2005年10月4日(火)
ファイナルステージ(刀)の修理 − けろよんさんより
前回に引き続き、今回もけろよんさんよりファイナルステージ(エアコンの風量を調整するもの)の修理レポートをいただいたので紹介しよう。
このレポートはエアコンのファイナルステージ(通称、刀)を修理したときのメモである。修理の手順はBMWおたっきーず(BOHP)のメンテ21第90話のE34BM小僧さんの記事「ファイナルステージの修理」と同じであるので、小僧さんの記事に記載されていなかった情報だけを補足として記録に残す。
(本当は、ほとんど写真を撮っていなかったための言い訳だったりする。)1)症状
エアコンの冷えが徐々に悪くなり、そのうち風量調節つまみを最大にしたときだけしか風が出なくなった。小僧さんの記事と全く同じ症状である。ちなみに、’94年式530iはオートエアコン(横向きに回転するドラム状の温度・風量調整つまみが付いているタイプ)である。小僧さんの記事によると、ファイナルステージ(通称、刀)と呼ばれる部品のコンデンサの交換と半田やり直しで復活したとのこと。ファイナルステージを取り外すのが少々難儀な様であるが、ダメもとでトライした。
2)ファイナルステージ取り外し
詳細な手順は写真つきで小僧さんの記事で紹介されているので、そちらを参照いただきたい。ファイナルステージの脱着は左ハンドル車では助手席側から行うので、右ハンドル車よりペダルやステアリングがない分だけ楽である。グローブボックス、助手席足元のパネルやダクトを取り外してから作業した。写真1、2はファイナルステージを取り外した後の助手席足元である。ファイナルステージは赤丸で示した5ピンコネクタとトルクスネジ2本を外して横方向(矢印と逆方向)に引き出す。あらかじめトルクスレンチを用意しておかないと痛い目に遭うので注意が必要である。
写真がないのが残念であるが、ファイナルステージはまさしく「刀」のようである。
写真1 ファイナルステージを取り外した後の助手席足元
写真2 ファイナルステージの入っていた穴3)コンデンサ交換
ファイナルステージ本体の根元の黒いプラスチックのカバーを外すと、基板が出てくる(写真3)。コンデンサは丸で示した3個あったが、あいにく1個しか用意していなかったため、赤丸で示した1個だけを交換し、青丸の2個は交換しなかった。交換したコンデンサは0.47μFのメタライズドポリエステルフィルムコンデンサ(耐圧63V、ピンの間隔5mm、耐熱105℃)である。コンデンサ交換のついでに基板裏面の半田づけのやり直しをした。(これまた、部品交換後の写真がなくて申し訳ない。) コンデンサは1個100円前後である。
ちなみに、小僧さんが交換しても効果がなかったコンパレータICはLM2903Nという品番のものが付いていた。
写真3 ファイナルステージの基板部分(交換前)4)交換後
エアコンから冷た〜い空気が「ブォーー」から「そよそよ〜」まで自由自在!。今のところ、エアコンは快調である。また調子悪くなったら、残るコンデンサを交換してみよう。所感
暑い中、無理な姿勢でのファイナルステージ脱着で大汗をかいた甲斐があった。
コンデンサと言っても多種多様であるため、事前に岩野さんにお尋ねして教えていただいた。最後になったが、助言いただいた岩野さんや詳細な記事を残していただいた小僧さんに感謝する。DDさんがよく言われるとおり「先達はあらまほしきことなり」である。
DD号は幸いファイナルステージが壊れていないので今まで修理したことがないのだが、実はこの修理には非常に興味がある。「誰か壊れたファイナルステージを送ってくれないかなぁ・・」とか思ってたりする(笑)。
末尾ではあるが、非常に興味深いレポートをお送りいただいたけろよんさん、および「先達」のBM小僧さん、岩野師匠に感謝する。
ご質問はddkunnejp【@】gmail.comまで。