向に治る気配がありません。また、お隣の熊谷市が真夏の最高気温日本一を記録するような、関東平野の内陸部において、窓全開とサマージャンボでもらった可愛いうちわだけでこの夏の猛暑を乗り切ろうとするのは少々無謀かと思い、一念発起ブロアモーター交換に踏み切ることとなった次第です。
本格的に部品を揃える前に、いつも大変お世話になっているディーラー様で診て頂き、悪い所を特定致しました。(ディーラー様いつもありがとうございます。m(_ _)m)
今回調達したブロアモーターですが、散々迷った末に新品を選びました。
購入したブロアモーターです。
それでは、早速作業をレポート致します。要は、ひたすらブロアモーター目指し、周りの物を取り外していく作業です。
【作業1】
まず、エンジンルームとフロントウインドウの間にあるゴムのシールを上に持ち上げて外します。【作業2】
次にエンジンルーム内の向かって(車の前方から見て)左にあるアースのようなものが固定されているナットを外します。ついでにケーブルを束ねている黒のインシュロックもカットします。【作業3】
エンジンルーム後部壁にある樹脂製のケーブルカバーを固定している樹脂製のナット2個(左右1個づつ)を外します。【作業4】
エンジンルームに向って右奥にあるヒーターバルブユニットが作業に邪魔になるので、固定してある3つのビスを外し、知恵の輪ように動かしながら下方にずらします。【作業5】
エンジンルーム後部壁のブロアモーター格納部を遮蔽しているパネルの取り外しを行います。パネルは5本のタッピングビス(7mm)で固定されてますが、下側のビス3本の取り外しには作業スペースが無い為、小型のラチェットレンチの利用をお勧めします。ちょっと大変(特に向って右下とセンター下のビスを外すのが一苦労)ですが、根気よく1ノッチずつ回すようなつもりで作業して下さい。
また、この作業だけでなく、全工程で言えることですが、くれぐれも、パーツ類(ビス、ナット、工具等)を落さないように、事前に動作や手順の確認を行う等、細心の注意を払って下さい。
取り外されたパネルです。
【作業6】
パネルを外すとプラスチック製のペラペラした外側のカバーが見えます。全体を少し上にずらし、下の部分を外した後に、今度は下にずらして上の部分を外します。【作業7】
続いて見えてきたのが、ブロアモーター本体のカバーです。真ん中の白いファスナーと両サイドの下部の小さい留め具2個で固定されています。白いファスナーは、外側部分の一番下の丸い穴にドライバー等の堅い物を差し込み(ただし、貫通しないもの)、下に下げながらフックを外します。フックを外す際にファスナーの細い紐を切ってしまいましたが、問題ありませんでした。かえって、作業がし易くなりました。
両サイドの下部の小さい留め具は、小さいマイナスのドライバーを使用して外しますが、外れる際にどこかに飛んで行ってしまわないように、両手を使い、指で押さえながら慎重に外します。外した後も気を抜かずに慎重に取り出します。
【作業8】
白いファスナーと両サイドの下部の小さい留め具2個が外れたら、外側のカバーと同じように上下にずらしながらブロアモーター本体のカバーを外します。【作業9】
ようやくブロアモーター本体とご対面です。ここで、ブロアモーターを取外す祭に、最初に取り外した樹脂製のケーブルカバーとエンジンカバーが邪魔になるので、これも取り外します。【作業10】
ブロアモーター本体は、台座に金属の留め具1つで固定されています。この留め具は一番下側の穴に、針金等をU字型に折り曲げ、その穴に引っ掛けて上に引き上げると外れます。力は殆んど要りません。この金具は取外すと固定している所がないので、ブロアモーターを少し動かしたところで外してお
きます。金具の形状は写真で確認して下さい。【作業11】
いよいよブロアモーターの取外しですが、最後にブロアモーター本体に接続している配線を外します。配線も外れてブロアモーターが完全にフリーになったところで一息入れ、取り外し方をシュミレーションします。ブロアモーターのファンはプラスチック製で柔らかいので多少の無理も利きますが、新しいブロアモーターを取り付ける際、ファンを周囲の部分に触れさせずに装着出来るよう、やり方を考えます。
私は向かって、まず右側のファンを手前に引き、そのままの状態で左側にずらし、斜めのままで左側のファンを左側手前に引きながら(体の左の外側へ引きながら)取り外しました。こうにするとほとんどファンが周囲の部分に触れずに脱着出来ました。
【作業12】
取り外したブロアモーターです。【作業13】
あとは逆の手順で組んで行けば大丈夫です。私は、新しいブロアモーターを台座に固定し、配線したところで作動確認をしました。その際には、最初に取外したアースにようなケーブルを取り付けるのを忘れないようにして下さい。それから、元に戻す作業で参考または、注意して頂きたいポイントが5点あります。
ブロアモーターはモーター本体に付いている穴(くぼみ)で固定位置をロックさせているようですので(たぶん)、留め具を取り付ける前に少し動かし、ロック位置を予め確認しておきます。ブロアモーターのロック位置が確認できたら、電源コードを差し込みます。プラグの形状が+とーで違うので間違えることはないと思いますが、よく確認しながら抜けないように一番奥までに差し込みます。
ブロアモーター本体の留め具のセット方法は、フック(カギ状)になっている方を上部のブロアモーターと台座のプラスチックの隙間にロックするまで差し込みます。よく覗き込んで確実に差し込みロックさせて下さい。
ここが一番重要です。ブロアモーター本体を留め具で固定したら、ファンを手で回し、回転する左右のファンが何処にも当たったり、触ったり、擦れたりしていないことを十分確認します。もしもファンが当たっているようなら、もう一度やり直します。絶対にどこにも当たらないようにセットして下さい。
ブロアモーター本体カバーの取り付けですが、まず真ん中の白いファスナーを固定した後に左右の留め具を付けます。白いファスナーを固定させるのには少しコツが要りますが、下側の部分に開いている穴に、針金(またはピアノ線)をU字型にして引っ掛け、上の部分の先端の穴をドライバーで下方に押下げながら、下の穴に引っ掛けた針金(またはピアノ線)を引き上げると、意外と簡単にセット出来ました。
左右下部の留め具は、下側を引っ掛けてから、上部を押し込む感じでセットします。この作業は工具を使わず、指だけで行いましたが、簡単にセット出来ました。ただし、くれぐれも、留め具等を落さないように、ここも細心の注意を払いながら作業して下さい。
以上がブロアモーター交換作業の概略です。
今回のメンテ費用は、ディーラー様での診断料が3,150円、ブロアモーターが23,982円(OEM品、送料込み)で計27,132円でした。
なお、いつものことですが、こうした作業等につきましては、あくまでも自己責任において実施願います。
ブロアモーターって、あんな位置にあるのか!? 知らなかった・・・。作業手順が丁寧に説明されていて、とてもわかりやすいレポートだ。
末尾ではあるが、有用なレポートをいただいたNA-73さんに感謝する。
ご質問はddkunnejp【@】gmail.comまで。