2006年7月1日(土)

ラジエターのアッパーホースジョイントの修理 − siegrさんより

今回は、久しぶりに登場のsiegrさんのレポートだ。これは古い車によくあることなので、役に立つ人も多いのではないだろうか。


皆さん、お久しぶりのsiegrです。かなり気温も上がってきて冷却系に不安を覚える方も多いことかと思いますが、私もその一人としてラジエターアッパーホースの交換を行いましたのでリポートさせていただきます。

まず私のM30エンジンのラジエターアッパーホース(以下アッパーホース)は新車以来のもののようで、表面にディーラーがぶっかけるコーティングの残骸が見られました。これが見た目に汚くかなり劣化したようなひび割れを起こしていますので、現車購入以来さっさと交換したい希望はあったのです・・・。しかし機能的な問題もなく腫れるような部分もないので、今まで要観察のレベルで済ましていました。

これは外したアッパーホースですが、意外にしっかりしており今回の作業はやや勇み足になったような感じです。しかしそれだけで済ませてくれないのが我が愛しの34ライフ(^_^;)

外したアッパーホースのラジエター側の口にはこのような異物が刺さって出てきました。「う〜ん・・」とうなること暫し・・・。やはりこれが噂のアッパーホースジョイント破損ですね・・・(T_T)

この程度で(実はかなりの重症で、よくぞ今まで・・・というのが本音です)めげる34乗りではありません。「壊れたものは直せばよい」のフレーズを5回ほど称えると不思議に直す気になってしまいます(^_^;)

先ずは手持ちのケミカルで接着を試みますが最初はあっけなく撃沈です(-.-;) 使用したのはFRP補修用の2液混合の樹脂でしたが、エア抜きを行って一度状況確認を行ったところアッパーホースに刺さって外れてきました(*´Д`)=з

次に試したのは今をときめく(私的にですが・・・)プラリペアです。本品はABSには・・・の取説を見なかったことにして割れたパーツの継ぎ目をV断面になるようにカットして接合の面積を稼いで施工・・・

「おォ〜これなら」の手応えに後押しされながら、たっぷり盛り上げて丸一日放置。翌日ゆすってもひねっても大丈夫なガッチリ感に気を良くしてアッパーホース接続。エア抜きも無事に終えて約1時間のドライブ。スーパーの駐車場で34恒例のボンネット上げをして外部からしっかり繋がっていることを確認しました。

周りの視線などまったく気にならず、変なオッサンがボンネットを上げて頷く様はさぞかし奇異に映ったことでしょう(^o^;)。しかし過日のちょっと渋滞含みの外出でボンネットの隙間から蒸気が・・・。

「あ〜ッ!」っと思う間もなく水温はレッドゾーンへ急行。「ポ〜ン!」と鳴るまで30秒程の時間に感じました。

すぐに近くの道端に止めて状況確認。見事プラリペアがはがれてアッパーホースは外れて熱湯ジャジャ漏れです ┐(´ー`)┌。道行く人達の視線もまったく気にならず(またかい・・)、対面のGSでもらい水(^_^;)。ホースは残った部分にかろうじて締め付けて(今までこれで走ってましたから)出先にクルマのトラブルで行けなくなった旨連絡して逃げるようにして帰ってきました。

またもや「壊れたものは直せばよい」のフレーズを5回称えると直す気になってしまい、夜な夜な壊れたジョイント部分を眺めていると・・・「縫ってしまえ」っとバイエルンからの御達しが聞こえてきましたハハハ・・

1mmのドリルで20個程円周上に穴を開けて0.7mmのステンワイアで縫います。内面は平行に、外はスパイラル状になるようにバランスよく縫い上げていきます。

この手法はオフロードバイクに乗ってる頃はちょくちょくやったものですが、BMWで使うとは思ってもみませんでした(^_^;)

全部縫って末端のツイストをなるべく小さく収めたら、メタルコピープロなる接着整形剤で仕上げます。「金属はもとよりABSにも強力に接着する」との謳い文句を信じてたっぷりと塗り込みます。

塗り込みの際は素直に指を使いましょう。下手にヘラなぞを使用するとエアを咬みやすいので強度が落ちます。ワイアの間にもしっかり入るようにねじ込んでください。末端のカエリの部分は原型を維持するようにしたほうがアッパーホースの密着のためには良いかと思われます。

完成したところです。メタルコピープロは強固に固まっており、ゆするとラジエター本体が動きます。

アッパーホースを接続してエア抜きをしてテストドライブすると・・・、2時間以上のドライブでも問題は
ありません。さすがに耐熱200度を謳う接着剤です。その後も渋滞を含むテストで問題は出ていません。水温もほぼ中央付近で安定しています。

まとめ

とりあえず直りました(´∀`)。本来は金属のニップルを作るとかサブタンク(業者さんはフネと言っているらしい)の交換、もしくは本体ごと交換するのが望ましい作業なのですが、私は本来の機能に問題のない部品を諦めきれない性分なものでこんなことをやってしまいました。

たまたまうまく修理できましたが、皆さんにお勧めできる方法ではありません。間違えれば大きな事故にも繋がりかねないことを考えてご判断ください。例によって作業は自己責任でお願いします。


なんか、『「壊れたものは直せばよい」のフレーズを5回ほど称えると不思議に直す気になってしまいます』のところが妙に笑えるレポートだ。

っていうか、普通この部分って修理するところか?(笑) まぁ、siegrさんだからできる修理だと思うが、一般の方は素直に交換した方がいいだろう。

末尾ではあるが、いつも面白いレポートをいただいくsiegrさんに感謝する。



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