2005年2月18日(金)
OBCの修理 − ミッチョさんより
先日、ミッチョさんよりOBC修理のレポートをいただいたので紹介しよう。
エアコンの温度調節フラップが動かないので、修理のためコンソールを取り外しエアコンを動作させたところ、フラップを動かすモーター付近からかすかな煙が出て、焦げ臭い匂いがしてきた。
当初、このOBC(オンボードコンピュータ)裏にあるモーターが加熱して煙が出てきたと思い、あせってしまった。
ところが、よく見るとOBCが全く表示されなくなっていることに気づいた。照明ランプ切れかとも思ったが、照明ランプは点灯している。
どうも、OBCも故障したようだ。エアコンの修理にはフラップのアクチュエーターを交換しなくてはならないことが判明し、部品が届くまで修理はお預けとなってしまったので、急遽OBC不動の原因を探ることにした。
部屋に戻ってOBCを分解してみた。
<分解方法>1 本体手前の上面と下面に2つずつある爪のロックを外す。これで、手前のパネル面が抜ける。
パネル面の裏側に垂直に基板があり、奥の水平な基板とフラットケーブル?で接続されている。パソコンなどと違い、半田付けされているので、簡単に抜くことはできない。折ってしまわないように気をつける必要がある。
2 後の2本のネジを抜き取り、コネクターの四隅の爪を注意深く外すと水平の基板も抜けて、写真1・2の状態となる。
写真1 OBCの分解(1)
写真2 OBCの分解(2)内部を見てみると、基板上の抵抗が焦げているのが分かった。(写真3・4)
写真3 基板背面
写真4 焼けた抵抗まる焦げのため、抵抗値も読み取れない。これは痛い出費だとあきらめかけたが、少し前に、BMW@FUNのメンテナンス掲示板に、同じトラブルを抵抗の交換で修理ができたとの投稿があったのを思い出した。
写真のOBCは部品番号 65 81 8 351 055 のもので、現行のパーツである。
初期のものは 65 81 1 384 149 で、その他にもいくつかのバージョンがあると聞いている。E34に詳しい方からの情報によると、055のOBCはこの抵抗が燃えるトラブルがあるらしい。
また、燃えた抵抗は、5.1オーム、1/4Wの金属皮膜とのことである。OBCの予備は手持ちが無いため、だめもとで修理してみることにした。
早速、抵抗を購入して(10円だった)交換をしてみた。ところがいきなりトラブルである。抵抗実装面の裏側に半田ごてを当てて、燃えた抵抗を抜こうとしたところ、実装面側の配線パターンを一部剥がしてしまった。基板は表・裏にそれぞれ配線パターンのある2層構造となっていて、気をつけないとこのようなことになりやすい。単に私が下手なだけだが・・・・。はんだ吸い取り機などで、表裏両方の半田を取り去ってから作業したほうが良かったようだ。
気を取り直し、剥がれた配線を何とかジャンパー線でつなぎ、慎重に導通をチェックしてみたが問題なさそうであった。
車両に戻してイグニッションキーをACCまでひねってみると「PPPP」の表示がされ、イグニッションONまで回すと時刻設定の画面になった。どうやら無事に動作しているようだ。
一時はOBCの交換を覚悟したが、10円の部品で修理完了となった。抵抗が燃えた原因がこの抵抗の経年変化の劣化によるものだけならいいのだが、他に原因があるのならまた燃えてしまう可能性も否定できない。しばらく、注意深く経過を観察する必要がある。また、この記事を見て、同じトラブルの修理をされる場合は、あくまでも自己責任で行って欲しい。
この修理は、E34電気博士の岩野さんからの情報がなければ、全くお手上げであった。改めてその造詣の深さに感心するとともに感謝の意を表する。
さて、次はエアコンフラップの修理だ。本当にメンテのネタに困らない、楽しい車である。
今回も有用なレポートを投稿いただいたミッチョさんに感謝する。
ご質問はddkunnejp【@】gmail.comまで。