2004年8月21日(土)

HIDバラスト加工 − 岩野師匠より

DDがE34を購入し、「メンテナンス記録」を書き始めてから4年近くになる。その間、いろいろな方からD.I.Y.レポートをいただいたのだが、先日、遂に岩野師匠からレポートをいただいた。DDのサイトも遂に岩野師匠に認められたということである(と思っておく)。

前置きはこれぐらいにして、早速、岩野師匠の詳細な「H.I.D.バラスト加工」のレポートを紹介しよう。HIDを安く確実に取り付けたいと思っている人には有用な情報だろう。



よく、ヤフオクで見かけるバラストですね!
トヨタや、日産、ダイハツ、スバル等でも採用されています。
製造元?はデンソーです。
車種にあわせて、ケーブルの長さ違いなどがありますが・・・大体は使えます。
付属の電源コードが短い物は足せばいいですし、高圧コードの短い物でもバラストの置く位置を考えれば届きますので、あまり気にしなくてもいいです。
電源コードの黒いゴムのブッシングが無いのは、何か代用品を探して加工してあげなくてはいけませんけど・・・


電源コードを抜いてから4mmのプラスネジを緩めて、隙間からマイナスドライバーを差し込んで上の蓋を剥がします。
アルミで薄いので、変形させないように注意しながら、大胆に剥がしてください。


蓋を開けて、中の白いプラスティクのカバーも外します。


DIYショップでよく見かける、シール剤です。
これを使用して、防水加工を行います。


かなり大胆に盛っています。
隙間に行き届くように、丁寧に押し込みながら、こんもり塗ってください。


先ほどはずした白いカバーをかぶせて、また、その上にも塗ります。


そうして、アルミのカバーをかぶせてM4のネジを締めます。
そうすると、中からシール剤があふれてきますが、ぐいぐい押して蓋を閉めてください。


こんな風に、隙間がありそうな所もねじ込む感じでシール剤を塗りこみます。


その後、あふれたシール剤を綺麗にふき取り、固まるまで重石を乗せて放置します。
重石とバラストの間は、サランラップなんかを挟んでおくと、重石が汚れません。
約12時間位放置すれば、固まるでしょう。


さて、バラストに付いてきた電源コードをこんな風にばらします。
白いカプラーは不要ですので、ちょん切ってください。
黒いゴムのブッシングは接着されていますが、ペンチではさむ等して、線は破壊しないように、なんとか抜き取ってください。これは、後で使用します。


さて、次はバルブのキャップの加工です。これはロービーム用です。


私の場合は、このパッキン(スポンジ)を一度剥がします。
マイナスドライバーを差し込んで、丁寧に剥がして下さい。


剥がしたら、そのパッキンのあった位置に輪ゴムを一本入れておきます・・・
なぜって・・・パッキンが劣化して縮んでいるんで、輪ゴムでかさ上げして、防水性をよくするためです。まぁ、新しいパッキンがあれば、それに交換すればいいんですけど・・・


さて、バルブキャップに穴を開けます。
先ほどの黒いゴムのブッシングが付くように穴をあけます。
私は100円ショップで買った21mmのこんなドリルの刃を愛用してます。


私は、ボール盤を使っていますが・・・
なければ、何とかしてくださいね!手には穴を開けないように注意してくださいね!


大きな風穴が開いたキャップに、今度は電源コードを通す3φ位の穴を電動ドリルで2個あけます。


こんな感じで、裏からあけます。
端子をさけて、いい感じ?の所へ開けます。


開けたあと・・・


反対から覗くとこんな感じです。
まだ、開けた後のバリがでてますね・・・
バリは綺麗にカッターなどで落としておいてください。


さて、キャップの中の、元々の茶色い線と黄色線は、ハンダゴテで綺麗にはずして、先ほどの電源コードを通します。
赤線は元の黄線色側へ、黒線は元の茶色線側へ通します。
間違えないようにしてくださいね!


通した線の先を、ワイヤーストリッパーなどで先を5mmほど剥きます。


剥いた線に、あらかじめ予備ハンダを施します。
これをしないと、うまくハンダ付けはできません!


そして、キャップの中の端子に線をハンダ付けします。
丁寧に行ってくださいね!
ハンダ付けしたら、線を引っ張って、通っている穴には、防水の為にシリコンか何かで穴を埋めてくださいね。(この写真はまだ施して無いです)


そうそう、せっかくの付属の保護カバーがあるので、ビニールテープで防水を・・・
まぁ、気持ちだけですけどね!


キャップに電源コードが付いた状態です。


さて、付いてきたゴムブッシングが長いので、切り詰めます。
5mmくらいかなぁ?


私が使ったバーナーはこんなんでした・・・
気持ちよく、ばっさりとカプラーの近くで切ます。


切ったら、先ほどのブッシングに線を通します。
ブッシングの向きに気をつけてね!


次は、汎用のギボシを圧着します。
バーナー側の、雄と牝の使い方はこんな感じです!
圧着する前に、ちゃんとビニールは被せてね!


ギボシを圧着したら、念の為にハンダ付けして仕上げてあげます。
そうすれば、強度が増しますから・・・
そして、ビニールを被せてあげます。


完成したバーナーです。


それを、先ほど加工したキャップに通してみました・・・いい感じでしょ!


さて、バラストの防水シールが固まった頃でしょうから・・・
バラスト側の高圧コードも加工します。
まずは、このD2Rとかのバルブ用のコネクタをちょん切ります。


あーあ・・・切っちゃいました。
下に写っているには、スミチューブの10φです。
熱収縮チューブでは、私はこれがお気に入りです。
105度耐熱で、よく縮んでくれます。


網線がバラけないように、スミチューブを通してあげます。


通したら、ヒートガンで縮めます。なければ、ライターでも可能です。


さて、次は端子加工です。
こんな具合に雄と牝を使います。
ここでも、ちゃんとビニールを通してからやってくださいね!


圧接が終わりましたが・・・電線の被覆の側はまだつぶしません。


ここも、念のためにハンダで補強してあげます。
ハンダしてから、先ほどやり残した、被覆側もつぶしてあげます。


ここから先は、本当は車両に装着してからの作業ですが・・・
試しに机上で残りの作業も見せておきますね!
高圧電線は、漏電防止の為に、スミチューブをかけてあげるので・・・
こんな具合で通します。


通したあとは、スミチューブの両端をインシュロックで縛り上げます。
ここまですれば、防水も大丈夫です。


バラストとつないだらこんな風になります。


試しにロービームに装着してみました・・・


ちゃんと!点灯してますね!


さすがは岩野師匠である。44枚もの写真を使って初心者にもわかりやすく、詳細かつ丁寧に加工方法を教示してくれている。配線の接続方法など、DDも非常に勉強になった。

HIDは多少高価だが、こうやってヤフオク等で手に入れて加工すると、安く確実に取り付けることができる。これは本当に有用なノウハウ情報だ。

いつもながら、岩野師匠に深甚なる感謝の意を表す。



<<前の記事へ   次の記事へ>>

ご質問はddkunnejp【@】gmail.comまで。

メンテナンス一覧へ