2005年3月20日(日)
カーステレオヘッドユニットの取り付け − shingoさんより
今回は、shingoさんよりカーステレオのヘッドユニット取り付けレポートをいただいたので紹介しよう。これについては、興味のある人も多いのではないだろうか。
SONYヘッドユニットへの交換
最近、我が家のステレオのカセットデッキ部分が故障したため、とうとうカセットテープに録音ができなくなるという状況に陥ってしまった。
以前からユニット交換はたくらんでいたのだが、なかなかリーズナブルなものがなく、バック照明がやたらピカピカするのはあんまり好きではないので、キッカケがつかめずにいた。。
そんな時、SABでバイトしている友人がSONYの1DIN MDデッキが在庫処分品で安く出ていると言うので衝動買いしてしまった。
写真1が今回購入したSONYのMDX-CA790である。
写真1 交換するヘッドユニットの箱この商品はMDLPにも対応している。たくさんのディスクを車内に積まなくてもLPでババババ〜!!と録音してしまえばディスクの車内積載枚数が極端に減るため、軽量化につながり燃費に大きく貢献するという優れもののデッキである(笑)
このユニットに交換するためには、別途、配線キットを購入する必要がある。今回購入した配線キットはNITTO社製のNKK-G32DEというものである。キットを写真2に示す。
写真2 配線キット
キットの中には・・・
(1)取り付けケース
(2)ブラケット×2
(3)パネル
(4)六角レンチ 各1
(5)17Pコネクター
(6)アンテナ電源用変換コード
(7)アンテナ変換アダプター
(8)背面取り付けネジ
(9) 同品
(10)M2×3ネジ
が付属されていた。使用するのは(1),(2),(3),(4),(5),(7),(10)である。
さて、今回のヘッドユニット交換にあたっては2つのポイントがある。
一つはE34の車両側にパワーアンプが搭載されていることであり、もう一つはそのパワーアンプの電源制御を17Pコネクタの中の16ピンである「アンテナリモート」端子で行っていることである。
そもそも「アンテナリモート」というのは、アンテナから入ってきた電波を増幅するためのアンプの電源を制御する信号である。すなわち、ラジオをONにしたときに、アンテナリモート信号が出力されるのである。一方、「アンプリモート」は、車両側に付いているアンプ(スピーカーを鳴らすためのアンプ)の電源を制御するための信号である。
16ピンはアンテナリモートとなっているが、BMW E34には電波を増幅するようなアンプの制御信号はなく、実際には車両に付いているアンプ(スピーカーをならすためのアンプ)を制御するための信号になっているのである。
カーステレオからの出力には、アンテナリモート信号出力とアンプリモート信号出力があるが、アンテナリモート信号出力を16ピンに接続してしまうと、ラジオをONにしたときにしかリモート信号が出ないので、MD等を聞くときには両側に付いているアンプ(スピーカーをならすためのアンプ)が動作せずに音が出なくなる現象が起きる。これを回避するためには、カーステレオからのアンプリモート信号出力を16ピンに接続に接続する。
お分かりいただけただろうか? 私も最初はこの回答をDDさんから頂いた時には「?」がたくさん頭の周りを飛び交っていた(笑)。でもきっとやっていくうちに分かるだろうという安易な考えを持ちながら作業を続行した。
また、アンプが車両側に搭載されているので、ヘッドユニットからはプリアンプ出力を取り出さなければいけないが、ヘッドユニットのプリアンプ出力はヘッドユニット背面のRCAピン(メス)から出力されるようになっている。そこで、このプリアンプ出力を接続するために「RCAピン(オス)-ギボシ端子」変換ケーブルを作成する必要がある。
「RCAピンケーブル-ギボシ端子」の作り方だが、これはとっても簡単である。中学校の技術の時間のレベルだ。
まず、RCAピンコードの赤と白を各2本用意する。そして外側の皮膜を破ると細い銅線がたくさん出てくる。このたくさんの銅線がマイナス側になる。プラス側はたくさん銅線が巻かれていた色のついた皮膜のほうである。これらをギボシを使って圧着するのだが、マイナス側には皮膜がなくなってしまうため、熱収縮チューブで皮膜を作ってやる(銅線圧着部分はハンダつけを勧める)。こうしてでき上がった「RCAピンケーブル-ギボシ端子」ケーブルを写真3に示す。これと同じように残り3本も作る(合計で、フロント左右とリア左右の4本が必要)。
写真3 でき上がったRCAピンケーブル-ギボシ端子この加工が終了したらいよいよ取り付けである。
まず、今付いている純正ユニットを外す前に、配線中のショートなどを防ぐためバッテリーのマイナス端子を外しておく。私のE34は92年式なのでバッテリーはリアシートの下にある。シートの外し方はDDさんの記事を参考にしていただきたい。
