2004年12月19日(日)
2日で完成! イカリングの装着方法 − 2日目
1日目でほとんどの作業をやってしまったので、2日目は基本的にヘッドライトをイカリング付きのものに交換するだけである。
それでは、2日目の作業を紹介しよう。なお、説明には過去の画像等を使っているが、ご容赦いただきたい。って言うか、新たに写真を撮るのが面倒だし・・・(笑)。
作業概要
2日目は、イカリングを装着したハイビーム、ロービームを車体に取り付けるとともに、それらの配線を行う。
用意するもの
・ヘッドライト固定用ブッシュ(グロメット、ジョイントブッシュ)12個
純正パーツナンバーは、6312 1378 369。
ディーラーで入手可能であり、140円/個(税別)だ。
現在、付いているものを再利用することもできるようだが、結構面倒である。DDは気持ちよく(?)新品を使っている。でも、新品のグロメットを12個も買うと結構高いなぁ・・・。・12〜15mm径の熱収縮チューブ
イカリングの配線とコンバータ(インバータ)の配線を接続するコネクタの防水処理に用いる。なければ、少し厚い目のビニールとビニールテープで代用することもできる。
・長さ100mmと200mmのタイラップ(結束バンド、インシュロック)
できれば耐侯仕様のものがいい。ホームセンター等で手に入る。
・工具類
ドライバー、ソケットレンチ(17mm)、ラジオペンチ、ニッパー、潤滑スプレー(CRC-556)、内装剥がし、など
作業
1.イカリングの配線にコネクタを付ける。
これは1日目にやっておいてもいいのだが・・・。
写真1のようにイカリングの配線の先に付いている金属に付属のコネクタを取り付ける。金属部分をコネクタに差し込む際には方向があるので注意する。まぁ、入る方向にしか入らないが・・・。
写真1 コネクタの取り付け【作業のポイント】
イカリングからコンバータへの配線には極性がないので、コネクタの左右どちらに入れてもいい。うまく取り付けられたら、カチッと小さい音がしてコネクタから配線が抜けなくなるはずだ。2.リフレクターをロービームに取り付ける。
写真2のように、リフレクターを3本のネジでロービームに固定する。
写真2 リフレクターを取り付けたところ【作業のポイント】
日本仕様の通常のロービームの場合には、リフレクタに付いているマークをロービームの"R/D"に合わせる。一方、EC仕様の髭付きレンズの場合には、"L/G"に合わせる。3.バンパー、キドニーグリル、ライトグリルを外す。
さて、ここからは現在付いているヘッドライトとの交換作業だ。
まずは、写真3のように内装剥がしを差し込み、左右のモールを外す。バンパー前側の部分はクリップで留まっているだけなので、バキバキッと引っ張れば外れる。サイド側は前にずらすようにすればいい。
写真3 モールを外す位置モールを外した後は、写真4のようにバンパーに付いている4つの17mmナットを外す。
写真4 17mmナットを外しているところ(モデルはboven7さん)この状態で、写真5のようにバンパーを前に引き出すと、バンパーが外れる。
写真5 バンパーを外しているところ(モデルはboven7さん)バンパーには左右のフォグランプと温度センサー(OBCかデジタル時計装着車のみ)の配線が付いているので、バンパーを少し前にずらした状態で、それらのコネクタを外しておく。この作業は、できれば二人でやったほうがいいだろう。
外したバンパーは傷が付かないように、解体した段ボール箱等の上にそっと置いておく。
次に、キドニーグリルを外す。キドニーグリルは、写真6に示す位置でクリップ留めされている。
写真6 キドニーグリルのクリップ留めの位置両端のクリップを外すのは結構難しい。どうしても外れないときは、写真7のように下側に付いている二つのクリップを押し込んで外せばいい。無理にキドニーグリルを取ろうとすると曲がってしまうことがあるので、慎重に作業した方がいいだろう。
写真7 キドニーグリル下側のクリップキドニーグリルが外れれば、次はライトグリルを外す。
ライトグリルは写真8の赤丸に示す4つのプラスチックネジと赤四角で示す金属ネジを取れば外せる。
写真8 ライトグリルを外すネジ【作業のポイント】
