2004年11月19日(金)
ヘッドカバーガスケットの交換 − BJさんより
いつもメンテレポートをいただくBJさんからMエンジンのヘッドカバーガスケット交換の作業レポートをいただいたので紹介しよう。
今回のレポートは前回の続きで、ファンカップリングの交換時に一緒に行ったメンテの内容です。
題して「ヘッドカバーガスケットは自分で交換しよう!」・・デシ。
ご存知の方も多い事かとは思いますが、そもそもBMWはガレージメンテナンスができるようにとオーナーズ心をくすぐるメーカーの1つとして古くから整備マニュアルなども一般公開されています。あえてエンジンの音が中に聞こえてくるように設計している意図のソレと一緒ですね。この辺がメルセデスとの大きな違いかと思います。
自分は貧乏性なのと、メンテナンスの基本は自分の耳といつもの乗ったフィーリングから始まるものと思っています。もちろん、ディーラーに持ち込めば済む事は多々ありますが、日本のディーラーは大抵大物(笑)の金額のかさばるものから交換修理をユーザーに申し付けてきます。これはいささか心臓に良くなく、またとても懐にも優しくないシステムです(え゛っ!オマエだけやろ!って・・・・、バタッ)。
そんなものでE34の場合は大抵のメンテは自分で出来るものと思っております。その先陣を切っている方が岩野師匠でしょう! ワタチは電気はダメどす。電気で困ったら東の岩野師匠、西のDD殿と決めております。わはははは・・。
さて、今回ヘッドガスケットを交換するに至りましたのは、前回エンジンをOHして丁度10,000キロ、何気に最近スローの不安定さを感じ始めたこと、そして、プラグのチェックをした時にプラグホールにオイルが溜まっていたことです。ガスケットシールからの漏れはまだ無かったものの、プラグホールシールの交換をするためにはヘッドカバーは開けなければなりません。そうであるなら、当然のようにヘッドカバーガスケット、プラグホールガスケット、リアカバーシール(これはM5だけかも・・)の交換を一緒にしなければ交換サイクルもさることながら、一度使ったシールを使うには折角OHしたエンジンにちょっとかわいそうかな?な〜んて考えちゃいました。
まずはパーツの調達ですが・・
ファンカップリング (11527505302) 25,000 カバーガスケット (11121312172) 4,900 プラグガスケット (11121312173)x3 2,760 リアカバーガスケット(11121306729) 240 合計
33,000 実購入価格
25,000
特殊工具(株式会社ストレート) http://www.straight.co.jp/近所にあるのでいつもここで工具は調達しています。だって・・・、あのファンカップリング用の工具ですら0.8諭吉ちょっと。WAKO'Sのケミカル製品なんて大抵のものなら7掛け以下ですもん!
と、前置きはこの辺に致しまして。。
写真1は今回のヘッドカバー交換に際しての新品です。
写真1写真2〜4までは躊躇無く外していきます。この辺はどのエンジンも一緒です。
写真2
写真3
写真4写真5がプラグホールですが、ものの見事にオイルが溜まっていました。
写真5写真6は外したプラグです。これじゃあアイドルも不安定になりますよね!(苦笑)
写真6写真7は外した全部のプラグです。ちなみにイリジウムプラグを使っていますが、多少のリークならお構いなしにスパークしてしまうなんて、、す、すぎょい!
写真7写真8の矢印のものが各ガスケットです。これは基本的にどのエンジンも同じような造りですので、品番でご使用のE34の適合パーツをひろってもらえばOKです。
写真8写真9の部分は、ウエスで拭いてみて指先に多少ざらつきか感じるようでしたなら”オイルストーン”で軽く面取りをすると良いでしょう! 今回はウエスで拭き取ったら綺麗になりましたので、あえてオイルストーンは使用しませんでした。その代わり、ヘッドカバー側に少量の液状ガスケット(写真16の青いものです。液状ガスケットはなるべくいいものを使用してください)をヘッドカバーガスケットとプラグホールガスケットにまんべんなく塗布してからカバーを閉めました。
写真9普通は液状ガスケットは必要無いのですが、どうせ次回も自分でやる事でしょうからあえて用心の為に塗布をすることにしました(写真10、11参照)。
なお、液体ガスケットはヘッドカバー側にだけ付けるようにしてください。これは次回のガスケット交換時に液体ガスケットを取り拭うのが大変になるからなので・・・。
写真10
写真11写真12と写真13は締め付けの順序です。写真12はベントレーのマニュアル通りですが、この締め方には色々な疑問もあります(知りたい方はメールを下さい)。
自分が20数年前に整備士の免許を取った当時は「の」の字を書くように締める!と教わったものでした。ソレが写真13ですが、今回はこちらの締め方でヘッドカバーを締め付けていきました。締め付けトルクはベントレーを基本にしていますが、プラグのソレと一緒で、何度も同じ手順で少しずつ締め込み最後に規定値で締める、というように行います。
写真12
写真13すべてを組み終えた後は、お決まりの“コパスリップ”を新しいプラグのネジ部に塗布して締めていきます。プラグも締め付けは十分注意して最後に固くなる瞬間までは軽く回しながら入れていきます。
写真14写真15、16は今回お世話になった工具たちとパーツ類です。
写真15
写真16最後に・・・。この作業は「エンジンが冷めている時に行う!」 これ鉄則です。熱いままだとヘッド達が熱膨張していますので、まともな密着性が生まれません!
M50エンジンのヘッドカバーガスケット交換は、「ヘッドカバーガスケット交換 − プラグホールのオイル漏れ対策」でレポートしたとおりだが、BJさんのレポートはMエンジンのものである。
BJさんによると液状ガスケットはヘッドカバー側だけに塗布するようだ。DDは両方に塗っていた(苦笑)。
末尾ではあるが、いつもメンテレポートをお送りいただくBJさんに感謝する。
ご質問はddkunnejp【@】gmail.comまで。