シートを外してバッテリーにアクセスできたら13mmのレンチでマイナス端子を外す。外し終わったら端子が触れないようゴム手袋などで端子を覆うとよい。
次はユニットの取り外しだ。ユニット正面の左右の小さなカバーを開け、付属品(4)の2mmの六角レンチでサイド二箇所のネジを左いっぱいに回す。そうすれば本体が抜ける。ネジを回し、ユニットを外しているところを写真4に示す。
写真4 純正ユニットを取り外しているところそして、写真5のようにそっと引き抜いていく。
写真5 純正ユニットを引き抜いたところ
引き抜いたらアンテナケーブルと17Pコネクタを外すのだが、17Pコネクタのはずし方は変わっていてコネクタ上部にイラストで記されているので、それを参考にして取り外す。アンテナケーブルはささっているだけだ。この二つの配線を取れば純正ユニットは完全に取り外すことができる。次に、配線キットに付属されている(1)の取り付けケースを純正ユニットの入っていた場所に突き当たるまで差し込む。この時ケースが大きくて入らない場合は四隅をかるくヤスリやマイナスドライバーで削る(削り過ぎるとスカスカになるので注意!)。たぶんE34には少し大きいと思うので(自分がそうだった)四隅を少し削るとよいだろう。
そして削り終わったら差し込む。差し込む前に、さっき外した配線はケースの中をくぐらせ外に出しておく。ケースを差し込んだところが写真6である。手で持っているのがアンテナ線だ。写真ではすでに(7)のアダプターを差し込んである。
写真6 ケースを差し込んだところ
差し込んだら、走行中ケースが飛び出してこないように、ラジオペンチ等でケースの手前隅4ヶ所を曲げてやる。これが結構固かった。文章では分かりにくいかもしれないが、配線キットの説明書に記載されているので安心していただきたい(笑)。折り曲げているところを写真7に記す。
写真7 ケースを折り曲げているところ
この作業が完了したら、いよいよ結線である。あらかじめ予習しておいた通り、指定された色のコードをちょちょいとギボシで結線する。最初に作ったおいた「RCAピンケーブル-ギボシ端子」も使ってライン出力から音をいれてやる。この時アンテナコードの挿し込み部分が純正とは違うため、配線キット付属の(7)を使い接続してやればラジオも聴くことができる。(私は先につけた。)
これで、取り付け完了・・・と思ったのだが、本体に(2)のブラケットを付けるのを忘れてた。ユニットの両側にAのブラケットを取り付ける。右側だけ取り付けたところを写真8に示す。
写真8 ブラケットを取り付けたところ今度こそ、結線をする! まずは黒のアースから取り付けて、後は適当にと・・・・、笑。。
これで結線が終了した。いざMDを入れて素敵な音を・・・と思いディスクを入れて再生してみたらなぜか音が小さくノイズもかなり入っている。
なんじゃこりゃ〜!! と叫びそうになったがここは落ち着いてDDさんのメールを頭の中で何度も読み返した。
その結果、、、もしかして自分の車にはアンプが付いていないのでは?という答えにたどり着いたのである(^_^;)?
なので、ライン出力は使わず普通に既存の配線をスピーカー配線につなげたら普通に鳴ってくれた。いろいろやってみるものだ(苦笑)!
写真9が加工した配線を外して、カーステ側既存の配線と車両側のスピーカー配線を繋ぎ直しているところである。
写真9 配線を繋ぎ直しているところ
ここまでくれば、後は簡単! 配線の束を押し込んで装着するだけである。配線の束は時計の後ろに追いやることができたので、すんなり装着することができた。後は(3)のパネルを取り付けて交換作業は終了である。
今度こそキーを挿し込み、回す・・・前にマイナス端子を取り付ける(すっかり忘れてしまうことのないように(^_^;)・・・私だけ?笑)。そしてリアシートも取り付ける。
エンジンをかけ、ディスクを入れて再生・・・鳴った!
今度はノイズもなく音量もやたら大きくしなくてもちゃんと再生できる。ほんとによかったぁ〜〜\(^o^)/
ちゃんと動作しているところを写真10に示す。同時にラジオもちゃんと受信するか確認する。
写真10 ディスクを再生しているところ
私の車両は92年の525だからアンプ付きだと思ったのだが・・・・。まぁ、とりあえず、ちゃんと鳴ってくれたからいいかと自分に言い聞かせて、交換作業を終了した(^_^;)。このように、あるものがなかったりと思わぬ出来事があるし、電気も通っているので、取り付けはあくまで自己責任でお願いしたい。
車両側にアンプがあると思って周到に用意していたようだが、アンプはなかったようだ。折角製作したRCA-ギボシ端子変換ケーブルの出番はなかったようだ。
末尾ではあるが、有用なレポートを提供していただいたshingoさんに感謝する。
ご質問はddkunnejp【@】gmail.comまで。