バンパーを外すときは、なるべく二人でやったほうがいい。特に、フォグランプのコネクタや温度センサーのコネクタを外すときは、一人がバンパーを支えて、もう一人が両手でコネクタを外すようにしたほうがいいだろう。どうしても、一人でしなければならないときは、バンパーを外す前に、バンパーの下から手を入れて、コネクタ類を外しておいた方がいい。
キドニーグリルを外すときには、下側に付いている4つのプラスチックの爪を下に下げるようにすればいいのだが、固くてなかなか外れないときもある。あまり無理に外そうとすると、プラスチックの爪を折ったり、キドニーグリルが曲がったりするので、丁寧に作業した方がいいだろう。4.ハイビーム、ロービーム外す。
次に、車両に付いているハイビームとロービームを外すが、その前にライトの裏側からヘッドライトのコネクタとポジションランプのコネクタを外しておく。
ロービームを外すには、写真9の赤矢印で示すプラスチックのグロメットをニッパーでバキバキと砕く。
写真9 ロービームを固定しているグロメット同様にして、ハイビームのグロメットもニッパーでバキッと破壊して、ハイビームを外す。
5.イカリング装着済みのハイビームとロービームを取り付ける。
まずは、写真10に示す新しいグロメットを写真11、12のようにハイビームとロービームに取り付ける。
写真10 新しいグロメット
写真11 グロメットを取り付けたハイビーム
写真12 グロメットを取り付けたロービームそして、これらを車両に取り付ける。取り付け前にヘッドライトの飾りリングを綺麗に磨いて、ハイビームとロービームに取り付けておく。ハイビームとロービームの取り付けの際には、写真13のように、グロメットの取り付け先の金属部分にCRC-556を吹いておく。
写真13 金属部分にCRC-556を吹いているところ写真13はフレームを外した状態の写真であるが、本当はフレームが車両に付いたままの状態だ。
ハイビーム、ロービームのグロメットを付けた部分をライトフレームの金属部分にカチッと音がするまで押し込んで固定するが、これがなかなか固い。力まかせに押し込むと、フレームや光軸調整モーターの固定のためのプラスチック部品が折れてしまうので、注意が必要だ。実は、この作業が2日目で一番難しいだろう。写真14のように、手で押し込むか、何か固いものを当てて押し込むといいだろう。
写真14 ロービームを押し込んで固定しているところ
(実際のライトフレームは車両についたまま)【作業のポイント】
ハイビームとロービームを押し込むのは結構力の必要な作業であるが、ソケットレンチのソケット等を利用して叩き込んだりしてはいけない。ライトフレームが割れたり光軸調整モーターの固定プラスチックが割れたりすることもある。あくまで、手で押し込むようにする。DDはウォーターパイププライヤーに軍手をかぶせて、それをグロメットに押し当てて押し込んだ。
もしかすると、グロメットを先に金属部分に嵌めてから、そのグロメットにハイビームやロービームを取り付けた方がいいかもしれない(未確認)。その際、グロメットをラジオペンチ等で摘んでやるといいのかも・・・?ミッチョさんから下記の情報をいただいた(2004/12/20追記)。
Subject: ヘッドライトの固定
From: ミッチョさんヘッドライトの固定用のジョイントブッシュですが、私はいつも金属棒に差し込んでからライト本体を押し込みます。爪の出幅がわずかですから、比較的簡単に押し込むことができます。多分、この装着方法が正解かと思います。
やっぱりそうか・・・。なんかおかしいなと思っていたんだ(苦笑)。
6.CCFL管の配線とコンバータを接続する。
コンバータからは2つのコネクタ付き配線が出ているので、それをハイビームとロービームのコネクタに接続する。
さらに、写真15のように、12〜15mm程度の熱収縮チューブをコネクタにかぶせる(コネクタを接続する前に熱収縮チューブを配線に通しておく)。
写真15 熱収縮チューブをコネクタにかぶせたところ写真15では、熱収縮チューブの代わりに、少し厚めのビニールを巻いてビニールテープで留めている。太い熱収縮チューブがない場合は、この方法でもよい。
