2008年3月20日(木)
純正カーステレオのOPアンプ交換 − medama1goさんより
今回はmedama1goさんより純正カーステレオのOP(オペ)アンプ交換のレポートをいただいたので紹介しよう。
最近はオーディオのイルミネーションの色を変更するが流行のようなので、私も挑戦してみました。
って書きたかったのですが、私の車両は純正オーディオ(^^ゞ。
未だに!?って思う人もあると思うのですが、実は純正にそれほど不満を持っていないのです。むしろ、あの一体感が非常に気に入っており、実は購入当初のオーディオは故障して、現在は純正2代目。
ところが、先日板金修理をした際に、代車で借りた軽4のカーステレオの定位があまりにも見事なのに驚き、何とかしてみようと考えた末、ついにアンプ交換に踏み切りました。(あまり関係ない気もしますが...(^^ゞ)
以前に故障した純正オーディオは、分解して基盤単体に分けて置いてあるのですが、この基盤を良く見ると、サイズこそ小さいながら見覚えのある石が乗っています。その石は4558というタイプの石。
これはオペレーショナルアンプ、通称オペアンプ(さらに略してopアンプとも)といわれるタイプの石で、詳しいことはググッてみてください。
カーステレオといえども、アンプの寄せ集め。ならば、そのアンプ単体をアップグレードしてやれば、音質は向上するのではないか? ということで、こいつを高性能タイプに交換してみようという計画です。
え、トランクのアンプじゃないのかって? それでは、DD様から「ヲタク」の称号を頂いた私のプライドが許しません。オマケに、交換するには費用が掛かりすぎて、私のポリシーに合いませんので却下です(爆)。
さて、まずは生贄を入手。
さすがに現在使用中のヘッドユニットの中に手を入れる気にはなりません。失敗したら、どうにもならないですからね(笑)。某オクで1000円。なんと取り説つきでした。取り説だけでも1000円の価値があるかも!?(笑)
まずは裏側のヒートシンクを外します。
電源と出力基盤が見えますね。
背面が外れたら、今度は上面カバーを外します。
横側ははめ込みになっていますので、ドライバーなどで曲げないように注意して外します。
フロントパネルとの取り合いはちょっと邪魔くさいですが、無理をかけないように慎重に外します。
カバーが外れたら、カセットユニットを取り外します。
これはビスを4本外したら、後はコネクターに刺さっているだけなので、まっすぐ引き抜けば簡単に外れます。ようやく目指すメイン基盤が見えてきました。
今回のターゲットは、
こいつと
こいつら。
全部で8個。俯瞰するとこんな位置についています。
よく数えると7個しかないですね(笑)。基盤真ん中付近の「ALPINE」ロゴの入った大きな石の付近にもひとついます。
交換するのはこちら。バーブラウン社のオペアンプOPA2604AU。
こちらも某オクで購入。@500円合計で4000円、意外と高くつきます。
SOICパッケージですが、さすがに小さいです。隣のマッチ棒の頭と比較するとそのサイズが分かろうかと思います。まぁ、コイツを手作業の半田付けで、しかもシャシーに乗った状態で交換するということ自体無謀なのですが...
半田吸い取り線とドライバーを駆使して、何とか旧い4558の片方の足が浮きました。
この後、残りの半分も半田ごてで半田を溶かしながらこそぎ取ります。あまりボヤボヤしていると、パターンがはがれますので、慎重かつ大胆、スピーディーに行ってください(え、誰もやらないって?)。
外した4558と、取り付ける2604の比較です。
どうやらサイズ的には同じようです。
2604が@500円に対し、4558は@60円前後(個人で単品購入する場合)。もっとも、これは純正だから特にケチっているというわけではなく、標準的なパーツのチョイスです。2604の方は、単価が非常に高くつくので、メーカー製の場合はハイエンド機にしか用いられません。
内部的にはどちらもデュアルタイプのオペアンプですので、基本的には、そのまま乗せ替えが可能なところがありがたいです。
取り付け方向ですが、基盤の印刷で丸印の付いている方が1番ピンの方向。IC本体には、4558の場合は切り欠きとピンそばのマークがありますが、2604の方はピンそばに小さいマークがあるだけですので、注意してください。間違えて取り付けて電源を投入すると、あっけなく昇天します。
いくつかのコンデンサを半田ごてで焼きながら、なんとかすべてのオペアンプを交換終了。
後は元通りにカセットユニットを取り付け、天板を戻し、背面の出力ICにシリコングリスを塗布しヒートシンクを戻して、いざ車へ。
取り付けは純正同士の交換ですので、まったく問題なしですね。
肝心の音ですが、iPodのACC圧縮音源ではあまり変化なしという感じです。ただ、ノイズが減少したのは分かります。
が、CDでは変化が。ボリュームの位置によりますが、ボリュームノブがセンター付近だと、トーンコントロールがバス、トレブルともにプラスマイナス0の位置で、バランスの取れた音質となります。特にクラシックを聞くにはちょうどいい音質。音圧もちょうど100dB位の感じでしょうか。ピアニッシモまで綺麗に聞こえます。
コントラバスの最低音に始まり、パーカッションの繊細なアタックや、弦楽器の弓が減をこするノイズ、木管楽器のキーが動く音などが、さらにはホールの空気感が、きちんと再現されているという感じがします(ノーマル純正比)。
ポップスを聴くには若干低域不足な感じですが、バスを上げることで対処できます。今までトレブルを上げた時に、耳についていた4kHz前後?のピークもずいぶんとマイルドになり、より高域まで素直に音が出ている感じで、カーステレオというよりはホームオーディオの音に近い印象です。
もっとも、フロントスピーカーの取り付けてあるキックボードについてはデッドニングしていますので、若干ノーマル状態よりも低域はタイトになっています。そのあたりの影響もあるかとは思います。
全体に、ボリュームを上げて聴きたくなる音になりました。
まぁ4000円の出費(ヘッドユニット代含まず)からすると、コストパフォーマンスは高いのではないでしょうか。
ちなみに基板上にゴマンとある電解コンデンサ、これらをオーディオ対策品に交換するとこれまた劇的に音質が変わるそうですが、そこまでヲタクではないので遠慮することにします。
ただ、この作業は二度としたくないです。特に、一番背面側にある石の交換は、非常に面倒。それでも、見た目純正、音を出すと「おっ?」というのはそれなりに気に入っています。
そのうちにリヤのアンプもやってやろうと企んでいます。
ん〜〜〜〜、やっぱりヲタク?(爆)
レポートの最後にある「やっぱりヲタク?」の「?」部分は不要だろう。絶対、「ヲタク」だ! でも、medama1goさんは、弱電から重整備まで「ナンデモコイ」なんだなぁ!
末尾ではあるが、かなりヲタクなレポートをいただいたmedama1goさんに感謝する。
ご質問はddkunnejp【@】gmail.comまで。