そして、写真16のようにこの両端を100mm程度のタイラップでしっかりと縛る。
写真16 両端をタイラップで縛ったところそして、写真17のように、ライトフレームの裏側で、ハイビームとロービームの間に、200mmのタイラップでコンバータを固定する。
写真17 コンバータを固定したところライトフレームには、丁度いい位置(写真17の赤矢印)に穴が空いているので、うまくコンバータを固定できるはずだ。固定の際には、少し厚めの両面テープ(CCFL管キットに付属している)をコンバータの裏に貼っておくといいだろう。
そして、最後に余分な配線を纏めて、写真18のようにタイラップで縛っておく。
写真18 余分な配線をタイラップで縛ったところ(右側の配線)【作業のポイント】
イカリングの配線とコンバータの配線を接続するコネクタの防水処理はしっかりとしておいたほうがいい。ここには、交流で100V程度の電圧がかかると思われるので、防止処理が完全でないと漏電しやすい。7.ライトグリル、キドニーグリル、バンパー、モールを元通りに組み付ける。
ヘッドライトのランプのコネクタを元に戻した後、コンバータに接続していたポジションランプコネクタを車両側のコネクタと接続する。シリコンシーラントで防水処理したコネクタは、そのままでもいいが、シリコンシーラントを塗った部分だけでもビニールテープを巻いておいてもいいだろう。
この時点で、一度、ライト類の点灯試験をしてみるとよい。うまく接続されていれば、イカリングを含めて、ロービーム、ハイビームとも問題なく点灯するはずである。うまく点灯しない場合は、電球やコネクタの接続を点検する。余談ではあるが、DDが使用したCCFL管の消費電力は、片側2本で8W程度であった。純正のポジションランプが5Wであることを考えると、そう大した電力ではない。
そして、外したのとは逆順に、ヘッドライト、キドニーグリル、バンパー、モールを元通りに組み付ける。
バンパーを組み付ける際には、フォグランプのコネクタと温度センサのコネクタを忘れずに接続しておく。なお、温度センサを一度取り外すと、再接続してから30分以上経たないと正しい温度が表示されない。OBCやデジタル時計が「-37℃」とか表示しても驚かないように。
【作業のポイント】
キドニーグリルを取り付けるときには、グリルが曲がらないように慎重に位置決めして組み付ける。
バンパーを取り付けるときには、バンパーを左右均等に入れていかないとうまく入らない。ここでの作業も二人でやった方が簡単だ。慣れていれば一人でも可能ではある。
また、最後に取り付けるモールは、バンパーの一番後端のところまでしっかりと押し込んでから、全面をはめ込むと、きっちりと嵌るはずである。
以上の作業で、イカリング装着は完了である。うまく作業が完了すれば、写真19のように美しくイカリングが点灯するはずだ。
写真19 イカリングを点灯させたところ(夜間に撮影)いかがだろうか? 今回の「2日で完成! イカリングの装着方法」では、なるべく簡単に特殊な工具を使うことなく、イカリングを装着できる方法を紹介した。もちろん、ヘッドライトの電球を自分で交換したことがないような初心者の方にはちょっと難しいかもしれない。しかし、工具とやる気さえあればできないことはないはずだ。順調にいけば、週末の土日でイカリングが装着できる。イカリングに興味はあったけど、ちょっと難しそうだなと思っていた人は、この機会に是非チャレンジしてほしい。
なお、上記の作業説明は525のものだが、530や540ではライト裏側の作業スペースが小さいので、ライトフレームごと外して作業した方が楽かもしれない。
E34へのイカリングの装着は、一年半以上も前に関東方面で岩野師匠をはじめ庭師@さんが完成されている。関西では、ようやく最近になってKidsさんやboven7さんが完成されている。今回紹介したイカリング装着方法は、これらのイカリングな先輩諸氏のノウハウや、DDがイカリングを取り付けた経験から得たノウハウを集大成したものである。
末尾ではあるが、DDがイカリングを取り付ける際に様々なノウハウを教えていただいたイカリングな先輩諸氏に感謝する。
ご質問はddkunnejp【@】gmail.comまで。